あなたと、あなたをとりまく環境を
肖像画を描くように、一つの家具で 描き出す作業
それが、僕が考える オーダーメイド家具の製作です
SIGNのポリシー、オーダーメイド家具の魅力
等分するなら今は6分の1
2009 年 3 月 31 日 by SIGN
今日は大学の実習道具を納品に行って来た。
慌ただしくかきあつめた、ぴかぴかの新しい道具類。
造形実習室、ここがこれから、授業は9月から、僕の教室となるのか。
以前ここで授業をされていた先生の気配がそこかしこに感じられる。
残された道具、教材、学生の作品、ゴミ、汚れ。
どんな授業をされていたのか、まるで遺跡を探るように片付けながら、新しい道具を収納していく。
その先生はどうしてやめたのか、その授業を受けた学生はどこへ行ったのか。
どこまで僕はこの学校に対して自分を割くことができるだろう。
丸山さんと丸山さんに会いに行く
2009 年 3 月 29 日 by SIGN
つまり音が響くとは。
朝9時に明日香の祝戸荘へ、丸山さん一行を迎えに行った。昨日言ってた木工の大先輩のお宅へ、みんなでお邪魔することになっていた。
僕が木工を始めたころに噂を聞いていて、いつか会いたいと思っていた方だった。またカホンを本格的に作り始めた時にも、いろいろお話を聞きたいと思っていた。というのはこの方、家具製作の傍ら、手工ギターも制作されていて、今やその道でかなりのレベルで評価され、メディアでも紹介されたことのある方だったからだ。
カホンの音質を追求するのに、同じ木で作る楽器としてのギターから、何かヒントがあるのではないかと考えていて、自分なりにギターの構造などを分析してみたが、もっと詳しい理論的な部分でアドバイスが欲しかった。
だからずっと、木工や楽器制作の先輩として気になっていたし、いつか会いに行きたいと思ってはいたのだが、なかなか機会がなかった。
それがなんと、こういう形で達成されるとは。ここからはその不思議話。
丸山祐一郎さんは、数えきれないくらいたくさんの楽器をどれも巧みに演奏される音楽家でありながら、スキーの技術にも長けていて、若い頃はアルペンスキーヤーだったらしい。その技術を生かし、冬のシーズンは斑尾高原でスキーのインストラクターもされている。そのスキー教室へ、つい最近、奈良県からの団体がやってきた。丸山さんはそのうちの10名ほどを担当されたらしい。その中に、以前ブログに書かせていただいた、僕に大切な言葉をくれ、一年前に亡くなられた高内さんの奥さんの友達という女性が偶然参加されていた。その女性は高内さんの奥さんから、音楽家としての丸山さんの話は聞いていたのだが、まさかこんなところで出会うとは思ってもみなかったのだ。そこで話がはずみ、3月の末に奈良でのコンサートが決まっていたので、その時にまた会いましょうということになったらしい。そこには丸山さんがどうしても再会したくなる理由があった。それはその女性のご主人が、奈良においては二人くらいしかいない手工ギターの制作者であるということ、そしてお名前が「丸山利仁」さんという、同じ丸山姓であるということからだった。
