Feed on
Posts
Comments

SIGNのポリシー、オーダーメイド家具の魅力

あなたと、あなたをとりまく環境を
肖像画を描くように、一つの家具で 描き出す作業
それが、僕が考える オーダーメイド家具の製作です

旋盤でスピンドルを作る
ダイニングチェアはまだ完成していなかったが、4日間夏休みをいただいて長野県の餃子温泉へ行ってきた。
行き帰りの渋滞は疲れたけど、とにかく腹一杯食べ続けて色々満喫できてよかったな。

そして帰ってきてからは、いよいよ旋盤作業にとりかかっている。ダイニングチェアのスピンドルだ。
あの振動が嘘のように回転しているWT-300は快調で、作業をしていても機械を心配するストレスはまったくない。自分が旋盤初心者であることを忘れるくらい。
しかし、経験がないのは確かなことなので、付属していたバイト(鑿)8本を、マニュアルを見ながらその用途などを試してみた。
いろんなサイトでこの付属しているバイトについて語られている。これで十分という人もいれば、旋盤作業は機械より刃物が重要、すぐにゴミ箱に捨てて良いものを買うべし、という人もいる。
僕が使ってみて思ったのは、確かに箱を開けてすぐには使えないけど、研ぎながら使えばなんとかなりそう、だった。
良いものを使ったことがないので分からないけど、研いですぐの切れ味は気持ち良く、旋盤作業は刃物であるとは確かに言い得ていると感じる。しかしこの付属のバイトだからかは断言できないが、その切れ味は意外とすぐに失われてしまう。どこかの刃物至上主義旋盤サイトでは、5分削って5分研ぐとも書かれていて、そこまで神経質ではないにしろ、研ぎの重要性は僕も感じた。
良い刃物はもっと長切れするのだろうか。まあこちらはおまけのセットなんだから文句はないけどね。
グラインダーもホームセンターの安物だけど、十分じゅうぶん、それより頻繁にする研ぎをめんどくさがらないことだと思う。

それにしても旋盤作業。これは異次元だ。
今までの木工作業との大きな違い、それは材料が回っていること。それに静かに刃物をあてるという今までにない感覚。常に螺旋に削っていくということも面白い。木繊維に対しほぼ直角に削っているのに、それ用のバイトによって仕上げまでできるというのも、今までの常識からは理解し難い。
これはハマるわ。

寺井さんのダイニングチェア2座面
朝から奈良の訓練校家具工芸科の学生二人が訪ねてきた。学生とはいえ、職業訓練校だけに十分大人ではあるが。
今は夏休みで、あちこちの家具屋を回っているという。うちが5件目らしい。
この時期になると、毎年こんな感じで学生が訪ねてくる。そして、僕はやはり同じように答える。

昨日からはぎ合わせていた、二つ目のダイニングチェアの座面を今日は削った。これは反り上がっているのではなく、角度をつけてはぎ合わせ、それを丸く削っている。5枚はぎにしたが、それでもなめらかに曲面を作るのには時間がかかり、彼女たちが帰ってから、夕方池本さんが来るまでになんとか仕上がった。
ここは二つ目のチェアのキモの部分。座り心地にも影響するところだし、精度が強度にかかわるところ。ぴしっとくっついてないとね。

で、池本さんはSalt&Uribossaの待望のニューアルバム「風のメロジア」を持ってきてくださったのだった。
久しぶりにお会いしたので、音楽を聞くより話す方が多くなってしまい、まだちゃんと聞けてないので、改めて紹介はしようと思っている。ちゃんとね。なぜなら、このCDのジャケット写真は僕がYuasa Brand Milkとして撮影した希少な(2枚目の)CDだから。

SIGNの写真茶話会6について

製作日誌はこの記事の下にあります。

Yuasa Brand Milkのほうで内容などを発表しています。

9月6日(日)
13:00〜17:00 表現講座(定員7名)現在予約5名
※今回午前の基礎講座はありません。

予約、お問い合わせはメールにて受け付けています。教室のご案内もあわせて御覧ください。
sign.norioyuasa@gmail.com
※SIGNの写真茶話会は一回ごとの予約制です。募集は定員に達し次第締め切らせていただきます。
※前回の茶話会で5日とお知らせしていましたが、ちょっと事情が変わって、上記のようなスケジュールとなっています。ご注意下さい。

