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SIGNのポリシー、オーダーメイド家具の魅力

あなたと、あなたをとりまく環境を
肖像画を描くように、一つの家具で 描き出す作業
それが、僕が考える オーダーメイド家具の製作です

古いものが新しくなる

今日もまた木工教室だった。
今日は長期で一枚板のテーブルを制作するというテーマで来られている生徒さんが、それとは別にキッチンのカウンター天板を一枚板で作りたいということで、番外編?だった。
古い民家から出たケヤキの古材を削り、平面を出していく。黒ずんだ表面を削っていくと、きれいなケヤキの赤身が現れた。
反ってねじれていた板材が、精度の高い平面と真新しい材のような表面に生まれ変わったので、この生徒さんも感動して驚かれていた。
「大工さんとは精度が違いますね」
はい、それが命取りになることもあります。

思ったより早く終わったので、その後バイクでSaltさんのリコーダー講座を見学しに行った。
ただ室生まで走りたかっただけかもしれないけど。その理由を吐き出したかったのかもしれないけど。

今日久しぶりにミニカホンを作る木工教室をやった。
カホン休止宣言をしてから、それもお休みのはずだったのだが、今回受講されたのは2年前の夏に問い合わせのあった方で、その時都合が悪くなってキャンセルされた方だったので、それは僕の中でやらなければいけないような気がして、開講することにしたのだ。
大阪で建築関係のお仕事をされている方で、受講するのはその方の息子さん、小学5年生だった。その子が以前行けなかったことを覚えていて、この夏行きたいと言い出さなければ、きっと大人の理屈では再挑戦はなかっただろう。
作業中の真剣なまなざし、普段体験することもない木屑や粉じんによる鼻炎に悩まされながらも、頑張って最後まで作り上げた。
完成した時の彼の嬉しそうな表情は、「いつもはもっとよく喋るんですよ」とお父さんが幾度となくフォローを入れるほど黙々と話を聞き作業をしていた彼の、その日一番の笑顔だった。
彼の作ったミニカホンは、お世辞ぬきでよくできていた。
いい時間だった。


自分の仕事の方向性を憂いで、カホンを作ることをやめたのだけれど、あの頃はあの頃で、たくさんいい出会いがあって、いい思い出もあったなあと、今日の木工教室で思い出していた。

脚は6本足


写真館ベンチの脚を作った。材はナラ。
ナラ材の硬さを信じて細い作り込みをしている。

今回のデザインはウィンザー調で、これはいずれSIGNの椅子の基本デザインにしていきたいと考えているもの。今までいくつかの家具で試してきたシンボルデザインは、実はオリジナルのウィンザーチェアを想定したものだったのだ。
今回第1案として提案したのはウィンザーベンチだった。それが採用になったのは、僕としてはありがたく、オリジナルチェアの礎になることは間違いない。
ひとつひとつ、確認しながら作業を進めていこう。

ウィンザーチェアの作り方は独特で、一番最初に脚を完成させる。次に座板、ストレッチャー(貫)の順番だ。背もたれがある場合は、それが一番最後の工程となる。
仮組みしては現物合わせで寸法と角度を出し、加工して組み立てるという、行きつ戻りつをしながら作業は進む。そこにこの椅子の長持ちする秘訣が隠されているんだと思う。

このデザインからすれば、このナラが硬いのはいいんだけど、旋盤作業では刃物がすぐ切れなくなり、一か所ごとに研がなくてはならなくて、旋盤を使い始めた頃なら一本三分くらいかかってたのが、今や数秒に上達した。
そのくらい作る腕も上がってくれればいいのにな。

製作日誌はこの記事の下にあります。

SIGNの写真茶話会15を開催します。
8月14日(土) ※都合により第一土曜日ではありません。
10:00〜15:00 表現講座 (定員7名)現在予約2名
午後から特別ゲストあり
※猛暑のため表現講座を午前から開始します。昼休み1時間です。食事は当日参加者でどうするか決めたいと思います。

