駅前のベンチ
W1800×D500×H756 SH400
材質:杉、赤松
塗装:天然オイル
ストーリー
近鉄南大阪線、二上神社口駅前のタバコ屋さん。
その名の通り、二上山のふもとにある神社の最寄り駅であり、歩けばほどなくあの有名な當麻寺(たいまでら)が近くにある。
奈良県西部ののどかな田舎町。
駅はホームと改札だけの小さな駅で、駅前にはこの店と少し離れて酒屋さんが一軒ある。
観光客が駅を出てひと休み、また、神社や寺を見て歩いてきて一服するのにこの店のひさしのテントの下はちょうどいいらしく、休日となればリュックを背負ったウォーキング姿の人々が自然とたむろするらしい。
そして雨の日となれば雨宿り。
だから吉川さんはここにベンチを置きたいから作って欲しいと、僕のところへ来た。
「簡単なんでええよ」といわれたが、少しは雰囲気を出すために、杉の耳つきの板を使った。
脚は簡単に赤松でビス止めにした。
「宣伝になるように名前書いときよ」といわれても、でかでかと書くのは気がひけたので、いつもの焼き印とホームページのアドレスを書いておいた。
これがどれだけの宣伝になるか分からないけれど、これからいろんなひとが座ったり、休んだり、楽しそうにおしゃべりなんかしてる姿を想像すると、なんだか幸せなもの作らせてもらったなと、嬉しくなったりする。