夏の草原を思わせる緑

寺井さんのダイニングチェア座
先日お客さんと打ち合わせに行った張り屋さんから、ダイニングチェアの座面が仕上がってきた。
いろんなサンプルを見て悩んだ末に決められただけあって、この色はすごくきれいだ。塗装したウォルナットとの相性はどうだろう。仕上がりが楽しみ。

それにしてもきれいに張っていただいて。さすがこの道30年のベテランの腕を感じさせる。
兄弟子の吉田さんやマコっちゃんがお世話になっていて、話は以前から聞いていたのだが、なかなかうちでは張りの仕事が少ないために、外注に出すこともあまりなかった。この場所に移転するまで少し遠かったということもある。だが今の場所からなら裏山の二上山をこえてすぐなので、20分くらい。しかも大学時代から馴染みのある南河内郡太子町ということもあって行きやすい。
今日は納品にうちまで来てくださって、いろいろお話を伺いながら引き止めてしまった。たくさん抱える得意先のなかで、うちが一番近所になるそうだ。
その名も「Dr.チェアー」。ほんとに、平田教授と呼びたいくらい心強い。

寺井さんのダイニングチェア1フレーム
あの丸テーブルにセットのダイニングチェアひとつ目は、お客さんが描いてきたスケッチによると、スクエアなイメージで垂直線が特徴。
つい曲げたり角度をつけたり削り込んだりしたくなるところを我慢して、直角に平行に。
背もたれの部分だけはカーブをつけて欲しいということだったので、そこには曲線を使った。
あとは3本のスピンドルと、座面はウレタンクッションを入れた張り。明日張り屋さんへ一緒に行って打ち合わせをする。初めてお願いする張り屋さんなのでどきどき、張りってうちではあまりやらないので、予算内で収まるかどうか。

ガンダルヴァ

名古屋在住のプライナスの新しいアルバムができた。
ファンとしては待ちに待ったアルバムだ。それを持って、カワナくんとマミちゃんが今日訪ねてくれた。
まったく、彼等の義理堅さには敬服してしまう。
全身全霊、持ちうるものを総動員してできた自信作。彼等の表情や話しぶりからもそれが伝わってくる。

たくさんの人に聞いてもらいたいとは思うけれど、今回はあえて流通にのせずに売り込みしていくと言う。
彼等の音楽を聞いてみたい方は、ライブ会場、プライナスのサイトで手に入るので。

ウォルナットの丸テーブル
朝から納品。ずっと降り続いていた雨だったが、今日は降らなかった。
丸テーブルも収まり、ここに残りのチェア2種が入るというイメージも湧いてきた。
このセットを注文してくれたお客さんとも、何度かお会いし、メールでやり取りし、遅れているおかげ(?)でその人柄に近付く感じがして、イメージが描きやすくなってきている。今度、今作っているチェアの張り生地を選びに一緒に張り屋さんへ行く約束もした。

こういう家具の作り方をしていると、こんなふうに、ぜんぜん知らなかった人と家具を通して近付いていく感覚がある。
実は今日この納品に、東京からテーブルを注文いただいている女性が同行された。この方もかなりお待たせしているお客さんだった。お待たせしているので、わざわざ東京から催促しに来たのかと思いきや、出張で関西まで来たのでちょっと覗きに、見学に、夏休みを過ごしに、来られたようで、ご注文のテーブルに関する話はそこそこに、かなりのんびり色んな話ができた。

家具を作って納めてしまえば、この関係は一応終わり。これは不思議なことと感じるのはおかしいだろうか。商売とはそういうものだと。
待ってくれる「いいお客さん」に甘えるばっかりじゃだめだけど、スピード上げて、次々と終わらせていくのも、なにかを無為に消費していると感じることもある。

