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SIGNのポリシー、オーダーメイド家具の魅力

あなたと、あなたをとりまく環境を
肖像画を描くように、一つの家具で 描き出す作業
それが、僕が考える オーダーメイド家具の製作です

紆余曲折人種め

ベビーベッドを作りながら、いろいろとほかの仕事が割り込んでくる。
週一回のアルバイト、ミニカホン、木工教室、そして今日は大学時代の友人から頼まれて、ガラス引き戸のつり戸棚を作っていた。

午前中そのガラスの発注で、いつもお世話になっているガラス屋さんへ。
奈良の家具仲間がみんなお世話になっているので、行くと最近のみんなの情報を教えてくれた。
みんながんばってるな。

このつり戸棚を注文したのは、大学時代、同じ寮に住んでいた悪友(親友?)で、もとは建築学科でありながら絵描きを志し、卒業後制作活動をしていたのだが、店舗などの壁画を描く仕事を引き受けたりしているうちに、いつのまにやらリフォームや店舗設計、住宅建築と、結局建築業で食っているという奴だ。紆余曲折人種。
僕とて人のことは言えないか。奴と同じ釜の飯を食っている時は、間違いなく写真世界の人間だったわけで、今こうして奴から注文を受けて家具を作ることになろうとは、あの頃想像すらできなかった。
電話してくるなり仕様と見積もり、納期を告げる。あたりまえのように。
いつもの定食屋で飯食って夜のドライブに行こうぜ、と変わらない調子。多分一生こういう関係なんだろう、あいつとは。
しかし、奴が紹介してくれた芸大の建築学科の先生が、卒業後10年後、僕に家具の師匠の永田さんを紹介してくれたということは、奴との出会いがなければ僕も家具屋にはならなかった、とも言える。

まあ仕方ない、そいうことなんで、お待たせしている皆様、二日ほどさらに遅れます。

今日は日曜日で、しかしミニカホンを作っていた。
本当はミニカホンを作る木工教室のはずだったが、お客さんが体調を崩されてキャンセル。
材料を仕入れて木取りまでしてあったので、このまま放置しておくと杉のパネル材は反り返ってしまいそうだったので、箱にまで組上げた。
カホンの製作を休止すると言ってから、何かとカホンを作っている。

でもちゃんとけじめはつけないと。

来月、このミニカホン数台を含め、在庫のSIGNカホン-Vの売りつくし特価セールをしようと思っている。
いくらくらいがいいものか考えているが、何パーセント引き、というのもせこい気がするし、いっそ半額くらいがいいのか。

そしてミニカホン木工教室も終了しよう。
いつかSIGNカホンを復活させるまで。

緊急のお知らせです

TAGBOATのサマーアワード2009というコンペで、益本絵美花という若手作家が一次審査を通過しました。
彼女の作品を見て、いいな、と思ったら、投票をお願いします。ウェブ上でも(18日まで)、20,21日に新宿で開催される展覧会でも投票ができるようです。

日本のアート界は、彼女のような逸材を見逃してはいけない。審査員の方々は、この小さな作品からそれを読み取れるでしょうか。

ゴンちゃんベッド部材
ブナは狂いが生じやすい材である、とよく言われるが、確かに、木取りをしている段階から暴れまくっている。
特に樹皮に近い部分はひどい。リッピングして応力が抜けた途端、みるみる反り返っていった。片耳付きの材を買ったので、そのせいもある。
それを今回、箱ものに使おうというのだから常識ではちょっと考え難い、かな。
しかし、ブナには面白い特徴があって、製材して加工している時はざくざくのとげとげなのに、磨きあげるとなぜか滑らかな肌触りとなり、独特の艶が出る。それが人気のある理由なのかもしれない。
チェリーよりも比重があり、メイプルより柔らかい。

それで今ベビーベッドを作っている。

丸山祐一郎さんと、こやまはるこさんが昨日奈良でコンサートをされたので、またお手伝いに行ってきた。
今回のコンサートは、虹のHoshiプロジェクトという全国縦断ツアーで、九州から北海道まで、広島原爆の残り火「平和の火」をハクキンカイロに入れて持ち歩き、それぞれの会場でその火を灯していくという、平和をテーマにしたコンサートである。
そこにはもちろん、丸山さんがいつもコンサートで話される水の話や「水カンリンバ」の演奏もあって、水は清き「ふるさと」を全員で合唱するシーンもあった。

