あなたと、あなたをとりまく環境を
肖像画を描くように、一つの家具で 描き出す作業
それが、僕が考える オーダーメイド家具の製作です
SIGNのポリシー、オーダーメイド家具の魅力
ガラステーブルの本体は組み上がるとこのような形になる。
3本の腕を絡み合うように組み上げるには同時に落とし込まなければならず、理想としてはぴったり隙間なく納めたいところだが実は多少の”遊び”はある。
ただそれが精度の問題なのか、必要な”遊び”なのかは作る人にしか分からない。この形を最小限の部材で達成するにはこの方法しか思い浮かばなかった。
重いガラス天板を6点で支える腕。2点は必ず1本の部材でつながっている。
このデザインはまず高さの可変機能というところから始まり、どこにもないもの、という要望にどう応えるかで悩んでいたときに、『風草木』という友人の店で植物を眺めながら思いついたものだった。
だからこれは花。雪の結晶にも見えるけど、これを納品する頃にはもう、雪を見ることはないだろう。
これまでの冬は、本当に長く感じた。
未来の自分を苦しめるつもりか
2014 年 3 月 24 日 by SIGN
このガラステーブルは少し変わった形をいているので、作り方も少し変わっている。
スタンダードなテーブルに用いられる構造をあえて避け、家具以外でスタンダードな三脚の構造を採用した。そのために加工法から組み立てに至るまで妙なところに精度が求められ、挑戦の連続となっている。
一カ所でも失敗するとつじつまが合わなくなってくる。
なんでこんなものを。
よくまあこんなものを考えたもんだ。
今日作っていて、どうやって組み立てるのか分からないところがあり、図面だけでなくそういうところも残しておかないとなあ、と思う。
Saltさんと二人で奈良を走ってきた。
室尾から月ヶ瀬、柳生をぬけて奈良市内まで。
県庁の屋上に登り、帰りは369号線で針へ。途中ハーブクラブへ立ち寄り、針でSaltさんと別れ、そのあと一人で長谷寺へのルートをかっとばす。
下界はそろそろ春の陽気だけど、山間はまだ寒く。
梅の花を見て、柳生の里で昼食に鍋焼きうどん。
誰もが一度は憧れる900SSデスモに、それだけを25年乗り続ける人と出会い。
なぜか今日は何度も道を見失い、何度も引き返し、気づくとやめようと言っていた県庁の前にいた。
登らなくてもいいやと思っていた屋上に登り、結局369号線の起点から柳生街道を引き返す。
369号線沿いにある青葉仁ハーブクラブへは、何度も前は通ったことがあったけど初めてで、出されて驚きクレマがたつ本気コーヒーを飲む。
OK.下見完了。長谷寺から奈良県庁までの快走ルート、昼食、コーヒー付き。今度は桜咲くころに。
あなたはバイクですか
2014 年 3 月 13 日 by SIGN
バイクにまつわるドキュメンタリーショートフィルム。
生き方の中にバイクがあるということ。
それを静かに見つめながら淡々と語る人々。
バイクとは、名前を付けて店頭で売られているものではなく、持ち主によってもう一度命を吹き込まれた美しい乗り物であり、愛されるからカスタマイズされていくもの。
現在エピソード10までアップしてある。
バイクに乗りたくなりますよ。雨降る夜にいかが。
STORIES OF BIKE
昨日と打って変わって今日は暖かく、一日いい天気だった。この季節のこんな日を逃すときっと後悔する。ガレージライドの村田君も一年で一番いい日はこんな日のことだと言っていた。
朝から昨日用意しておいた材を製材する。材はウォールナット。天板はガラスなので木部はフレームのみなのだが、高さの可変機能やら特殊な形をしているので意外とたくさん使用する。作業前にもう一度確認すると、見落としていた部材があり、木取りの関係上昨日用意した量のほぼ倍が必要だと分かった。作業台をほとんど埋め尽くすほどの量だったが、厚みや長さに製材すると結局はこんなもの。切り落としたり削ったりして捨てる部分が多いからだ。最近のウォールナットは白太や節が多く、どうしても逃げられない部分を除けばある程度は切り捨ててしまう。もったいないけどやはりウォールナットというイメージがあるから仕方ない。木工仲間の話ではこれにウォールナット色を着色して全部あの色に染めてしまうこともあるという。独特の経年変化は楽しめなくなってしまうが、ずっとあの色を楽しみたい人にはいいかもね。僕はむしろウォールナットはオレンジ色に変色したヴィンテージが好きだから着色はしない。白太と赤身が同じ色になるまで使ってほしいと思う。
日が高くなるほどに暖かさが増していく。空も晴れている。とりあえず昼飯を作って食べる。テレビを見る。ニュースで春闘でベースアップがどうとか…
だめだ、行く。
春の空気を吸い込みながらパリダカは走る。
腐っていたエアクリのエレメントを外してあるから気持ち、たくさん吸っているように感じる。
キャブのセッティングは良好。ゴリゴリ感はまだあるけど元気元気。
夏までこの濃さでいくか。
3時間ほど走って、帰りにガレージライドの前を通ったら水曜定休のはずが開いていた。いつものスマイルで村田君は出てきたがちょっと疲れている様子。忙しいみたい、まあ早々に退散しよう。