寺井さんの丸テーブル完成
つづいてチェア2種、どんどんいかねば。
さてこのテーブル、納品が30日午前、依頼者の了解が得られましたので、納品待ちの間御覧いただけます。

SIGNの家具はすべて注文製作なので、サンプルなどはありません。どんな家具を作っているか見てみたいという方、この機会にどうぞ。

何をいわんとするのか

今日は休日で、カホンを見に来るというお客さんがキャンセルになったので、休日らしい記事を。

今、あることがきっかけで遠藤周作を読んでいる。今まで名前しか知らず、どんな小説を書く人かも知らず、きっとそのきっかけがなければ手に取ることもなかっただろう。これは本当に偶然で、落ちていた本を拾ったら遠藤周作だった、くらいの何気ない出会いだった。
その本は1973年に出版されたハードカバー本で、ブックカバーは無くなっており、背表紙のタイトルが気になって開いてみると、遠藤周作、作家よりも中身に興味が湧いて、家へ持ち帰り読み始めた。
その内容はここ数年、僕がずっと気になっていたことについての遠藤周作の見解、ということにしておこうか。それにしてもさすがは小説家であり、その世界が生き生きと伝わってくる描写には説得力があった。
その本編を一気に読み終え、作者のあとがきを見ると、この本をプロットにした小説があるという。そう言われるとやはり読みたくなってしまう、そういう内容だった。
Amazonで調べてみるとさらにその続編も書かれていることが分かった。そして早速それらを含む数冊を注文したのだ。
数日後届いたその文庫本の表紙をめくってみると、よく知った、忘れもしない名前が。
カバー写真/並河萬里
届いたほかの本の表紙を見ると、やはりそうだった。瞬間的に口をついて出た言葉は、「なぜ」だった。
よく見ると確かに見覚えのある写真だった。独特の癖がある。この本にこの写真、それを選んだ講釈を語る声まで聞こえてきそうだった。なんということだろう、今まで知らなかった、気付かなかった、それともその自慢話を聞いていたが、あのころの記憶を忘れようと意識していたために思い出さなかったのか。
しかしなぜ今さら。肺ガンで亡くなってから3年が経つ。もちろん10年以上その姿すら見ていない。それを一体何の話があるというのだ。
遠藤周作との関係もわからない。梅と太宰のこともあるし、その時の話題の写真家が文庫本のカバー写真に起用されることはよくあることだ。この本が文庫化されたころ、僕が助手をしていた頃から10年ほど前の勢いを考えると、そういうことはありうる。しかし、遠藤の代表作といわれる「沈黙」にまで並河の写真が使われていることが、どうしても流せない、ざらつきのようなものを感じてしまう。それは違和感のようであり、納得のようでもあり、相反するものが当然のように収まっている様というか。
それでも僕は遠藤周作を読みたいから、きっとこれからも何冊かは増えていくだろう。その度に、先生の写真も僕の本棚に増えていく、ということか。

こんなにも、憧れながら憎んだ人はいない。
先生、ちょっと出てきて遠藤作品について話しましょうよ。

丸テーブル摩擦系テーパー
また今回も突入している摩擦系作業。
お客さまのご希望で、エッジをテーパーにして欲しいということだったので突入しているのだが、同業者が見たらもっと効率の良い方法があるのにと思われそう。
しかし、円の外周75mmのテーパーをどうやって加工するか、と考えたら、僕が選択するのはただひとつの方法、武士の一分だ。
とカッコは付けて言ったものの、一からここまで削るとなると大変なので、残り1.5mmくらいまでは電気鉋でやっつけた。

成形において電動工具の中でもよく使うのが、電気鉋。
カンナと名が付く以上、本来は平面を出したり、平面を削ったりするものだが、修行中師匠に教えてもらってからこの道具に対する考え方が変わった。いや、全ての道具に対する考え方が変わったと言ってもいい。
マニュアルどおりの本来の使い方や、合理的な応用だけでなく、自分が使いたいように道具を操る。そのひらめきを大事にする。
電気鉋に関しては、荒い道具をいかに繊細に、自由に使えるかということだ。
じゃあ、1.5mmと言わず0.5mmまで削ればもっとスピードアップだけど、うーんそこまではまだ自信はなかった。師匠ならいってるかなあ。
残りの1.5mmをヤスリで削って、このテーパーに1日かかった。ここだけで1日日当分!ああ。今後の参考にさせていただこう。