そしてなにより素晴らしかったのは、この日は丸山さんの長年の夢だった、旅のエッセイと写真を集めたCD付きの本が発売される日だったこと。丸山さんと出会ってから過ごした僕の時間の中に、重なる記憶がこの本の中にはいくつもあって、僕もこの本の出版を心待ちにしていた一人だったからだ。

しかし、
コンサートが終わり、ホールの片づけ、楽器の搬出をし、みんなで丸山さんとはるこさんを囲んで記念撮影して…..本を買った人にサインしている二人…..を見ながら、なんだか、
その大切な火よりも、水よりも、虹よりも、世界平和よりも、丸山さんとはるこさんが無事、旅を終えられることを祈っていた。
なかにはそんなやつがいたっていいでしょ、丸山さん。

今日久しぶりに大阪の乾材木商店さんのところへ行ってきた。
いつもは電話で注文して配達してもらうのだが、今回は普段あまり使わないビーチ材(ブナ)が数枚必要だったので、それだけを配達してもらうのも悪いし、久しぶりに乾さんとこにも行ってみたかったし、直接取りに行ったのだ。

乾さんとは修行中に師匠の永田さんのところで会って以来だから、もう6〜7年のお付き合いになるだろうか。頼りになる材木屋さんが知り合いだということは、木工家にとっては財産である。
でも乾さん、人が良すぎて損ばっかり。中にはひどいお客さんもいるみたい。
そんな客なんか相手にしなくても、どーんとZooファミリーだけで食っていけるようにしますよ!って言いたいけど、僕を含め、一門でいろいろと甘えさせてもらっているので、なんとも、いつかはきっとという気持ちを込めて、乾さんとこの木で作らせてもらっている。

行けばいろいろ欲しいものいっぱいで、これであれを作ってみたいとか、イメージも湧いてきたり、下手に人の作品見るよりも、材料と対峙することは刺激があったりする。
下の方に積んであったあれ、よかったなあ。これ全部ください、って言いたかった。

次の茶話会は7月4日(土)に行いたいと思います。参加ご希望の方はメールにてお知らせ下さい。
sign.norioyuasa@gmail.com

基礎講座 現在予約4名(あと3名まで)
表現講座 現在予約6名(あと1名まで)

SIGNの写真茶話会は一回ごとの予約制です。続けて来ていただいても、一回だけでも参加していただけます。詳しくは「教室のご案内」を御覧ください。
今回の内容は、Yuasa Brand Milkにて発表しています。

これからは第一土曜日と決めて、できるだけそのようにしたいと思います。

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ところでみなさん、角川文庫の新しい太宰治の本、見ました?
これはもう、梅佳代と太宰治のコラボ作品となっています。

そして、今発売中の「BRUTUS」は浅田政志の作品が表紙を飾り、日本の現代写真表現を代表する作家17名の作品のルールを解説するという、茶話会の教科書にしたいくらいの内容となっています。

今日刀架けが完成し、下地のオイル塗装をした。一晩おいて、明日少し光沢の出るワックスで仕上げる。
古材のケヤキはオイルだけでも、なんかすごい風合いのある色に変化した。そういうもんなんだな。
古材を使う作家の多くは、あまり加工せず作られるのが常のようだが、僕は古びた部分をすべて削り取り、欠けた部分は埋め木して、新しいものに作り変えることが多い。
それだと古材を使う意味はないのだろうか。面影は残すべき?それとも古いものを新しく生まれ変わらせることのほうが意味があるのか。
使う人はさて、どちらを好まれるだろうか。

実は今日は木工教室の日で、次に作るものの図面を書いてもらいながら、それを横目で見ながら作業をした。
次に作ってもらうものに金物が必要なので、午後、買い出しに行きましょうと、仲野さんの愛車である平成6年式の、きれいにレストアされたデリボーイに初めて乗せてもらった。そして帰りには運転までさせていただいて……不思議な魅力のある車だった。乗っていてのんびりするのだ。ウィーンという加速感、運転席に座るとなぜか箱の隅まで伝わってくる車体感覚。機能だけじゃない何かを考え抜いてある気がする。面白いなあ、ちょっと欲しくなっちゃった。