そこへ、ちょうどロシアからあのナージャがやってきて京都にいるというから、コンサートを聞きにおいでと奈良へ呼んだため、僕も当然の如く呼び出され、「丸山さん」が「丸山さん」に会いに行くのに便乗させていただくことになったのだ。もちろん、丸山さんは僕が丸山さんに会いたいと思っていたことなど知らず、ただ面白い人が奈良にいるから一緒に会いに行こうと言われ、またナージャたちが奈良で移動するための運転手として呼ばれたわけで当然同行せねばならない立場だったわけだが、僕がその丸山さんのことを知っているのを、会いたかったことを聞いて、丸山さんは俄然テンションが上がったというわけなのだ。
丸山さんに言わせれば、世界はそのようにうまくいくもんなんだよ、と当たり前のことのようだが、確かに少しくらいはそんなことも普通にあるかもしれないけれど、あまりにもハチャメチャに線をバイパスでつなげてしまう丸山さんって、カオスしかない世界に住んでいる人みたい。
そういういきさつで、丸山利仁さんのところへ行き、ギターの制作を拝見し、実際に作られたギターの音も聞けた。それも丸山祐一郎さんとはるこさんの演奏で。ロシア人一行と一緒に。
丸山さんは丸山さんのギターをすごく気に入ったらしく、すごく欲しそうだったけど、高くて手が出なかったみたい。それでもやっぱり弾きたいので、奈良でコンサートをする時には貸していただく約束をとりつけていた。
確かに素人の僕が聞いても、その音は感動的だった。
不思議連鎖止まらず、始まりさえ思い出せない
2009 年 3 月 28 日 by SIGN
夜、旅の音楽家・丸山祐一郎さんのコンサートへ行ってきた。といってもオーディエンスとしてではなく、ほぼスタッフ。
たくさんの民族楽器を車に満載して、お呼びがかかればどこまでも、日本はもちろん海外までも行って即興演奏をされる丸山さんには、全国各地に友人(現地スタッフ)がいて、僕もいつからか奈良県で何かされる時は必ずお声がかかるようになった。
スタッフと言うと使用人的なイメージだが、そうではなく、心から丸山夫妻を愛する人々によって自然にお手伝いするという感じだろうか。
丸山さんという人は……なんとも一言では語れないのでやめておく。ただ、こんな人がこの世界に生きているというだけで、この世界を愛せるのだ。
そして今回、このブログに以前出てきたロシア人のナージャがまた日本に来ていて、この丸山さんのコンサートを見るために、奈良にやってきた。つまり、認めたくはないけれど、僕は不可欠な役者というわけなのだ。
今日は朝から夕方まで家具製作、そして夜は大切な友人のいつのまにやらコンサートスタッフ。
明日は朝から奈良でずっと前から会いたかった木工家の方のところへ、なぜか丸山さんと一緒に、ロシア人をつれて会いに行くという、どこに一体僕の軸はあるのかと思いつつ、こんな不思議な巡り合わせなど日常茶飯事それが日常の丸山夫妻の世界にどっぷり。
余裕がある時はいいんですけど
2009 年 3 月 24 日 by SIGN
午前中、大阪へ。
以前購入していただいたカウンターベンチのメンテナンスと、追加注文の打ち合わせだった。何度もお会いしているお客さんなので、だんだんお友達感覚で、雑談しながら作業をする。お話の内容から、おめでたい空気が漂いつつ。
こりこり、ごしごし、ぺたぺたやっていると、ひっきりなしに携帯が鳴った。偶然にも3人の友人から、午後うちの工場へ来るという知らせだった。一人はカメラマンの松野さん、つっちゃんさん、そして営業写真スタジオ働いているタイ君、3人のそれぞれにつながりはなく、どういうこと?