写真茶話会ってなに?という方は「教室のご案内」をごらんください。

お問い合わせ、参加予約はメールにてお願いします。sign.norioyuasa@gmail.comまで。


フリーハンドのスケッチから図面をおこしていくと、スケッチでは気付かなかったことが色々見えてくる。
実際の寸法とバランス、構造と強度、接合法や加工法、工程の順序。
スケッチは、都合よく頭の中で変形されたイメージであること。しかしそれゆえに自由な発想が生まれるので、いきなり図面で数字と定規で引いた線に縛られるよりは、その段階を踏むことは大切な気がする。
そしてその落書きのような絵から、一本一本正確な線を引くごとに、その部分を頭の中で作り上げていくような感覚があり、数字や角度を書き込んでいく作業は、その作り上げたものを立体的に見るかのようだ。
最近CADを使ってデザインする人が増えてきたが、僕にはこれのほうが楽しくて、変える必要性を感じない。

紙に鉛筆で書いた線には、製作中、臨機応変に変更できる”あそび”みたいなものがあるような気がする。
それもいいところ。

それに向かって模索しよう

写真館ベンチのデザインは、最終的には第一案で行くことになった。
その判断の結果が、SIGNのオーダーメイドに対する参考意見と取るべきかは、今回のケースだけでは言い切れない。
しかし、僕が彼の想いに呼応して、最初にそうしたいと考えたことが、結果として選ばれたのだ。

その写真館は家族でやっておられる。
このベンチひとつの形を決めるのに、会議を開いて話し合ったそうだ。
色んな意見が出て、二つの案の支持も半々に分かれたらしい。そうやって決められたということも、僕は覚えておかなくてはならないと思う。
目の前に無いものについて考え、選ぶという作業も、あるいはオーダーメイド家具の価値なのかもしれない。
そういう機会を家族に持ってもらえるということも。

提案している僕ですら、その家具に出逢うのは完成した瞬間なんだから、作りはじめるまでのこの時間は、作ることより難しく、貴重であると感じなければならないと思う。

その差、スタイル

写真館ベンチのデザインをやっている。
現在第二案の検討中。

第一案は僕が作りたいもの、いずれSIGNの代表的デザインにしていきたいと思っているものを提案してみた。
お客さんに、僕の個性を出したものを、という言葉をいただいたので、そういう判断をしたのだが、どうも少し違ったようだ。
違う、と直接的に言われたのではなかったが、感触としてどこか違和感を感じた。だからすぐに、がらっと変えたデザインを考えて送ってみた。
それは僕の今まで通りのデザインのやり方で、その場所、用途、お客さんから得たキーワードをもとに、形を考えていくものだった。
そのデザインが気に入られるかどうかは分からないが、やり方としてどちらがいいのか、返事を待っている。

そもそも個性とは何か。僕はずっと自分の作風を確立したくて焦っているのに、そうではないのだろうか。
このオーダーメイドのスタイルが個性なのだろうか。でもそれは形やディテールとしての統一感にはならない。やはりデザインにこそ個性は認知されるのではないのだろうか。

最近とある美術系の出版社から作品を掲載しないかとの問い合わせがあった。
ぜひ、というがいったい僕の何を見てそう言うのか。
「作品一覧」とはしているものの、これらは本当は作品ではなく、それぞれ一人のお客さんのために作った家具なのだ。その評価はその人の中だけにあると思っている。
なのにどれを?
発表するべき作品は無いと、お断りした。


毎回デザインスケッチを何枚も描いていると、だんだんそれも上達してきた気がする。
初期に比べれば、という意味だけど。
師匠がそうしていたので、絶対に手描きで、最後はインクで描くようにしているんだけど、なんとなく絵が似てきたような気がする。
似せるつもりは全然ないのに。

思い出すまで走るか

今日カメラマンの松野さんが訪ねてきた。
朝「行ってもいいですか」とメールがあって、用件も聞かず、「いいですよ」と返信し、ついでに、「バイクで来られるならちょっと走りませんか」と書いたら、「この暑いのに、いいですね」と返ってきた。
松野さんとはバイク仲間でもある。