問題の木工旋盤WT-300。いくら安くて精度に期待できないと言っても、せめてDIY工具レベルで作動して欲しい。
そう思って自分で出来る範囲で分解し、軸の平行や、モーター部の固定なんかをしてみた。これ以上やるとしたら、ベアリング交換や、スピンドル軸の加工というハイレベルな話になってくる。まるで木工旋盤キットだ。自分で組み立てて使いましょう、ってどっかに書いてあったっけ。
とか言いながら、モーター側のベルトプーリーを外した状態で、モーターの調子を見るため電源を入れてみた。
すると、あの振動が嘘のように静かに回っている。ということは、この動力の伝達系で振動が出ているということか。
そこで、モーター軸にプーリーを取り付けてベルトをかけずに回してみると、ぐぉろらんぐぉろらん、とその時モーターを固定していなかったので、えげつない振動で恐ろしいほど暴れ出した。これか!
慌てて電源を切り、プーリーをよく見れば、明らかに芯がずれている!なぜ気付かなかったのだろう。いや、こういう機械において、心臓部ともいえるこの部分に欠陥があるなんて思いもしないし、こんなの作った奴も、いいやいっとけで取り付けた奴も、検品した奴も、売ってる会社も、考えられへんぞ!
WT-300の悪いプーリー
ナカトミの相談センターに電話をして、ちゃんと芯の出ているプーリーと交換して欲しいと言ったら、すぐに送ります、ということで、無条件にそういう対応をしてくれるところは気持ちいいんだけど。
でももしかしたら、そのレベルの機械なのかという不安がよぎり、この旋盤をあの丸山さんも使っておられるので、どんな感じか見せてもらいに行ってきた。すると、プーリーは全く別物のような仕上がりの美しさ、回転もスムーズ。ああやっぱり。

で今日、届いたプーリーに交換して回してみたら、あの振動はなくなり、実用レベルで、静かに回っている。あまりに振動がひどかったので、軸の調整を慎重にやったせいかな。
なんだ、いい機械じゃないか。
WT-300の良いプーリー
こういうことがあったりして、一生懸命手をかけてやるあまり、この機械を手に入れた人は愛着が湧いて手放せなくなるのだろう、か。

木星の天体写真ではなく

丸テーブルの天板
今作っている丸テーブルの天板だ。
材はウォールナット。はぎ合わせで絵を描くような気分。

ギターが好きになってきた

昨日から作り始めたウォールナットの丸テーブルの天板を午前中途中まではぎ合わせ、待ち合わせの時間が迫ってきたので急いで工場を出た。
もうすぐ次のCDをリリースされる、Salt&UribossaのSaltさんとの約束だった。Saltさんとはいろいろなシーンでのおつきあいがあるが、今日はとにかくギターに関することだけに話題はしぼられていた。

僕が以前このブログで、ギター制作の丸山利仁さんとの出会いから、ギター制作に興味がわき始め、その好奇心に必死でブレーキをかけていることを書いた。それをSaltさんにも話をしたことがあって、その時に僕に対して色々助言をいただいた。またミュージシャンであるSaltさんは、その丸山さんにも興味を持たれ(情報としては以前から知っておられた)、今度一緒に工房へ連れていって欲しいと言われていたのだ。
待ち合わせのファミレスからずっとギターの話しかしなかった。Saltさんとはこんな時間の過ごし方は初めてだった。最近手に入れたギターの話、最近のライブ、CD録音での演奏の話、ギターの材質と構造の話。丸山さんの工房へお邪魔してからももちろん、ギターの話と丸山さんのギターの試奏と感想。丸山さんもこんなに熱心な来客を前にしてか、いつもよりお話しされて、それを聞いている僕はブレーキどころか興味津々で、作れもしないギターのアイデアに思いふける自分に気付いて我に返り。