だけどちょっと気になってたSRを見せてもらった。委託販売の車両らしい。83年型のキャストホイールだ。若干プルバックのハンドルや吸排気系のカスタムをしてあり、それなりにヤレている。「ケッチン」に出てくるSRを意識してる?村田君の話ではエンジンは快調だとか。でもちょっとお高い検付き29.8万円。
35年の歴史があるSRの中でも僕が好きな年式は78年からこの83年までで、それ以降はだんだんきれいになっていって、そのまま乗るのも恥ずかしいしカスタムするのももったいないみたいな変なオーラを放ち始める。
いいバイクなのに、新車は初心者が憧れで買って使いこなせず売られて、また売られていくうちにヤレて変なカスタムされてぼろぼろになったやつをまたベース車を探す人に買われて。意外と大事にきれいにカスタムしながらSR乗ってる人ってあまり見ない。こんなに専門雑誌とかでネタになり続けているバイクも少ないだろうに、ショップとかもいっぱいあるのにあんまり走ってないような。
誰もが一度は乗りたいバイクであり、日本のバイク史の中でも特別な存在でありながら、今となっては過去形な感じがしてしまうSR。
振り返ってみるとなんだか面白そうな気がしてきた。一台ボロいのを買って少しずつカスタムしていくのもいいかもね。
まだまだ寒い朝が続く。バケツの氷はいつも水の凍る不思議を教えてくれる。
ここ数日で幾人かの来客があった。
写真茶話会RRへの参加を迷っている人、は結局人生相談みたいになっていた。
昼飯はいつものうどん屋で、メニューにはない「ちくたまのかけ」を注文。裏メニューという訳でもないが頼むと作ってくれる。これがまた。
職業訓練校の先輩の先生、は県から「採用通知が出るまで待ってほしい」と言われていた授業の打ち合わせ。
実はまだ通知は来ていないが条件は揃ったということで、少しだけ、さわりだけ。
ちゃんと僕が担当する授業のことも考えてくださっていた。週に一度午前中全部、結構自由度の高い座学の枠をいただいている。何をしようかと考えるとわくわくしてきた。
そしてこれはニアミスに終わったのだが、某青年漫画誌で新連載間近の漫画家の友人がこの近くのオフロードレース場プラザ阪下での取材の帰りにSIGNへ寄るという話だったが、取材が長引いて(ほんとに取材かあ?)来れず。また今度ということで。
でも連載始まったら遊んでる暇ないよね。20数年ぶりで会いたかったけど、「行ってもええか?」連絡くれただけでも嬉しかったよ。
そして今日、今年度最後の仕事になるガラステーブルの準備をしてたらCRAFTの堤さんが来て、いつものごとくツっこまれるのかと思いきや「おめでとう」だって。「まあよかった」とは僕が訓練指導員になることについて。
バカだアホだとけなしつつも気にかけてくれていることはわかっていたし、商売下手の僕にいろいろアドバイスしてくれてたことも、今となっては授業のネタになりそうだ。
別れ際のひと言でずっこけたけど。ええ話でした。
おすすめしたいこと
- インスタントの豚骨ラーメンの定番「うまかっちゃん」に、かつお節を入れると魚介豚骨のWスープになってかなり旨い。
ラーメン一袋に対してカツオパック4分の1くらいを入れる。まさにあの味。
しかし「うまかっちゃん」以外の豚骨ラーメンではあの味にならない。
おためしあれ。 - 『ミステリーツーリング』(バイク限定) ルールは簡単。
・前を走っている車についていき、追い越さない。
・前の車のペースで走る。
・前の車が信号で止まったら、その車と違う道を行く。(その車が右折するなら直進か左折)そしてまた別の車についていく。
・前の車が目的地に着いたら、休憩するか、別の車の後ろに付くまでをSS区間とする。
・途中で行きたいところを思い付いたり、飽きたらやめる。市街地だとぐるぐる回らされることが多いので、ちょっと郊外へ出てから始めると良い。
自分でどこへ行こうか何をしようかと考えていると、意外とチョイ乗りでも色々考えてしまうけど、これだと何も考えず景色を楽しんだりできる。
近場でも結構楽しめる上、身近で今まで見えなかったものが見えてきたり、なにより行き先を任せてる感じが気楽で楽しい。
そして、自分では考えもしなかったとんでもないところへ連れて行かれることもあったり。
ミステリー、おためしあれ。
走ってみてから考える
2014 年 3 月 4 日 by SIGN
初めて県庁の屋上に登ってみた。
意外と知られざる観光スポットだと思った。
若草山を背景に大仏殿、春日大社方向から南へ奈良公園、その向こうに葛城山と二上山も見える。高層ビルのない奈良だから、6階建ての県庁の屋上展望台でも十分見渡せた。
今日はまた書類を提出しに県の人事課まで来たので、そのついでだった。
昨日は思いがけず、今までお世話になった場所めぐりをしてきた。
指導員の講習が終わったと思いきや、今度は今までの自分の職歴を証明せよということで、現在から過去の職場を回ってスタンプラリーをしてきたのだ。
現在の家具屋に関しては自分が代表なので自分で証明書にサインし、講師で行っている大学、写真専門学校、そして師匠のところへ。一日で回れたのはそれだけだったが、時間があったとしてもさすがに新聞社まで回る気はしなかった。