仕事を終え、奈良へ。
昼ご飯を食べて、ちょこっと片付けて、コーヒーの準備をしていたら、例のキャンピングカーが工場に横付け、と同時に250cc単気筒のエンジン音が申し合わせたように到着した。
二人とも僕の工場に遊びにくると滞在時間が長いタイプ。さて初顔合わせでどんな話になるのだろうかと思っていたら、意外とつっちゃんさんがカメラやバイクの話に乗ってきて結構盛り上がっていた。面白い話には敏感なのね。
松野さんからは、写真茶話会へ寄贈という、銀塩一眼レフカメラを2台もいただいてしまった。今まで参加された方々は全員デジタルカメラを使っておられたので、フィルムで撮ってみたい、カメラの基礎を知りたいという人にはどんどん貸し出していこうと思っている。
松野さんも茶話会に参加してみたいと言ってたので、プロの参加でまた雰囲気が変わるかもね。
3人目の友人はおっちょこちょいが原因で来れず。
誤解のないように言っておきますが、僕は電話で、「午後は工場で仕事してますよ」って言ったんですが、この人たち。
SIGNの写真茶話会2予約状況
2009 年 3 月 20 日 by SIGN
前日ですが、一応お知らせしておきます。
基礎講座(午前中) 1名(あと6名まで)
表現講座(午後) 4名(あと3名まで)
一人でもするのか、というところ。今後はちょっと考えなければなりません。
でもそれがSIGNの写真茶話会のいいところ、なのかも。今回の基礎講座はマンツーマンですよ、贅沢。
予約制と言いつつ、当日参加でも別にかまわないと言えばそうなんですが、最初は形式上そうしとかないとと思って。
今日は雨降りですが、明日は晴れるようで。撮影散歩が楽しみです。
早咲きの桜と、ウグイス鳴き始めました。
お問い合わせは:sign.norioyuasa@gmail.com
今回の内容については:Yuasa Brand Milk
年度末という言葉をあの頃のように感じる
2009 年 3 月 18 日 by SIGN
大学での授業の打ち合わせで、初めてそこのキャンパスへ行って来た。
僕の工場から奈良盆地を東へ横断する時に通る道だから、いつもその前は通り過ぎていたのだが、中に入るのは初めてだった。
久しぶりに感じる学校の空気。知らない学校だとしても、教員として吸うこの空気には独特の濃度がある。どうするんだ、こんなとこまで来てしまった。
案内をしてくださった、今回の木工の授業を企画されたデザイン学科の先生との打ち合わせは、先生の研究室で。研究室。
建築やインテリア、プロダクトデザイン、絵画や造形まで教えておられる先生の、専門知識や考察の緻密さには、やはり大学での専門教育のレベルを感じた。もちろんでしゃばるつもりもないし、そんな技量もない。ただ木工を教えるだけだ。
しかし、あの環境。本質として、学ぶ、教える、研究するという目的のためにある場所に身を置くということは、どんな頻度であれ、程度の差こそあれ、その人間に野望を抱かせるものだ。
実際の授業は後期からだが、新規の授業で準備が大変。なんとGoサインが今日出て、今年度中に片付けなければならないという、慌ただしさ。
そんなことだけ、そんなことあったなとフラッシュバックしている、苦い経験。
日曜日にきたる出来事
2009 年 3 月 14 日 by SIGN
明日は久しぶりに、日曜日としては珍しくどこにも行かない日になりそうだ。
午前中に名古屋方面から、新作カホンを見に来るお客さん。
この方は去年から問い合わせていただいていた方だったが、僕が作り出すのが遅くなったのと、先方のこちらへ来られる都合があって、こんなに時間がかかってしまった。
しかし幸い(でもないけど)、他に予約をされている方がまだ一人もみえてないので、作った台数まるまる選び放題だ。これは自然に優先順位が決まってたせいなのかな?他の方々はどうされているんでしょう。
このお客さん、整体師さんらしく、僕に60分コースをほどこしてくださるとのこと。
僕のような、猫背で腰痛肩こり最近頭痛もする偏食愛煙家に、どのような整体をしてくださるのか楽しみ。
午後はそのせいでのびてるか、図面書いたり、スケッチしたりしてると思うので、ほかにカホンを見たいという方、その他の用事がある方、来られるならどうぞ、コーヒーくらいはいれますよ。