いつものことに照らして考えると、Saltさんは今度は何の策略か、と思うけど、丸山さんのギターを弾いている時の楽しそうなのを見ると、ただギターが好き、にしか見えないし、ここにいる自分の運命か、だとしたら本当にいつか作れる日が来るのか。
でも、Saltさんの注文に応えるにはちょっと難しそう。SIGN-Saltモデルなんて夢か幻、もしくは奇跡。

旋盤で思い描く

木工旋盤WT-300
次の仕事に必要で、現在構想段階のオリジナル家具にも絶対必要だったので、ついに木工旋盤を購入した。
しかし、これはあの悪名高き、いやいやネット上で色んな人が使っていてプロにも定評のある、ナカトミ産業のWT-300だ。
なぜこれにしたかは、これを選んだ人が必ず言う「安さ」だった。
最長900mmまでかけられて、海外の有名ブランドのチャックも使えて、という同スペックの他機種に比べると半額以下の値段で買えるということ。
性能に多少我慢すれば、差額で高性能チャックや刃物も買える、という算段だったが、作業台を作って据え付けてみると、かなりやってしまった感が否めない。
まだ何か削ってみたわけではないが、モーターの断続的なブルルブルルという振動があって、ちょっと不安な感じ。振動に関しては、いろんな人が対処法を紹介してるけど、それでは無理っぽいんだけど。
これ、メーカーに問い合わせた方がいいのだろうか。それともこんなもんか。構造はシンプルで頑丈そうで壊れにくそう、だけど最初から壊れてる感じ。
メーカーでは既に廃盤商品でプレミアまで付きはじめていて、楽天のみで購入可能。弱いんだよなそういうの。

一生かけて追求するつもりのオリジナル家具への意気込みを、この機械ははたして。

SIGNの写真茶話会5について

Yuasa Brand Milkのほうで次回の内容などを発表しています。

8月1日(土)
10:00〜12:00 基礎講座(現在予約4名)2,000円
13:00〜17:00 表現講座(現在予約5名)3,000円
どちらもゲストが一人参加なので、今回は定員8名まで受け付けます。

予約お問い合わせはメールにて受け付けています。教室のご案内もあわせて御覧ください。
sign.norioyuasa@gmail.com
予約は定員に達し次第締め切らせていただきます。

作品一覧/リビングカテゴリーに、「ゴンちゃんベビーベッド」をアップしました。

ベビーベッド完成
先月はいろいろありすぎて全然仕事が進まず、ようやくベビーベッドが完成した。
そういう状況を改善するための「カホン休止」ではあるのだが、そんなのは焼け石に水なのかもしれない。
とにかく抱えていることが多すぎる。もともとたくさんのことを同時にやるのは苦手な方なのに、こういう傾向は昔からあって、この悩みは無くなったことがない。
いろいろ手を出してしまう自分が悪いのか。でもそれだから木工の道に入った時に写真はやめたはずなのに、いつの間にやら(ほんとにいつの間にやら)また、カメラ屋でバイト、にわかカメラマン、写真教室までやっていて、どこに信念があるのかと思うくらい。
若い頃ならこういう時、全部ほっぽりだして旅に出たりしたけど、今はそうはいかないなあ。旅したいなあ。
なんて考えると旅も抱えるひとつとなり、ぼよよん。
とりあえず、少しずつ減らそう。木工教室は終わったし、今年はプロップスにも出ないし、あとは何が減らせるだろう。バイトやめる?
といいつつ、写真茶話会毎月だし、9月から大学の講師か。
ああぜんぜんだめだ。

0052,kakishi-v
お待たせしました。本日よりスタートです。(在庫情報はこちら)
しかしこれを待たずして数台売れてしまい、残っているのは7台。
でもメイプルフルサイズもKakishi-Vもありますので、SIGNカホンが気になっていた方々、この機会にどうぞ。
また、取りに来られる方にはさらに値引きいたします。