本当は昨日がこれらの書類の提出期限ではあったが、先週の講習の最中に注文を受けて結局動けるのは昨日しかなく、一日待ってもらったのだ。話は指導員の試験に合格するという前提で動いている。
それにしても、こんなことがなければきっと、昔にさかのぼって頭を下げにいくことなんてないだろうと思う。
専門学校の校長に再び会うこともないと思っていたのに、不思議だ。自分で会いに行こうと思い行った時には何の成果もなく、何も求めず自分の意志ではなく行く時には必要が満たされる。なぜか心にも余裕があった。短い時間だったけど、多分今までで一番落ち着いて話ができたような気がする。
「君はなんで辞めたんだったかな…、もう少し続けてればいい先生になっただろう、そう思ってたよ」
昔を振り返る話もしたり。
なんだか、行って良かったな、と思えた。
その後に師匠の永田さんのところへ。時間がなくて書類に記入してもらい二言三言しゃべっただけだったけど、やっぱりあの場所は落ち着く。
この類いの書類に記入をお願いするのも、この件で3度目だった。それでも嫌な顔もせず、そのたびに励まされ。やっと今週に結果が出れば、あらためて報告をしに行こう。
県庁から帰ってくると、天気もよく暖かかったのでちょっとバイクをいじろうと工場にパリダカを入れて、気になっていたキャブの調整をした。
プラグを見ても電極に白いプツプツが付くくらい、ノーマルのセッティングはガスが薄かったので、全体的に少し濃いめにしようと思っていた。自分の走り方を考えても全開に近いところをよく使っていたので仕方ないとは思うけど。
XLはそんな走り方するバイクじゃないのかもしれない、けど。
一通り番手を上げるとパワーは確かに上がった気はした。谷間もなくゴリゴリ加速する。その代わり音と振動が荒々しくなっていた。うーんどうする。パイロットジェットだけ下げるか。
もう少し走ってみてから考えよう。
職業訓練指導員の講習が終わった。
今日は最終日で、今まで勉強したことのまとめとして教科書を振り返り、実技指導や教科指導の指導案の作成や作業分解のやり方などを学び、いよいよ指導実演(教育実習)をみんなの前で披露することになった。
この講習に集まったのはそれぞれ違う分野のプロフェッショナルな人たちだ。そもそも指導員の免許を取得できる資格としての国が定める技能検定1級を持つ人ばかりなので、みんな文句なしのエキスパートである。
実務経験だけで受けたのは僕ともう一人だけだったが、その人も今日の指導実演のときにさらっと自己紹介された話では、大手家電メーカーのコンピューター部門であの有名なパソコンを手掛けた方だった。
コマーシャルフォト、機械加工、表装師、寝具師、配管工、建設機械、防水、建築塗装、コンピュータープログラマー、そして木工。
全員が違う分野だったから、指導実演はかなり面白かった。ワークショップ祭りさながら、それぞれがほかの仕事に興味津々で、また今日まで訓練指導を学んできただけに、みなさん上手くてどれも前のめりで聞き入ってしまった。
そして全員の実演が終わり、最後の試験に。
講習の初日は誰も隣の人とさえ話さずに、緊張感だけがただよっていた教室が、この最終日にはそれぞれの実演を楽しみ声を掛け合い、実演が終わる毎にお互いに拍手を贈った。そしてまた、長机に一人ずつ離れて座らされ、無言で試験問題に向かう。
30分後、一人立ち、二人立ち、教室を出ていく。1時間後には人数は半分になっていた。目的はそう、指導員免許を取ることだった。
講習は短期間だったけど、これを受ける前とは明らかにモードが変わっている。当たり前のことではあるが、知らなかったことは知っていることに変わり、今まで当てずっぽうでやってきたこともわりと間違ってはいなかったと気付くこともあった。教えるということを仕事にするために、きちんとステップを踏むことをなんで家具屋なんかができるのか。それも今になって。
しかしその意味も、この講習で少しずつ分かってきた気もするのだ。はっきりとは分からないけど、どうやら木工の先生というのはエサだったようなのだ。
席は一番前のど真ん中だった
2014 年 2 月 18 日 by SIGN
今日は講習初日。8時間みっちり労働基準法と訓練生の心理について勉強した。
バリバリ本気モードの講習で、内容は非常に地味なんだけど一人でテンション上がってた。
バキバキと内側から体の構造が変わっていく感じで、指導員になるという実感が湧いてくる。この講習を受け指導員免許を取得しすぐに実践できるというタイミングは恵まれているなあと感じる。
最後の試験の前にこのクラス内で指導実演(教育実習のようなもの)もするらしく、この10人のおっさんたち相手にどんな授業をしようかとわくわく考えてしまう。
だけど、意外と指導員になるために受けにきてる人は少なかったようだ。ひとつの資格としてキャリアアップを考えている人たち。思惑はいろいろなんだな。
ただ、一番の問題は昼飯のこと。インスタントラーメンが食べられないので弁当を持っていくかコンビニでパンを買うか。食費にお金はかけられないからなあ。
パン用のまな板を加え三種類となった。