刀掛けアップ
今作っているのは、ケヤキの古材を使った、3本架けの日本刀架け。
成形は例の如く手道具による摩擦系作業でやっている。カラカラに乾いたケヤキは、よく締まっていて、さらにヤスリをあてると粉末状に繊維が砕けていく。そういうもんなんだろうか。
とにかくまたもやハマっている。さてどこまで削りこもうか、時間をかけて描いたデザインを通り越してしまいそうで、だったらデザインに悩まなくてもよかったのに、こんな作業の一工程に左右されるなんて、量産ものなら材料を機械にぶち込めばその形になって出てくるようなものを手作業でやってるんだからそれくらい主張してもいいんじゃないか、しかしこのヤスリいいなあ、今度もう一本買おうっと、金ができたらね、それにしても在庫のカホン売れないなあ、予約してた人はどこいったんだ、まったく大誤算だ、ヤスリ一本買えないなんて、こいつも随分待たせたなあ、早く仕上げたいけど、ほかにも待たせてるお客さんいるんだけど、ああ摩擦系作業は楽しい。

機械や電動工具を多用すれば、効率は良くなるが複雑になる。作業を単純化すれば、道具も少なく電気もいらない。おまけに音楽を聴きながら頭の中で独り言をいう余裕もある。
刀掛け製作中

木工教室子ども用ロッキングチェア完成
3期生の仲野さんと作っていた、子ども用ロッキングチェア4脚が完成した。
パネル材を使用した椅子としてはいい形をしていると思うのだが、どうだろうか。4脚並ぶとなんだか乗り物みたいにも見える。

赤いのが吉野杉の幅はぎパネル、白いのが赤松の集成材フリー板でできている。
毎週月曜の木工教室として、3期生ふたつめの課題となったこの椅子で、ビスケットを入れた板はぎ、角度切り、軸傾斜角度切り、曲線カット、ベルトサンダーでの成形などを体験してもらった。僕も一緒に2脚作りながら解説する。

さて、次回から三つ目の課題に取りかかる予定だが、期間を考えると、それが卒業制作になる。
今日は休憩時間や、完成後モコをつれての散歩をしながら何を作るか話し合った。かなり悩んでおられたが、とりあえず決めて帰られた。

僕の取り分の2脚は、木工教室のサンプルにするか、誰かへのプレゼントにしようか。

プライナス「呼吸-リズム-」
名古屋で活躍中のバンド、プライナスから新しいシングルCDが届いた。「名古屋ピンクリボンフェスタ」のテーマソングとなっている、「呼吸〜リズム」という曲。
SIGNとプライナスの関係は知る人ぞ知る。
これはほんとにいい曲。聞けばきっと彼等に会いたくなる、そんな曲。

1枚500円で、売り上げの一部はこの運動に寄付されるという。ぜひたくさんの人に聞いてほしい。

仕事の終わりがけにカホンを見にきたお客さんがいた。
和琴を弾きながら語りをする女性で、今使っているパイプ椅子のかわりにカホンを使いたいというのだ。
カホンを語りの効果音にしようというのだろうか。珍しい、どんなライブなのか見てみたい。

在庫のカホンを一通り見ていただくが、音質的に気に入ったものはいくつかあって、その中で迷ってはいるものの、選びきれない理由がひとつ。高さであった。
今のパイプ椅子が演奏には丁度良い高さの椅子であり、できればそれと同じ高さのものが欲しいというのだ。ライブでは舞台セットとして、背景の屏風まで持ち歩くというこだわりがありながら、椅子に関しては丁度良い高さと使いやすさから、見栄えを無視してパイプ椅子を使っている。いつも良い椅子があればと思っていたところへ、うちのカホンの存在を知ったのだという。
その椅子とNew-Vの高さの差は数センチだが、それが大きく演奏に関わってくるのだろう。長い間迷ってらしたので、僕はオーダーメイドをお勧めした。せっかくだから。
製作休止宣言をして初めてのご注文、というと変ないい回しだが、最後に残しておいたオーダーメイド用の材、数台分から彼女のカホンを作ろうと思う。

最後まで特殊なケースに恵まれる、SIGNカホンであった。

木工教室子供用ロッキングチェア
木工教室第3期生の二つ目の課題は、以前うちで作った、パネル材を使った子ども用ロッキングチェアを作っている。本日4日目。
パネル材を使った加工と接合などを体験してもらえるので、ちょうど型板もあるし、あまってたパネル材で4脚同時進行で。そう、同じものを複数作るというのも実際の仕事ではよくある話である。