ふたつの顔で、いくつか用事で
2009 年 3 月 9 日 by SIGN
ちょっと東京まで行ってきます。
どうも僕はこのように扱われがち
2009 年 3 月 8 日 by SIGN
知り合いで明日香で劇団をされている勝さんから、「3時頃伺いますが、良いかな?」とメール。
「はい」と返事はしたものの、何かと思えば(カホン買ってくれるのかなとちょっと思ったが)、演劇の挿入歌の伴奏用音源にカホンの音が欲しいので、録音させてくれとのことだった。時間どおり到着したハイエースから、ギターや録音機材ががちゃがちゃとおろされ、家具スタジオのSIGNが音楽スタジオになってしまった。
そしてそれから数時間、何度か叩いてOKが出た。勝さんには、「家で録るよりこの工場は音がいい」と家具の工場に意外な賞賛をいただいたのだが、カホン叩いて僕もにわかミュージシャンみたいで楽しかったけど。
んーちょっと、僕の知り合いにはこういう人が多いぞ。
SIGNの写真茶話会2の予約状況
2009 年 3 月 7 日 by SIGN
3月21日(土)の写真茶話会の予約状況をお知らせします。
午前中の基礎講座は今のところ希望者なし。
午後の表現講座「秘技、宝探し」は、残りあと3名までの受付です。
これでじゅうぶんな気もしますが、2週間前ということもありますので、一応お知らせしておきます。
僕の方こそほんとは誰かに習いたいくらい
2009 年 3 月 2 日 by SIGN
ちょうど一年ぶりに、「SIGNの木工教室」が今日スタートした。長期滞在者はこれで3人目。
木工を教えるプロの人が開いている木工教室に通っていた人なのだが、独立しようと思い立ち、うちへ。
なぜそのままその先生のところで修行しないのだろう、と普通なら考える。話を聞けば、その先生はいろんなところで木工の講師をされている方らしく、その教室で購入したという手道具その他を見せてもらうと、かなりしっかりした教え方をされているのがわかる。それを、なぜ。
僕のようなものを作りたいというわけでもないらしく、自分でもまだ何をという思いも定まらず、僕の所へ来た一番の理由は、やさしそうだったから、という。
話の前後からすると、そんな変な意味でも、彼が何か問題を抱えているわけでもなさそうで、単純に僕をそのように評価したらしい。
それはプラスと捉えていいのだろうか。職人や芸術家、はたまた商売人としてなら、逆にマイナスのイメージがある。それなら教える立場の人間として、そう評価されたのか。
そういうことであれば、ちょっと言い過ぎかもしれないが、確かに僕の中には逆らい難い流れがあるように思う。
実は、今年からとある大学で、非常勤講師として木工を教えることになった。そんな話が転がり込んできた。木工を教えるプロになりたいわけではないので、あの先生のようにはできないだろうけど、僕が木工を通して伝えられることを考えていこうと思っている。
どうも最近いろいろと、命令調で「やれ」と言われているようで、もうちょっとのんびりやらせてくれよと思う。
SIGNカホン新作情報をアップしました
2009 年 2 月 26 日 by SIGN
12台の新作カホンを「お知らせ」にアップしました。
試奏などご希望の方はお問い合わせ下さい。
TRUCKがソロモンのなんとかに出てた
2009 年 2 月 23 日 by SIGN
ここは山の麓で、携帯の電波もテレビの電波も弱くて、携帯に電話がかかってきた時には、電波を探してうろうろするし、映りにくいチャンネルは自然に見ないようになる。
それがふと、そういう理由でいつもなら絶対に見ないテレビ大阪の、チャンネルのボタンを押したのだ。するとそこには大阪で有名な、今では全国でも有名になったTRUCK FURNITUREの黄瀬さんが映っていた。
テレビ東京の番組でソロモンのなんとかという番組で、最近のTRUCKの様子なんかを取材していた。
僕も関西で仕事している関係上、よく話は耳にしていたし、実際ギャラリーを訪ねたこともあったし、僕の兄弟子のマコっちゃんは確か知り合いだったような。