パン用のは溝を掘ってそこにパン屑が落ちるという仕組み。格子を作って下に受け皿というのも考えたが、後々メンテナンスで削ったりすることを考えると一枚板にしようと思った。
とりあえず成形までできたのでここぞとばかり、以前もらってから一度も使ってなかった超仕上げ鉋盤を使おうと引っ張り出してきたのだが、どうも調子が悪い。刃の調整がイマイチでしかも調整機構がうまく操作できない。微調整ができない超仕上げなんて逆に荒い道具でしかない。思いもよらず難航し、半日かけてついに断念。手鉋でかけてた方が早かった。ただで貰ったものに文句は言えないし。
そしていよいよ明日から指導員免許の48時間講習が始まる。
学校に通って教室で学ぶなんて訓練校以来のこと。しかも指導法を学ぶことができるなんて、考えてみればこれもかつて夢だったことだ。
いつの間にやら先生と呼ばれる仕事をいくつかしてきたのだが、指導法などちゃんと学んだことはない。もちろん免許もないインチキ先生だ。しかし古い話で、実は高校時代に僕は教育大に行きたかった。本気で先生になりたかったのだが学力がおよばず、浪人する気もなく受験勉強するのが嫌だったので適当に選んだのが芸大写真学科だった。
普通の道からは遠く外れて、えらく遠回りしたけど、やっとここまできたよ。
今日、ノートやファイルを買い、筆記用具と鞄に詰めた。
初めての経験だった。知り合いの小学校の先生からの依頼で、神戸にある通級教室の子どもたちに特別な授業としていつもの木工教室をしてきた。
この通級教室とは幼稚園から中学生まで、集団行動が苦手であったり通常のクラスになじめない子どもたちが通う教室である。その理由は発達障害と認められているケースもあったり、子どもが抱える様々な問題が原因であったりする。
それは公立の小学校の中に校舎があり、担当の先生が数人で運営されていて、子どもたちは保護者に連れられて週一回くらいのペースでそこに来る。そこでの授業は算数や国語という教科に限らず、その子にとって必要な経験と取り組みが配慮されたワークが行われている。
特に集団において行動するのが苦手な子どもたちなので、普段は先生と教室で二人きりの授業を静かに行われているようで、今回のようなみんなで木工教室というスタイルにはついて来れない子もいるかもしれない、と覚悟はしていた。
集まったのは小学1年生から中学生までの10名。保護者の方も入っていただき、木工教室はスタートした。
簡単な自己紹介から作業の説明をしていく中で、いつものように話を進めてはいけないと気付く。いつもと違う緊張感、不安げな表情の子もいたり、また教室に入ってきてからずっとしゃべりっぱなしの子もいた。
授業が始まる前に中学生の担当の先生から、大工になりたい子がいると聞かされていて、その子がすごく楽しみにしていると言われていたので、木の話をしようと色々考えてはいたものの、そういった空気の中では長々と話をするのは不適当と感じられ、早々に作業に入ることにした。
作業の説明の時にもしゃべりっぱなしの子にずっと話しかけられ、その受け答え自体は僕としては楽しかったのだが、他の子を待たせるわけにもいかず、それも短めに切り上げて作業に入った。
みんな最初の走り出しはゆっくりだったが、次第に自分の作業に集中していく感じは心地よい。周りの様子に敏感な子どもたちではあるが、それらが気にならなくなるほど自分の作品に集中できれば、その集中力はすばらしいものがあった。
緻密に作り込む子、最初は何を作ってるのか分からなかったのに計画に基づき最終的には大作を仕上げた子、自分の世界を描く子、思いのままに造形する子など、今まで経験した小学生とは違いそれぞれの方向性がはっきりと現れ、しかもその純粋さは明らかだった。
集団に居ても他と混じらない。それはある時はマイナス要因と捉えられるかもしれない。しかしこれを見よ。2時間という制限時間内にみんなが完成度の高い作品を完成させ、楽しみながら集中し、いつもは見せない造形力に親たち大人たちを驚かせ、達成感と満足感で自分の作品を大事そうに抱えて持ち帰る姿を。
しゃべり続けていた子には「のりおせんせーい」と何度もご指名がかかり、一対一ならとことんおしゃべりもでき、やっぱり!僕自身も楽しかったのだ。
惹きつける力に惹かれるか
2014 年 2 月 12 日 by SIGN
明日は神戸の小学校で木工教室をする。そのための材料を準備した。
対象となる小学生は通級教室に通う子どもたち。9名。その響きだけでこの作業も少し慎重になる。
それぞれ通常のクラスに何らかの理由でなじめない子どもたちに対して、何か特別な配慮は必要なのだろうか。教育論や指導法など経験も知識もなく、一緒に過ごした時間や予備知識もない子どもに対し、僕の授業は適切であるのか。そんな心配は多分、この授業を依頼した先生が一番されていることだと思う。それでも何かを期待し招待して下さるのだから、それに応えたいと思う。
内容は今までやってきた木工教室と変わらないけれど、僕の子どもたちに対する態度もそう違わないだろうけど、そんな慎重さが裏にあるということがきっと結果に現れると信じて向かいたいと思う。
そう思うと、こうして準備する材料の見え方がいつもと違う気がした。魅力?