で、本来の用件とは、あのカメラを買ったというので見せに来られたのだった。僕も憧れていたカメラではあったが、高すぎて手が出なかった。しかしあんなもの持ったらまた写真熱が高まりそうなので、それはもう自爆装置でしかないので、ただただ羨むだけに停めておこう。
あああ、いいなあ。

うどんを食いに行った後、久しぶりに二人で走った。
僕が大学時代よく走った峠道。
あのころはどんな道も走るのが楽しかった。
今は体が忘れかけていて、なんかさびしい。バイクは格段に良くなったけれど。あのころの憧れのバイクに乗っているのだけれど。

作品一覧/勉強部屋オフィス カテゴリーに、「ゲストハウスのミーティング用テーブル」をアップしました。

パッションという名の果物


松川町だった。
ベンチの注文をいただいた写真館は、長野県飯田市と伊那市との間にある町にあった。
中央アルプスと南アルプスに挟まれた、天竜川の流れる谷あいの地形。打ち合わせの後、それを見下ろす小高い山に案内された。

やっぱり、現地へ打ち合わせに行ってよかった。
もし行かなかったら、そのベンチは予算に合わせた当たり障りないものになっていただろう。
その三代続いた写真館の若い跡取りの、その土地に向ける想いに感じ、その若奥さんの言葉に奮起したい。

兄弟子マコっちゃんの新居経由の連休渋滞300kmを走り抜け、持ち帰ったものは、僕の道を示す地図でもあった。

報酬はどこから

ミーティング用テーブルを納品してきた。
その内容はまた、作品リストの方で詳しく話すことにしようと思う。

ただ今日感じたことを書いておきたくて。

ここ数日ホームページの調子が悪くて、これを作ってくれた人に助けを求めた。その人は今東京でサイト構築やコンサルティング、SEOのプロフェッショナルとして活動されている。その人とのやり取りの中で、今僕がやっているフルオーダーの家具製作について、今後見直すべきという話が出た。
それは僕も今まで何度も悩んできたこと。
非効率的、プライシングの難しさ、ホームページによる伝達の難しさ、経済的困窮。
それを打開する策は僕も考えてはいるが、なかなか行動に移せず、また成功するかどうかもわからない。負けたら終わりのギャンブルだから。

だけど、今日の納品で、いや、毎回思うことなのかもしれないけど、やってよかった、と感じた。なんかよかった。
オーダーメイドって、この手応えがあるからやっていけるんだ。
いったい何に対して仕事してるのかわからなくなるけど、それでいいんだと。

人と出会い、ときに踏み入り、その人の家族にまで感情移入し。家具作ってるだけなのにそんな仕事ってあるだろうか。
なんだ金って、あとは神様に請求書回しときますっていうシステムはないのだろうか。

長距離もなんのその

今度の連休は仕事も兼ねたぶらり旅行をする予定。
ちょうど梅雨明けで、バイクで行こうと思っていたが、わけあって車で行くことにした。

18日に、草津に引っ越した兄弟子のマコっちゃんとこへ、その新しい工場と新築の家を見に。
それを建てたのが、大工の友人中島君で、中島君はうちの工場も建ててくれた大工さん。
彼が言うには今できることをすべてやった自信作らしいから、その仕事を見るのも楽しみだ。
その中島君の解説付きでないと面白くないよなあ、あいつ来るのかな。

で、その足で長野県茅野市の餃子温泉へ行き、のんびりした後、19か20どちらかまだ未定だが、飯田市の写真館へベンチの打ち合わせ。

それで時間一杯だけど通り道なので、ひょっとしたら桑名、、、まではよくばり過ぎかなあ。
そっちも詰めたい話だけど、やっぱりついではいかん。出直そう、それこそバイクで行くか。