しかし、同業者と言えど、やってることも求めていることも違うので、特に関心を持たなかったのだが、こうして見ると、黄瀬さんって面白い人だと思った。そして彼の家具も、その展開の仕方がとても面白い。テレビにプロフィールが紹介されると、僕よりひとつ年上だった。もちろん、キャリアではずっと先輩だが。
でもどうだろう、もしかするとすごいヒントがこの番組に込められていたのかもしれない。
芸能人に売れているとか、でっかい工場社屋ができるとか、そんなことではなくて、家具を作ることにおいて、彼はとても大事なことを大切にしていた。
僕がやっている、一点ものにしか込められない想いもあるが、自分が描いた作品をプロダクト化することによって、より伝わりやすくなるメッセージもある。そういうことを読み取らなければならなかったと思う。
僕にはそこまで仕事を拡大する気は全然ないけれど、今の仕事における悩みに対するひとつの答えでもあるような気がする。これから一生家具屋を続ける中で、いつかオーダーメイドをやめる日が来るのかな、いつか黄瀬さんと話すこともあるのだろうか。
並べてみると箱だらけ
2009 年 2 月 19 日 by SIGN
こうして並べるとカホン屋さんみたいだ。
明日から塗装に入る。今回は前にも言った通り、Kakishi-Vとカラーウッドワックスの塗装を施したものを、それぞれ2台ずつ作ることにした。
塗装の違いだけでなく、音質のバリエーションもいろいろ。それぞれのボディーにトップの硬さを変えて9種類の音色、それにプラス、
僕自身はNew-Vのバランスは最高だと思っているのだが、やっぱりフルサイズのカホンが欲しいと言う人のために、メイプル4台とバーチ1台でフルサイズを復活させてみた。それにも3種類のトップが張ってある。
さて、どれが一番いい音がするだろう。
今度こそ、Kakishi-Vはとっておきたいなあ。
12台のカホンはだれのもの
2009 年 2 月 17 日 by SIGN
今週中に今作っているカホン12台がほぼ完成しそうだ。
この量のカホンをまとめて作ったのは初めてだが、やっていてひとつ気付いたことがあった。
同じものをたくさん作る時には、効率も考えて、ひとつの工程をまとめてやることになる。これは普通、量をこなすために仕事が粗くなる様な気がするのだが、僕の場合、なぜかひとつずつの工程が洗練され、一台を作るよりもきれいに仕上がっていく気がするのだ。もしかすると、僕は一点ものよりこういう作り方のほうが向いているのかもしれない。なんてちょっと思った。
自分で言うのもおかしいが、今回のカホンはどれも出来がいい。ほんとにきれいだ、早く音が聞きたい。
今回4台を着色、そしてそのうち2台はKakishi-Vだから、塗装にも2,3日かかる見込み。
予約していた方々に週末連絡して、日曜から来週あたりに試奏してもらおうか。そうすると、できて間もなく嫁に行ってしまうのか。手もとに何台残るだろう。
そんなことを言っていては商売にならないので、もちろん、このサイトでも販売することは考えている。プロサポート企画も続行中だし。
問い合わせにドキドキしながらだが。
第二回「SIGNの写真茶話会」について
2009 年 2 月 13 日 by SIGN
茶話会ネタが続いてますが、ちゃんと仕事はしています。
開催日および、次回のテーマ、宿題、主役が決定しましたのでお知らせします。
3月21日(土)
10時から 基礎講座
13時から 表現講座「画面構成のトレーニング」
宿題「宝探しをしてきてください」
内容に関する詳細はYuasa Brand Milkにて。宿題は説明をよく読んで撮影してください。
参加申し込み、および質問等は、sign.norioyuasa@gmail.com まで。
「教室のご案内」の内容も更新しました。
主役は風草木のjunpei氏です。
第一回写真茶話会終了して
2009 年 2 月 7 日 by SIGN
まず、今日参加された方々、おつきあい下さりありがとうございました。
のんびりやるつもりが結局慌ただしく終わり、すみませんでした。時間配分はブランクが空くと感覚が鈍ります。
でも、だいたい今回で掴めましたので、次回はじっくり作品を見せていただきたいと思います。