先だってよりお知らせしていましたが、SIGNカホンは一時製作休止いたします。
勝手ながら、僕はやっぱり家具屋で、木工家として結果を出さなければならないと思い立ち、いつになるかは分かりませんが、今は本業に専念し、その時が来たらまた再開したいと考えております。
SIGNカホンをご愛用いただいている方々には、不安に思われることもあるかもしれませんが、メンテナンスや修理に関しては、その分の材料はストックしてありますので、今まで通り対応させていただきます。
それに、僕は相変わらずここにおりますので。

SIGNの写真茶話会4終わりました。
今回の参加者は5名でした。そのうち2人は現役の写真学生ということで、ちょっと面白かったですね。
続けて来られてる方の上達ぶりには驚かされるばかり。ご本人はそれほど表現には興味がないみたいですが、もうすでに素人の写真ではありません。教える方としてはこれからが楽しみなんですけど。

今回、この茶話会の目標についてもお話ししました。ただ楽しむだけでなく展覧会での発表を前提に続けてみましょう、と。僕も継続的に作品を見ていきたいという思いがあって。ですから次回からの募集では、ようやく基礎トレも終え、個人の作品指導に力を入れていきたいと思っています。

参加者の皆さん、また感想を聞かせてくださいね。
写真茶話会4

SIGNの木工教室長期滞在者第3期生の仲野さんが、今日最後の課題を完成し、卒業された。
仲野さんの卒業制作
最初の頃は寒くて、毎回薪ストーブをつけていたが、最後は扇風機を回しながら、汗を拭いながらの作業だった。
本職を希望されてうちへ来られたのだが、一体どれだけのことが伝えられただろう。技術や知識だけでなく、木工家の現実や夢も語り、音楽や車の話に花が咲いた。
いよいよこれから開業の準備をされるわけだが、そうしてそこに辿り着けたら、そこからのお付き合いがきっとある。別れ際の握手に、これからもよろしくという気持ちを込めて。

仲野金太郎商店マスコット
仲野さんの奥様からかわいいプレゼントをいただいた。
奥様は大阪の玉造で、猫好きにはよく知られている「仲野金太郎商店」という猫雑貨のお店をされていて、その中から、僕がコーヒー好きということで、色んなパターンがある内からこれを選んでくださった。
なんともいい雰囲気。工場に飾っておきますね。

今日朝に、天理で家具販売をしている堀内さんから電話があった。アメリカ人の友人を連れて、これから行ってもいいかということだった。
そのアメリカ人というのは、イギリスの家具作家のもとで修行し、今世界一周の放浪の旅をしているところなんだそうだ。奈良で家具を作っている人を紹介してほしいと言われ、僕のところへ来たのだが、それは僕でなくても。もっとすごい人のとこへ連れてきゃいいのに。
でも話を聞いていると、悔しいけどなんかうらやましくなった。イギリスの家具は、最近僕も気になっていたし、資料もただいま空輸中のはずで、そこで学んだというのも、またホームグラウンドがアメリカというのも素晴らしい環境だ。
堀内さんの通訳越しだったけど、かなり熱い30分だった。こっちは本でしか知らない憧れの木工家たちの名前がぽんぽん出てくるし、アメリカ人っていうだけでかなり得してるよな。
そんな話ができたので、こっちはよかったけどね。刺激になった。ありがとう堀内さん。