納品日が7月17日(土)になりましたので、それまでの間ごらんいただけます。

外出していることがありますので、お越しになる際は電話かメールにてご連絡下さい。

ミーティング用テーブル塗装初日
ミーティング用テーブルに一回目のオイルワックスを塗った。
プランの段階では着色もする予定だったが、予想以上にこのタモ材が良質で色も良く、依頼者に了解を得てナチュラルでいくことにした。ほんとにきれい。これぞタモという感じ。
旋盤加工した脚は、またクスノキを使った。柔らかく均質な材質が旋盤向きだと前回気付かされたから。といってもストックしてある端材は残り少なく、さらに追加で、写真にある短い脚も作ったので、このような使い方はこれが最後だろう。非常に贅沢だ。
むせるような揮発性の油を含むクスノキ。そのにおいに酔いそうだった。工場に入ってこようとする虫が何度か挑戦しては、断念して出ていった。

この2種類の長さの脚がポイント。用途に応じ、付け替えることで高さが調節できる。
当初収納性を考えたミーティング用のテーブルとしてのご注文だったが、せっかく作ってもらうのにもったいないとのことで、普段は母屋での座卓として、それも現在使用中のものと高さを同じにし、延長して広く使えるようにということだった。
いずれにしても使わない時は脚を外してしまっておける。
なんだかとても商品価値のあるアイデアだなあ。さすが社長。依頼者はとある会社を経営されている方だった。

ミーティング用テーブルと旋盤
天板が仕上がり、今回SIGNではめずらしい脚の取り付け方をするので、裏にちょっとした細工を施した。
その取り付け方とは、旋盤で加工した脚を、ボルトで天板にネジ込むという、既製品ではよくあるタイプのやり方だ。
幕板がないので不安な気もするが、子どもの頃、こたつの上で飛び跳ねたり踊ったりしても、あのひ弱な細い脚はなんともなかったので、意外と強度はあるのかもしれない。
もちろん、今回の脚はあれよりもっと太い。

この脚が外せるというところがこのテーブルのミソで、その話はまたいずれ。
数ある折り畳みやノックダウンのテーブルのデザインの中では、このタイプが一番操作が単純で、かつコンパクトに収納できるということ。またこの上なくシンプルなデザインには自由度があって、なにかしら可能性を感じる。
今回もそのシンプルな構造の中に、いくつか機能を盛り込んでみた。

そしてもちろん、脚のデザインにはSIGNのシンボルデザインを採用している。

ミーティングテーブル天板を削る
職業訓練校に行っていた時、木工科の仲間と一緒におそろいの鉋を買った。有名な鍛冶屋さんの別注もので、普通に買うとすごく高いものを、みんなで買うからと安くしてもらったのだ。
僕はその時調子に乗って寸六と寸八の二丁を買った。今考えると、それでも相当高い代物だったが、あの頃はプロの世界も仕事も何も知らなかったので、本職なんだからいいもの持たなくてはと、妙に気合いが入っていたのかもしれない。
しかし、買ってすぐのその鉋は全然切れず、調整も難しくて泣きそうになっていた。なにしろ、ひと月5,000円生活からやっと抜け出しかけたころの買い物だったから。

その鉋が最近すごく良く切れるようになってきた。何度か挑戦して台の調整が良くなってきたのか、刃の鉄の成分の関係か、研ぎの腕が上がったのか、ああそれはないね。
でもなんだか知らないけど良く切れる。もう切れて切れて切れまくり。どんなに薄くても食い付いてる抵抗を感じるし、研いですぐは逆目なんかぜんぜん怖くない。
それがこいつの実力なのだろうか。

ミーティング用テーブルの天板を鉋がけしながら、ずっと鉋を使うような仕事が入ってくるようにと願っていた。

積み木パズルを作る木工教室は、無事終わった。
実施までにいろいろあったけど、まず成功だったと言えるだろう。
幅広い年齢層への対応もできるかぎりやったつもり。みんな楽しそうだった。
やっぱりあのパズルはすごい。あれのおかげだなあ、それにつきるかも。あのパズルを教えてくれた小学校の先生に感謝。

やっぱり一番反応が良かったのは小学生だったけど、60代以上の方も夢中で図面を見ながら組み立てていたり、すごく丁寧に取組む人がいたり、また出来上がったパズルで一緒になって遊んでいたりと、微笑ましいシーンも見られた。
また、自由に作っていいコーナーを設けたところ、なかなかの大作も生まれたり。