カリキュラムもやはり基礎技術は別枠でやるべきだと感じましたので、次回からは午前中基礎講座、午後表現講座にしたいと思います。詳しいシステムはまた後日「教室のご案内」に追加しておきます。
さて、今回参加された方々がひょっとするとご自身のブログで報告されるかもしれません。リンクしておきますので、今回興味はあったんだけど参加できなかったという方、のぞきに行ってみてください。悪いことも書いてあるかもとドキドキですが。
次回の開催日、宿題などは、決まり次第このブログかYuasa Brand Milkで発表しますので、よろしくおねがいします。
第一回「SIGNの写真茶話会」参加受付終了します
2009 年 2 月 4 日 by SIGN
行けたら行きますという方まで入れると、はるかに定員オーバーになってしまいましたので、ここで受付終了させていただきます。ありがとうございました。
参加を検討されていた方、次回3月初旬です。日程が決定したら告知しますので、早めにご予約下さい。
一回目の様子を見て、少しやり方も考えてみるつもりです。
まだ始まってもいないので、どこまでできるか見当がつきませんが、何か目標みたいなものも必要かもしれません。
今のところ決まっているのは、一回ずつの参加予約制で、その回の参加者の中から一人を主役にして話を進めるようにするつもりです。あとはそれぞれ作品持ち寄りの合評会。
とにかく興味のある方は、ブログもしくはYuasa Brand Milkで、思いつくごとに告知していきますのでチェックしておいてください。
あのころからは引き出しも増える
2009 年 2 月 3 日 by SIGN
今日はカホンを作る手を少し休め、こないだ作ったチャペルベンチの棚の取り付けで現場作業。
現場作業は時間を切られることが多いので、いつもよりアップテンポで迷うことなく手が動くという感じ。もちろん、その日のためにイメージはしていくのだが、意外な見落としがあった時の対処も迷ってはいられない。
今日もひとつそんなことがあった。昔ならあせって動けなくなっていたかもしれない。
今はすぐにその解決方法が浮かんで対処できるようになってきた。
それでいいのか、悪いのか。多分いいのだろう。
それができなければプロではないが、それを使う人の身になって、完璧なものを提供できなかった負い目を感じられなければ、作り手としての資格はない、とも思う。
今回はうまくいった。だからこれでいい。
使い込まれて少しずつ艶が出てきている。
こうして見ると、荒いけどまあまあいい形してたんだな。
ご意見聞きたいSIGNカホンプロサポート企画
2009 年 1 月 29 日 by SIGN
今取りかかっているSIGNカホン-V13台、今日は延々板はぎをやっていた。(SIGNカホン-Vの作り方参照)
規格の合板でカットして組み立てるだけではなく、板から製材してはぎ合わせて作ってるということ。
その材の特性を考えたバランスを図面上で計算して、容量が小さくても音量が出るように考えていること。
塗装や化粧合板ではなく、木材そのものの質感を重視していること。
それらは木工品、物としてしっかり作ろうという姿勢でもある。それを理解してもらうために作り方を公開しているのだが、やっぱりその分SIGNカホンは高い。
安くなりませんかという問い合わせもあるが、値段以上の仕事はしてるつもりだし、安くする工夫だってしているつもり。でもやっぱりいろんな人に使ってもらいたいし、今日「はたがね」を締めながら考えた。
例えば今回ロット限定で、こんな企画はどうだろう。
「プロミュージシャンサポート企画」プロとして活動しているバンド、プロのパーカッショニストの方を対象に、参加しているCDを送っていただくと、一枚に付5,000円値引き、なんていうのは。
これどうですか。ミュージシャンの方、ご意見お聞かせ下さい。
SIGNカホン-V製作開始しました
2009 年 1 月 27 日 by SIGN
今回製作分は、New SIGNカホン-Vが13台の予定です。
OAK-V 5台
BIRCH-V 4台
MAPLE-V 4台