でも最後に言ってやりゃよかったかな、あの人のように。
「100年後に勝負しようぜ」

走行200kmでカホン4台を売る

午前中カホン2台を持って、大阪へ。おととい問い合わせのあった音楽サークルの女性のところだった。
その音楽サークルの参加者の方数名と、ヘルパーの方。お話で聞いていた車椅子の方もその中にいた。
駅前のビルの一室を借りてくださり、持っていったカホンのお披露目をした。
一番気になっていたのが、車椅子の彼が僕のカホンを気に入るかどうか。また、僕がイメージしていた叩き方を無理なく出来るかどうかだった。
だがその心配はすぐに解決されてしまった。彼はカホンを見るなり感激し、サークル主宰の女性がカホンと僕を紹介するや、その女性と抱き合って喜んでくれたのだ。また、叩き方などを説明し、実際に触れてもらうと、音が鳴る毎にうれしそうで、僕もこれを持ってきて良かったと心からうれしくなったのだ。
それに最初に一度名前を紹介されただけだったのに、すぐに名前を覚えてくれて(ゆあさってなかなか聞き取りにくい名前)、ずっと「湯浅さん湯浅さん、」と話しかけてくれる。楽器って触れるだけで人を豊かにするんだな。カホン休止、ちょっともったいない気がした。
そして、今回声をかけていただいた女性にも一台。それは雅魚くんのカホンの音に感動したという彼女のために、残っていた最後のソフトトップ(打面)、Kakishi-Vだった。これだけは自分用にとっておこうと思っていたが、こんな機会に使ってもらわなければ、と手放すことにした。それに触れて歓声をあげる彼女と、そこにいたみんながその音に驚くのを見れば、もう何も言うことはなかった。
車椅子の彼と、帰り際握手をして、練習してうまくなったら演奏会に呼んでね、と約束した。

その後奈良へ戻り、注文していたガラスを引き取りにいき、その足で友人が手掛ける現場へ戸棚の納品。今から向かうという電話で、その家の施主さんがカホンに興味があるというので、ミニとVを一台ずつ持って来てほしいと言われ、こないだ作ったばかりのミニとメイプル-Vの一番派手な木目のを持っていった。
なんとそれ、どちらもお買い上げいただき、今日はカホンの営業日、走行200kmを越えた。

SIGNカホンの音をもとめて

来月予定している特価セールを待たずして、ある女性からカホンの問い合わせがあった。
あの雅魚くんの演奏をあるコンサートで聞いてその音に感動し、楽屋まで訪ねて行ってうちのカホンのことを聞いたらしい。
カホンという楽器のこともその時知ったらしく、すぐに楽器店に行き、いくつか触ったものの、雅魚くんのカホンに勝るものがなかったという。
そして雅魚くんのお母さんから僕に電話があり、カホンのことで僕と連絡を取りたがっている人がいるという知らせがあった。

その方は全盲のボサノバシンガーで、弾き語りで演奏活動をされるかたわら、主に障害者の方が参加する音楽サークルを主宰されていて、昔、谷村新司らとアリス結成前にいっしょに音楽活動をされていた方らしい。
その彼女が、電話口でSIGNカホンとの感動的な出会いの話を語ってくれた。

目が見えず、ある曲の演奏中、何が鳴っているのかわからず、隣にいたヘルパーの人に尋ねたが、演奏が気持ち良くて居眠りしていた。そういう人が会場にたくさんいたという。その音の正体を知りたくて、演奏終了後楽屋に訪ねていくと、雅魚くんが手を引いて自分のカホンに触らせてくれた。
一緒に演奏していたもう一人の人のカホンも触ったが、自分がその時聞いたのはまさに雅魚くんのカホンだということを知り、その音を求めていくつも楽器店をまわり、ずっと探していたのだが見つからなかった。そうこうしているうちに思い当たったのが、その音に感動した理由とは、赤ん坊が母親の胎内で聞く鼓動の音に似ている、なぜかリアルにその時の記憶が蘇ってくるようだったという。
そしてその音楽サークルに参加している、脳性麻痺で片手でしか演奏できないが、天才的なリズム感を持つ人にも叩かせてやりたい。その相談にも乗って欲しい。

とにかくSIGNカホンが欲しい、ということで、土曜日に在庫から数台持って大阪へ。

« Newer Posts - Older Posts »

このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをdel.icio.usに追加このエントリをLivedoor Clipに追加このエントリをYahoo!ブックマークに追加このエントリをFC2ブックマークに追加このエントリをNifty Clipに追加このエントリをPOOKMARK. Airlinesに追加このエントリをBuzzurl(バザール)に追加このエントリをChoixに追加このエントリをnewsingに追加