魅力を感じるものと感じないものがある。
今まではこんなのを用意すればこういうものができるだろうという予測に基づき改良を重ね、それなりの結果が出てきたように思うのだが、そういった計算ができない、木工教室の材料以前の木片そのものに魅力があるかどうかということが大事であるように思えてきた。
とはいえこれに使う材料はうちで出た端材であることが前提であり、そうでなければコストがかかってしまう。まあ加工してる時点で仕事ではないのだが、お金をかければそりゃあいいものが出来て当然だし。
だからそこで良いものに変換することを意識しなければ魅力は生まれない。そんな変換作業はお金をかけて積算できるものではなく、子どもが感じるのと同じ魅力への感度があるかどうかなんだと思う。
さて、今回は新たな試みで特別な材料も用意した。驚かせたい。できるか。ファーストコンタクトの数分で勝負だ。
まな板を作るために材料を探したのだが、ピーラが見つからない。記憶ではちょうどまな板にいい大きさの板があったはずなのに、出てきたのは切れっ端だけだった。いつ使ったのか、もしかしたら木工教室のために切り刻んでしまったのか。
今材料を買うお金がないので仕入れることもできず、在庫でとなると…
性能面でいいか悪いかはもう考える余地もなく、サイズがとれることが優先となり、ウォールナット。
こちらとしては今年度中に少しでもお金に換えられるので良しとして、お客さんにとっては贅沢なまな板となった。
厚さも十分で反りが出たら削る余裕もある。
料理用の大きなサイズとテーブル用の小さめのカッティングボードを、デザインの統一感を出しつつ作ってみた。この穴は結構握りやすくていい感じ。仕上げの鉋がけと面取りはまだしていない。実はもう一つパン専用のカッティングボードも頼まれていて、それを作る時に一緒にやるつもり。
で、あまった時間で欲しいと言われていた木製ターナー(ヘラ)を作ろうと始めたら、久々だったので迷う、迷う。一時期一日に何本も作っていたのに、今日は成形がなかなか進まず時間がかかってしまった。
いつもより1時間オーバーしてやっと成形まで。結局こっちも仕上げは持ち越しとなった。
やばいね。サボってると鈍ってしまう。
といいつつ、木曜日は神戸の小学校から依頼があって木工教室をすることになっている。
その材料の準備もしなければならず。
ぼーっとはしていられない。ヤマハファンの間ではこの春国内販売されるMT-09か、秋まで待って07にするかで話が持ち切りだというのに。
ニューコンセプトかスタンダードか。SRXやTZRを生み出した頃のヤマハの姿勢は未だ変わらず。
友人宅の洋間のリビングの一角に、畳の間を作るということでその敷居(?)を頼まれた。材はSPF無塗装という指定。
昨年赤ちゃんが産まれたお宅で、ベビーベッドより畳の間という選択だった。確かにフローリングをはいはいするより柔らかくて肌触りもいいかも。
正方形の縁なしの畳を四畳半敷いて、その段差をスロープに削ったこの敷居で仕切るというわけ。SPFはホームセンターで手軽に手に入る安価な木材ではあるが、触れたときに柔らかく暖かみがあるのと、独特の甘みのある香りを特徴と考えれば良い材ではある。また、その友人の経歴として北米に住んでいたこともあるそうで、そういう意味でも彼にとっては思い入れのできる材なのかもしれない。
節の多いSPFはプレナーを通す時にドキドキだけど、厚み指定もあり、スロープに削るとはいえ床に置くだけのものだから直線は出しておかなければならず、結構慎重を要する仕事だった。
スロープは電気鉋でほぼ手作業。曲面〜平面〜曲面の複合曲線の断面とし、角は丸めてペーパーで仕上げた無塗装。
松系の材はみるみる色が変わりあめ色になる。よく触れるところは艶が出るだろうし、傷もたくさん付くだろう。
ありふれた何気ない、そして脆い木は短期間に歴史を記録する。
日々子どもの成長の早さに、時間が過ぎ去るせつなさを感じている友人夫婦。子どもが歩きはじめる頃にはこの敷居は取り外されるのだろうか。だからSPFでいいという判断だったのかもしれないが、その時いい感じに仕上がってたらはたしてどうする?