当日準備1時間、授業2時間という慌ただしさも、一気に出来上がるスピード感があって面白いのかも。
これならまたやってもいいな。(でも小さな声で)

天板はタモ3枚はぎ

ミーティングテーブル板はぎ
これが積み木と同材のかたわれ(?)。見ての通りそこそこ立派なタモなのだ。
天板の半端を刻んだとは言え、やっぱりもったいなかったかな、うーん。
いや、きっとすばらしい積み木になるはずだ。そっちのほうは図面も書いて準備万端。みなさんに楽しんでもらえるようにがんばろう。

今日は部材すべての木取りと、この天板はぎまでして作業を終えた。余裕のある時はやっぱり接着してからじゅうぶん置きたい。今まで外れたことはないけど、時間をかけて悪いことはない。
今回のテーブルはとてもシンプルなだけに、部材の数は少ない。この天板プラス脚4本、くらいの単純さなのだ。
それだけに、仕上げに手間をかけたいと思っている。
そこのあなた!「じゃあ手間をかけなくてもいいじゃないか」という突っ込みはしないように。

帽子、お忘れですよ

ミーティング用テーブルのデザインは依頼者の承諾を得ることができ、今週から取りかかることになりそうだ。
シンプルながら機能性を考えたデザインとなった。これに少し依頼者の人柄もプラスしていきたい。

この方は聖書の伝道活動をされている方で、僕がクリスチャンの友人の家具について頭を悩ませているときに出逢った。以来ほぼ毎週、SIGNに訪ねて来てくださるようになった。
デザインのために聖書を調べなければならなかった僕にとっては、不躾な質問にもとてもまじめに答えてくれたり、分からないことがあれば調べて資料を探してきてくださることがありがたかった。
信仰を持つ、持たないに関わらず、聖書を開こうとする人に対して驚くほど誠実なのだ。

多分今の僕では、この方の信仰には近付けないだろうと思う。そういうことを言うとがっかりされるだろうか。
しかし、それを越えて、この方の人柄に触れることは、僕は家具を作るということで可能だと思う。
クリスチャンの友人の家具が中断してから、ほとんど聖書の話はしなくなった。世間話やお互いの仕事の話なんかをして、コーヒーを飲んで。その話の中でテーブルを作って欲しいということになった。
この方にとっても、SIGNは伝道活動中の休憩所みたいになってたのかも。僕は自分が作る家具について熱く語ったりはしたけれど、営業するつもりはなかったけれど。
とにかく、これを仕上げることが、なにかしら友人の家具へのステップであるような気がしている。

午後からは積み木の続き。かなり精度の高い立方体を、結局900個作った。

810個の立方体

積み木パズル製作中
同時進行であれをやったりこれをやったり。
ミーティング用テーブルのデザインを考えて、図面を書いて、材積計算してたらちょっと半端な感じになるのでどうしようかと思案してたら、例の市の木工教室の材料と同材なので、一緒に木取りをすることにした。
木工教室は日曜だが、早めに準備しておくのもいいだろう。

さて、その木工教室のメニューとは、以前知り合いの小学校の先生から依頼のあった積み木パズルを作ることにした。
道具を使った作業ができないため、切ることも、釘を打つことも、穴を開けることもできない。
そして、子どもからお年寄りまで30人という参加者に一人で対応しなければならないという、まったくこちらのことを理解していないオファーにどう応えるか。
ということで思いついたメニューだった。
小さな立方体の積み木27個を、図面を見ながら7種類の形に接着剤で貼付け、サンドペーパーで磨いて塗装してもらう。
完成したパズルそのものが空間認識を養う知育玩具であるのはもちろん、それを図面を見て貼りあわせることも、そのトレーニングになる。それは僕が仕事で図面を書き、それにしたがって家具を構築していく作業の体験版にもなっているという目論み。
しかし、小学生以下の子どもたちには難しいかもしれないので、そういう場合は好きなものを作ってもらうか、貼付けずにそのまま磨いて色を塗るだけでもいいかなと思っている。立方体の積み木は意外と面白いので。
また逆に年配の方にも、パズルなんていらないとか言う人もいるかもしれない。そういう対策として、花台とかペン立てみたいな日用品の図面も用意しておこうかと思う。
さてさてどうなることやら。
主催者が蓮花ちゃんを呼ぶ段取りをつけたと、連絡があった。はあ、いったい何用で?