僕が前に作った時は、朝からデザインして型板を作り、一日で2脚仕上げた奇跡の作品だったが、やはり教えながらだと時間はかかるものだ。
今回ロッカー部の曲線を見直し、前回よりもかなりいい揺れをかもし出している。
このうち2脚はサンプル(販売?)として残し、2脚を持って帰ってもらおうと思っている。

5月のSIGNの写真茶話会3

一週間前となりましたので、予約状況をお知らせします。

5月9日(土)
10:00〜12:00 基礎講座 (予約4名、あと3名まで)
13:00〜17:00 表現講座 (予約5名、あと2名まで)
※5/8現在

今回の内容についてはYuasa Brand Milkを御覧ください。
ご質問、お申し込みについては教室のご案内を確認の上、メール(sign.norioyuasa@gmail.com)もしくはこの記事へのコメントでお願いします。

※コメントへの書き込みには、メールアドレスもお願いします。こちらからの連絡に使用しますが、非公開ですのでご安心下さい。

旋盤かあ、いいなあ

SPFのテーブル カントリー風?
ゴールデンウィーク突入だが、急ぎのたちまち仕事を仕上げた。
納品は連休明けということだったが、出来る時にやってしまおうと思い今日片付けた。
SPF材を使ったテーブル、4台。サイズは600×600と600×1200の2種類。知り合いの花屋さんがカフェをするとかで、注文が入った。椅子に関してはアンティークのチャーチチェアを用意しているらしく、それにあったカントリー風ダイニングテーブルで、ユーズドっぽい仕上げ。
こういう時よく言われるのが、雑に作ってちょうどよい、ばんばんばんっでオッケー。値段からするとそうなのだが、これがなかなか難しい。いつもと違う脳みそ使うので意外と楽しいけど。

午前中はまた方向が反対の、北欧風モダンのデザインで、丸テーブル+椅子2脚を注文してくださったお客さんが来て、材の打ち合わせをした。デザインは北欧風だが材はブラックウォルナットがご希望だった。さてどうなるやら。
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ほんとはね、いつかはね、その家具の成り立ちや血筋をさかのぼり、なんとか風ではなく、かの巨人たちがしたように、僕も僕なりの答えを見つけたいと思っているのだ。

一息ついたときに家具屋の友人から電話がかかり、旋盤買ったとか自慢された。
それもなあ、その答えのために必要な道具ならよかろうが、道具から発想しようというのは浅はかなり。

東京疲れで報告遅れました。
やっぱり往復夜行バスはしんどかったです。しかも帰ったその日に木工教室、そして今月中の仕事をせねばならず、休む暇なく、パソコンに向かう気力もなく。
しかし、東京では久しぶりに彼等とゆっくり話せたことや、写真展めぐりで、写真モード全開でした。
その報告は5月の写真茶話会でしたいと思います。
今度は5月9日(土)です。

彼等と話をしていると、頭はあの頃に戻っても、ブランクの間の情報がないため、彼等に感心したり驚いたりすることもしばしばありました。そして彼等の状況は進展し、すごいことになっていました。
ただ今回見たいくつかの写真展がそうだっただけかもしれませんが、写真表現は10年前からさして進歩はないようで、今回新しいものが見れるのではと期待していたのですが、そういうのは見れませんでした。西光が言うには、もっと若い世代が恐いことになってるそうです。

これから僕が写真とどのように関わっていくかはわかりません。
SIGNの写真茶話会、とりあえず続けてみます。

浅田にもらったあいつの新しい本、詩人とのコラボ作品集にあった言葉。
なぜか読んで笑ってしまいました。いわゆる(笑)程度に。

SIGNはサインと読みます

いろいろ思うところあって、勝手ながら「SIGNカホンの作り方」の掲載を終了させていただきます。
今までご愛読いただいていた皆様、ありがとうございました。

アースデイならsouth09に、音楽で参加。
前半がたがた。練習不足。
大学の先輩が来てくれたのに、10年ぶりくらいなのに、話があまりできず残念。
新しいつながりもいくつか。
イベントは慌ただしく変わるテレビのチャンネル。過多。
壮馬君とぷーさんはかなりよかった。ほんとに、もったいないくらいよかった。
僕の声がほめられた。僕の歌をほめた人がいた。
この日のために借りて持っていったレンズを使わず。
僕の家具のお客さんと出会い、毎日幸せといわれ、そんな仕事を主軸に専念せねば、ほかの何もうまくいくはずがない。
写真を通じて知り合ったある女性。写真を撮る人は、写真によって解決できることがある。
今年はあまり買い食いしなかったのはなぜ。