自分のための、ハイスツール
2014 年 1 月 31 日 by SIGN
昨日は畿央大学での最後の授業だった。5年間続いた授業だったし、思い入れはあった。毎年担当の先生と話し合いながら改良を重ね、建築やデザインの理論を学ぶ学生に対し何ができるか何を伝えるかを考えてきた。
ただの木工体験にしたくない。技術指導に終止せず端々に言葉を折り込みながら、自分で考えたわずかなアレンジでも実際に形にすることを経験すること。それも段ボールや発泡スチロールではなく、素材は市販される家具と同じ本物の木材であり、加工法は基礎的ではあるが本職と変わらない道具を用いた接合をする。
そして、作ったものを使用する人物とシチュエーションを想定したオーダーメイドであること。それに応じた構造的な強度も考えること。などなど、僕としては「立体表現」という授業名のとおり、これはデザインの授業であると学生たちには言い続けてきた。
5年も通うと全学年に顔見知りの学生がいて、キャンパスを歩いていると声をかけられたり、去年の1回生が教室をのぞきにきて挨拶していったりする。
授業だけでなく、僕の授業をかつて受けた学生が卒業年度となり、その卒業制作を手伝ったこともあった。
そうするうちに学校にも愛着が生まれ、こんなお試しセットではなく本当にここに自分の研究室が欲しいと思ったこともあった。もしそれがかなうなら命がけでやるのにと。
それを、ふいに手放す時がやってくるとは。
自分にとってチャンスと思われた訓練指導員の募集も、大学の講師が続けられると思っていたからで、採用試験を受け内定が決まってからそれは不可能であると知らされた。流れはすでに指導員のほうにある。それを捨ててまで今の家具屋と講師のバランスを維持するという選択はもうできない。経済的に非常に厳しいことも、すでに限界を超えている。
それらはまさにこの授業の真っ最中、年末年始に起こった出来事だった。当然続くと思っていたことが、突然今日が最後の授業になるかもしれないとなると、感慨にふける暇もなく、学生たちに対してもこないだSIGNで補習をやったりして親しくなったところで、その時、何もそれらしい言葉が思い浮かばなかった。
完成した学生から学内で展示するために作品を持って教室を出ていき、流れ解散になることは分かっていたので、授業の最初に少し話をしたが、それらの事実を伝えただけで終わった。
これが僕にとっても最後の授業であると。
担当の先生にとってもいきなりの話でご迷惑をおかけしたと思っているが、事情を話して理解をしていただき、逆に、僕にとってはいいことではないかと励ましていただいた。しかし、それでも僕の授業をあきらめたわけではないとも言われた。できることをしてみて、それでもだめだとしたらほかの人を探し、この授業自体は続けていくと。
授業が終わったのはいつもより2時間ほど過ぎた頃だった。教室を片付け、学生たちが置いていった作品を見に行くと、展示というよりかためて置いてあった。まだ塗装したばかりだったからか、レイアウトは翌日に持ち越したのだろう。
翌日、少しやり忘れたことがあって昼頃教室に行き、帰りにまた展示してあるところに行ってみると、一脚ずつ並べて置いてあった。
それぞれそんなに差は無いように見えて、同じものはひとつもなく、制限の中で彼等なりに考えた跡が伺える。そして半年間立ち向かった加工の苦労も。
LOVE SAMBAR DAY !
2014 年 1 月 30 日 by SIGN
往復1000km、労働付き、日帰りの旅をしてきた。
夜12時を過ぎるのを待って出発。神奈川県川崎市までテレビラックを積んで、車検が終わったばかりのサンバーで快調にとばしていく。
それにしても我がサンバーはよく走る。車検の時にスバルのディーラーで代車にダイハツのOEMサンバーを借りたのだが、これがまた全然ダメで、ターボ付きだから直線だけならいいんだけどステアリングにダイレクト感がないし、やわやわ足周りはロングホイールベースと合わさってねじれるようなローリングをするし、ブレーキのタッチも最悪。運転席下のエンジンはうるさくて耳障り。タコメーター付いてるくせにオートマだから加速も回転と合ってないし。
こんなのを売らなければならないスバルがかわいそう。そう思えばスバルサンバーはほんとにいい車だったんだと再認識した。たった数日乗らなかっただけなのに、運転席に座った瞬間「ああこれこれ!」って。マニュアルのシフトレバーやサイドブレーキは「操縦」するためには絶対ここに必要なものだったのだ。
僕のサンバーは商用車だけにサスペンションは固めだけど、4輪独立懸架はがっちり接地感があってコーナーでも踏んばってくれる。電動パワステはタイムラグが少ない気がするし、ブレーキも代車から乗り換えたとき同じように踏んだらダイレクトにガツンと効くから驚いた。ホイールベースの短さを指摘されることもあるが、長くてもしっかり作ってない車は乗りにくいし、よく考え抜かれた設計とスーパーチャージャーと4WDのおかげで高速走行も快適だった。
もう!なんてかわいいやつなんだサンバーよ!リアエンジンよ!