(シリアルナンバー #0041〜#0053)
です。
現在ご予約いただいているのが7台なので、残るのは6台ですが、製作中に問い合わせがなければすべて完成品として販売するつもりです。
OAK-Vのうち何台かをKAKISHI-Vに、BIRCH-Vのうち何台かをカラーウッドワックスで目止めした水に強い屋外仕様にしようと思ってます。
MAPLE-Vは何台残るか分かりません。ご予約いただいている方のほとんどは試奏して決めるとおっしゃっているので、生音にインパクトのあるメイプルは選ばれる可能性は高いです。
次回の製作はまたいつになるか分かりませんので、SIGNカホンに興味のある方は早めにお問い合わせ下さい。
僕にとても大事な言葉をくれた人
2009 年 1 月 25 日 by SIGN
今日は明日香にあるギャラリーカフェ「夢灯り」に行ってきた。
僕が昔お世話になった方の一周忌のイベントに。
高内良叡さん。木工もする彫金アクセサリーの作家であり、明日香の農村、棚田の風景を守る活動をされていた方だ。
僕が木工家として独立してすぐの頃、技術は身に付いたものの、どういうものを作っていけばいいのか迷っていた。それとまた、自分のスタイルというものが欲しくてたまらなくて、悩んでいた時期でもあった。
そんな時、僕はとあるNPOで知り合った高内さんを訪ねて、彼と奥さんが経営する「夢灯り」へ行ったのだった。
そこで、今思えば本当に失礼な質問であったのだが、僕は高内さんに、彼の作品を前に聞いたのだ。
「僕は今、作品を作ることから離れていて、作りたいという欲求こそあれ、何が作りたいのか分らず、しかし、その方向性のようなものを強く求めていますが、高内さんは自分が何を作りたいのかが分りますか。」
そんな甘い質問に高内さんは、
「あのね湯浅君、ものを作るというのは、自分が何かを作り出すというのではなく、かかわりの中で生まれてくるものだよ。」と答えてくれた。
それを聞いて僕は、目の前の霞が晴れるような気がした。こんな簡単な言葉で、自分で勝手にこんがらがっている僕を解き明かしてくれるなんて。
それ以来、僕の座右の銘ではないが、この言葉が、すべてのアート、すべての作品においてのキーワードになっている。とても大事な言葉だ。
そんな高内さんが去年、長い闘病の末亡くなられた。
僕はその言葉に対する感謝の気持ちもうまく伝えられないままに、彼を見送った。
しかし僕のような、彼に感謝する人、彼を愛する友人たちが集まって、にぎやかに彼を偲ぶ会が幾度か開かれ、今日も高内さんの誕生日に「ハッピーバースデー」を歌って一周忌を迎えるイベントがあったのだ。
この世からいなくなってもなお、こうして友人たちに愛され続ける人って。
「今そのへんに来てるから」って、すてきだな。
修業中の作品にちょっとはにかむ
2009 年 1 月 21 日 by SIGN
去年から頼まれていた仕事を今やっている。
気持ちとしては、次々に片付ける、だ。
僕が修業時代に受けた仕事で、まだ師匠のところにいるときに、知り合いからの依頼で、結婚式場のチャペルベンチを作ったことがあった。それをずっと使っていただいていて、補修もさせていただいたりしていたのだが、今回ちょっとだけ改修というか、ベンチの背中に棚をつけるという注文だった。
久しぶりに見ると、恥ずかしくなるような物だが、あの頃の、分からないなりに奮闘した跡があった。技術的には未熟そのものでも、今と違い合理化といった手の抜き方をしていない。今の僕が手を付けていいのかとためらうくらいの神聖さも感じる。
先日とある家具屋さんのサイトで、僕が尊敬し憧れている木工家の代表的な椅子に、かなり影響を受けて作られたと思われる作品を見つけた。
その家具屋さんのやり方というのは、僕が最近思い描いていた、こうなれればいいなというイメージそのものであったが、すでにやっている人のその有様を見ると、ちょっと寒気がした。
こうなってはいけないのだと。
僕も彼も憧れているその木工家の、思想や生き様を目標にしたとしても、似たものを作ることでそれが達成されるわけではないのだ。
歯ぎしりしながらも自分で答えを出さなければ。修業中のあのころのように。
今気付かせてもらえてよかった。