ここ数日、ずっとスケッチと図面と格闘していた。
やっとデザインが決まった。そんなデザインも、特に奇抜なものではなく、完成してみれば普通と思われるような形になっている。そんなことだってある。
しかし、ゼロからそこまで持っていくということは、どこにもない、誰も見たことのないものを思い描くということは、本来オーダーメイド家具製作において、一番の重労働に値する作業なのだ。

一点ものを作るというスリルは、浮かんでくるアイデアに不可と評価したり、モードに合わせたり、先人のコピーを作ることで回避できる。
もしそれを存分に味わいたいなら、スタート地点はゼロからだ。

今年もまたアースデイ

去年は指を怪我したので、出演はしなかったのだが、今年はまたステージに出演することになってしまった。
「アースデイならsouth」4月19日、橿原文化会館前広場
フォークとブルースのふたつのユニットに参加し、基本はカホンでブルースハープと歌まで歌うことに。
なんで?
そんなに音楽好きだったわけでもないのに、なぜかそういうことになっている。面白いなあ。

今日は木工教室だったが、終わりがけに堤さんが来て、その打ち合わせをちょっとだけ。
木工教室では仲野さんが一つ目の課題を完成して、持って帰られた。
木工教室ハイバックチェア
完成する喜び、木工教室はこれだけ教えられればそれでいいんじゃないかと思う。

収納ベンチ
理想建築工舎CRAFTさんからの注文で、箱形の収納ベンチを作った。
材は赤松の集成材で、天板を開くと中は収納庫になる、カウンター用のベンチ。3分割で全長1800。
図面もなく、寸法を聞いただけで自然に体が動く。この手の仕事はたちまちに仕上げる。材料発注から完成まで1日半、もしこれが100個でも1000個でも注文が来たとしても、多分感覚は同じなんだろう。
多ければ多いほど経済的には助かるだろうな。

こんなのが、例えば有名ブランドの名前が付くと、多分値段は3倍くらいになるのだろうか。
うまくやってる。ちょろいもんだ。

今抱えている仕事は難しい(自分で難しくしている)ものばかりで、順番にこなしていってはいるものの、時間がかかる。とにかく考えている時間が長い。だから、飛び込みの急ぎの仕事は食い扶持になり、実はありがたい。その分待っているお客さんをさらに待たせることにはなってしまうけど、このスタイルで行くには、今は他にやり方がない。
しかし、特に関西では、デザイン料含まずが常識で、作業にかかった日数を価格のベースにする暗黙の了解があるので、時間がかかっても値段は同じなわけだ。
じゃあ、なんでそんなことしてるのか。自分でもわからない。
結果がどんなありきたりのものでも、一から考える癖がある。それをやめようか。やめればいいのか。

次に作るのは日本刀にかかわる家具。雲をディスプレイするデザインを考えなければならない。いや、考え出してからもう一年以上になる。

うちの木工教室は長期滞在者を受け入れている(積極的には受け入れていない)ので、面白い人が訪ねてくることが多い。
今3人目(3期生?)にあたる仲野さんも、なかなか話を聞いていると面白い方で、今日は朝から持って来てくださったコーヒーをいれて飲みながら、音楽の話をしていると11時になっていた。
何をしに来ているやら。いや、僕が悪いんだけど。教える姿勢が足りないんだな。
最近手に入れた、ヤマハのダイナミックギターを見せながら、ちょっと弾いたりして、音楽の話になってしまい、意外とこの方の音楽話が楽しくて、いろんな経験がおありなものだから、つい。

こないだ出会ったギター製作の丸山さんの話をして、今僕はすごくその道に興味があるのだけど、状況から考えて踏み止まっているのだということ、自分に必死でブレーキをかけているところだと話すと、仲野さんもウクレレを作りたいと思ってたとか、なんとなく僕らは似ていて、共通の悶々が工場に漂っていた。
採算の合う仕事など、家具を作っていたってなかなかない。儲けることを考える時間があれば、スケッチでもしていたい。いや、儲けるためだけの仕事なら木工以外でお願いしたい。
そんなこと言ってたら儲からんわ。
とりあえずギター弾けるように練習しよう。

作品一覧/リビングカテゴリーに、「みゆきちゃんの姿見」をアップしました。

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