などとぶつぶつ言いながら、午前4時半に力尽き、足柄SAで休憩。そのまま荷室でシュラフに潜り込んだ。
起きたのは8時前だった。約束していたのは10時すぎだったから、出発するには少し早い。顔を洗って見上げると、快晴の空をバックに富士山が大きく見えた。ここのSAのセールスポイントなんだろうけど、確かに見事だった。自衛隊の砲撃演習の音も響いていた。
早めの出発早めの到着で、作業をする前に食事に行こうということになり、近くのファミレスで結局2時間近くしゃべっていた。テレビ好きのお客さんだったので、ほとんどがテレビの話だった。機材の話から番組の話を熱く語られ、未だにブラウン管で見ている僕としては今のテレビはそういう楽しみ方もあるのだと思ったし、そこまでテレビにこだわるお客さんだからこそテレビ台には思い入れがあるのだと理解した。
夏に作ったテレビラックがどうしてもサイズが合わないということで一部作り直したのだが、その理由に疑問を感じつつしかし今回お会いした時にはとにかく何でも話を聞こう、時間も許す限りつきあおうと思って向かった結果、そこにあったのはその人にとっての良いものだった。
自分が教え諭す立場から教えられる立場を選んだとき、その言葉にはいくつものメッセージが含まれる。もし僕が失ったものがお金以外のものだったとしたら、その人の言葉どおり東京進出の可能性もあったかもしれない。だがそうではなかった。
交換し持ち帰るテレビラックはけっしてほかの人に売ることはないだろう。そういう選択の中に僕はいる。
午後3時頃にお客さんの家を出て、また東名をひた走る。帰りは夕日に向かって。僕はバイクでこの逆光を浴びながら走るのが好きになってから、車でもそれを楽しむことができるようになった。サンバーで。
バイクで走るときのような美しさは感じられないが、ほかの車がするようにサンシェードで光を遮るようなことはしない。
約束していた桑名のKojiさんのところに着いたのは7時半だった。
眠くなるので朝のファミレス以来食事をしていなかった胃が、お母さんが作ってくれたおにぎりと、奥さんのまゆみちゃんが作ってくれたつけ麺で空腹だったことを思い出し、帰りの眠気がどうのとかいうブレーキが壊れ、がっついた。
ちょっと顔を見るだけのつもりが結局10時過ぎまで話し込み、家に着いたのは11時半だった。
ほぼ24時間の日帰り旅はサンバーのおかげで思いのほか移動時間は短かったが、それはもしかしたら車検のときに、僕の走行傾向をもとにECUをいじられたのかもしれない。長距離なのに燃費が悪かったから。あ、いやそんな高性能だったっけ。スバルもそこまでしないか。まあ、いまどきマニュアルミッションにしか魅力を感じず、テレビもブラウン管の色再現性を手放せない男だから、そんなことしたってそれに合わせた低燃費走行するだけよ。「あなたのためを思って」なんてなかなかできるもんじゃないからね。
いつやるのか、いつでも
2014 年 1 月 27 日 by SIGN
気温が低いと塗料はなかなか乾燥してくれないのだが、それに加えて冷えた木は塗料を吸う力も弱い気がする。
予定では着色一回塗りで終了だったが、今朝までその乾燥を待って2回目を塗ることにした。
同じ材、同じ仕上げで同じものを夏と冬に作ることになり、期せずしてそんな比較をすることとなった。
気温が高くても湿度が高いと乾きが遅く、湿度が高いと材の膨張という弊害もある。
気温が低くても高くてもその反対の季節で木が暴れ、まさに冬に眠ろうとし夏に勢いを増すのはこんな材木に加工された木であっても同じなんだと感じさせられる。だとすればまったく、家具を作るに適した季節はいつなのか。環境とはどんなものか。
その答えは先人たちにあった。家具を作るのに適した環境や設備の選択はもちろん、加工する前の材木の保管管理を徹底することである。木工家の仕事の中には本来自分が用いる材の管理というものが含まれていなければならない。しかし実際はそんな時間や財力や相当の広さの敷地を持つ自営の木工家は少なく、そんなに恵まれた環境があれば今なら別の選択肢もあるだろう。
僕のような木工家は、材木の加工業者や材木屋さんにある程度信頼をおくことと、そんな木に従うことも知らないといけない。
テレビラックの納品は水曜日になった。
「写真茶話会RR」は4月からスタート
2014 年 1 月 26 日 by SIGN
昨年5月に閉会した「SIGNの写真茶話会」が、今年の4月から内容を新たに「写真茶話会RR」として再スタートします。
昨日はそのオリエンテーションでした。
なぜまたやるのか、「SIGNの写真茶話会」と何が違うのかというところを説明させていただきました。
オリエンテーションに参加できなかった方もいらっしゃったので、ここで簡単に申し上げますと、
○「写真茶話会RR」には目標があります。
4月から毎月1回で10回開講します。そしてそこで制作した参加者の作品で翌年2月にグループ展を大阪のギャラリーで開催します。
○受講料は無料です。
ただし、4月の一回目にグループ展開催費用としてお一人20,000円をお預かりします。このお金はすべてギャラリーレンタル料に当てさせていただき、差額が出た場合追加または返金するものとします。
○「写真茶話会RR」にはテーマがあります。
「SIGNの写真茶話会」では撮影者の内面にスポットをあて自己表現を目指していましたが、「RR」では表現することを「人にはたらくこと」と言い換え、心の奥底にある感情の源泉に直接触れるような写真表現を探っていきたいと考えています。ただ様々な感情の中で、やはりポジティブなものを選択していきたいという思いから、そのアクションを「励まし」と呼ぶことにしました。
○それぞれの研究作品です。
今までの僕が指導するというスタイルではなく、参加者各々が写真によって「人にはたらく」作品について研究する場だと思っています。また参加者同士で実験しあい、意見しあえる場にしたいと思います。
○写真に関連すれば表現方法は自由です。
撮影スタイルや被写体はもちろん自由。映像作品やインスタレーション、写真を用いた取り組みのレポートでもOKです。最終的には展示形態まで見据えた作品制作になります。
○毎回参加の制約はありません。
逆にその回に見せる作品がなくても、研究ですから他の方の作品を見に来ていただくのもいいと思います。
○参加費をとらないので、飲み物、お菓子は持ち寄りで。
一応茶話会ですから何もないとさびしい。
○「RR」とはロードゴーイングレーサーの略です。
公道走行可能なレーシングマシンという意味です。すなわち、一般人でも購入可能なアマチュアでも乗り回せる、速さに特化したバイクに付加される称号がダブルアールです。
まあ「SIGNの」という冠を外そうと思ったので、勢い付けてみました。僕は気に入ってます。
というわけで、今回のオリエンテーションに参加できなかった方も、本格的にスタートするのは4月からですから、それまで考えてみて下さい。
人を楽しませる写真を撮るということは自分も楽しむことに違いありません。またそんな写真を毎回見られるとしたら、どうすればもっと楽しいかを話し合うために集まるのだとしたら、写真を作品と呼ぶことすら遠ざかるのかもしれません。
19歳ってこんなかんじ
2014 年 1 月 23 日 by SIGN
やー疲れた。でもやっぱり楽しかったなあ。
今日は大学の補習授業として、SIGNで9人の学生がスツールを作った。
いつもは一人で作業している工場(こうば)でなんと最高8人が同時に作業するというはなれわざだった。道具も場所も少ない中で、外に仮設の作業台を用意して全員が休む間もなく。できるもんだなあ、と思った。
そして、大学では一番手の遅かった子が一番早く、また彼女だけが完成できたことがなんかよかった。すごくうれしそうで。
専門学校の教員をしていたときは、このくらいの年齢の学生は弟か妹か後輩という感じがしていたけど、僕も歳をとったせいかなんだかかわいい。幼く見えるというわけではないけど、教える立場としてはこれくらい歳が離れていた方が安定感があるというか。そして今19歳という彼等を教えることができるということも、別の意味で僕にとっては意味あることだった。
もしかしたらこれで最後になるかもしれない、5年間お世話になった大学の授業も来週が最終日。授業計画では合評で締めるつもりだったけど、多分時間いっぱい作業をして終わることになるだろう。今となってはそれでいいと思っている。たいそうな言葉なんて残さず、さらっと役目をはたして去ろうと思う。
とにかく目標は全員完成だ。
損をする、がわからない男はいるか
2014 年 1 月 21 日 by SIGN
テレビラックは天板地板をつけて各部の仕上げをし、キャスターとガラスの扉を取り付けた。
前回ここで締め過ぎてガラスを割ってしまったので慎重に行う。
集成材で作った箱だけど、これらの付属パーツが組合わさるとぐんと格が上がる気がする。もちろん集成材だからといって作りに手抜きはないけど、基礎が男前だと眼鏡をかけて三割増くらいには見えるということ。
作りはじめると作ることに集中できるのは僕の性格においてのいいところだと思う。作るまでのごたごたや納得いかない部分も、まるで耳を塞いだようにきちんと整理されて、むしろバカみたいに一生懸命作っている。その性格が自営に向いているかどうかはわからないが。
明日は朝から塗装をし、乾燥を待つ間に少し工場(こうば)を片付けないといけない。
あさっては大学の授業で作業が遅れている学生たちがやってきて丸一日補習授業をするからだ。それもなんとクラスの半分近くの人数で、午前と午後で入れ替わり立ち替わり。それって授業計画が間違ってないかと思うけど、実は毎年少しずつカリキュラム上で作業する時間を増やしているにもかかわらず毎年必ず補習をしているから、きっとほかに原因があるんだろうと思う。
もちろんこれに関しては無償で行うので、学生にとってはお得な感じ。そして、去年からの流れでいくと、僕にとっては無償の仕事はきっと楽しい。と思いたい。
しかし、人数が多いのでコーヒーを出すかは迷うところ。
ダカールラリーに先を越された
2014 年 1 月 20 日 by SIGN
テレビラックはこの角度のついた側板がポイント。部屋のコーナーにおさまるために奥に向かって細くなっているのだが、棚板と側板との取り合いはやはりぴしっと隙間なくいきたい。
コーナーといっても斜辺の角度は45度ではなく、ここは図面通りというよりも、現物の角度を測りながら削り合わせていく地味な作業だ。出来上がってみればどこにそんな苦労があるのかと思うが、デザインがシンプルなほど接合面の出来具合いには気を使う。ひとつひとつの部材を狙った通りに加工できるからこそ職人なんだと思う。そして職人の技は実際に使う人にはその目に触れることはなく、隠れたところでそのものの存在感や密度のような伝わり方をする。
家具にお金をかけるとはそういうところのはずで、高い家具だからといって形や機能性に大きな違いはなく、作り手としてはいただいたお金の分、仕事をさせていただくだけ。安く作れと言われれば安い仕事をするだけなのだ。
テレビを置く台はテレビ台という。
電気屋さんのブログで先を越されてしまったけど、ダカールラリーが終わったことについて。
総合優勝ではKTMのマルク・コマだった。通算4度目の優勝ってすごい。
応援していたHondaのホアン・バレダも総合では7位だったけど、ステージ優勝5回と大健闘だったと思う。HRCとしては順位ではあまり良くなかったが、CRFのできばえに満足したのでは。
Best of BIKE Dakar2014
転倒や故障やペナルティーなど、理由は確実にタイムに現れるのがラリーレイド。だけど、完走できたライダーは半分以下という過酷なレースなのだから、ゴールするだけでもスゲー話。配信される映像を見ていても、こんなところで急ぐ理由がどこにあるかと思うような気の遠くなる景色。その中を猛然と走り続ける上位選手たち。
いったいどんな気持ちなんだろうと思ってたら、こんな動画を見つけた。
Onboad camera – Best of Dakar
意外と楽しそうね。
確かに僕もオーストラリアで歌ってたなあ。「母をたずねて三千里」