明日はミーティング用テーブルの図面を、依頼者にプレゼンする。

製作日誌はこの記事の下にあります。

SIGNの写真茶話会14を開催します。
7月10日(土) ※都合により第一土曜日ではありません。
10:00〜12:00 基礎講座 (定員7名)
13:00〜17:00 表現講座 (定員7名)現在予約5名

写真茶話会ってなに?という方は「教室のご案内」をごらんください。
今回の内容は、Yuasa Brand Milkでも発表しています。
お問い合わせ、参加予約はメールにてお願いします。sign.norioyuasa@gmail.comまで。

今日、新しい仕事がふたつスタートした。
ひとつはとあるお宅のゲストハウスのミーティング用テーブル。これはちょっと面白い、いや意外ないきさつの仕事で、それについてはおいおい。
もうひとつは、僕が住んでいる奈良県葛城市からの依頼で、生涯学習講座の講師として木工教室をすることになった。参加費1,000円で揃えてもらえる道具は一切なしという過酷な条件で何ができるのか。
しかも、参加者約30名で、下は3歳から70歳を超える方まで。
一応プランはすでに考えてあるが、これの内容もまたおいおいお話ししようと思う。

いろいろスタートさせるのはいいけれど、クリスチャンの友人の家具は中断したままだし、長野の写真館のベンチは打ち合わせに行かねばならず(バイクで!)、今週土曜日はプロップスフェスティバルの第一回企画者会議だし、テーブル天板を作る木工教室は月末から。複数同時進行は昔から一番苦手なのに、なぜかいつもこういう状況で、どうも仕組まれてる気がする。
あ、もうひとつあった、7月の写真茶話会は10日だった。

偶然できた形を埋めるため

段差スロープ
こんな仕事もやってます。

オープンシェルフを納めた美容室から、追加のご注文。
この美容室には車椅子で来られるお客さんがいて、そのためお店のファサードはスロープになっている。
バリアフリーを考えて設計をされたようだったが、お店の前の歩道とそのスロープの間に40ミリから30ミリの段差があった。
健常者にとってはなんのことはない段差が、車椅子を使用する人には大きな障害物になる。
そこに木で段差を解消する敷居のようなものができないかと相談を受けた。

屋外で使用するものだったので、耐候性の高い材を使うことも考えたが、シェルフに使ったナラ材を使って、ある試みを思い付いた。それが適切であったかは僕の経験上わからない。詳しい人が見たら見当はずれなのかもしれない。海外では無塗装のオーク材の椅子が屋外用として使われているという話を聞いたことがあったような気がして。
シェルフと同じ材を使ったのはもちろん、あの家具の延長であるという意味がある。
お店の一番奥にいる彼女から、入り口に向かうお客さんを導く指先、なのだ。
使った塗料は屋外用の浸透性の高い防腐剤入りのオイルで、シェルフと同系色の顔料入りにした。地面に置くものだからいずれ色は変わっていくだろうけど。

で、その試みとは。
シェルフの納品の際、この美容師さんに髪を切ってもらい、後日そこのお客さんの屋久杉のローテーブルを納品しに行った時に、その美容師さんから髪の毛を染める染料をいただいた。それは「ヘナ」という天然素材の染料で、自分でやってみたらと、最近白髪が増えてきた僕のために調合してくれたものだった。
その髪を染める手順にヒントをもらい、今回このナラ材の塗装法を思い付いた。
染料を髪の毛にすりこみ、頭にラップを巻いて指定の時間待つ。それと同じように木に塗料をたっぷり目に塗ってビニールシートにくるんで浸透させる、いわゆるドブ漬け塗装だ。
塗料が浸透しにくいナラ材に対し、どれくらい効果があるか分からないけど、屋外で使用することもあり、表面に塗るだけよりはいいはず。

上から見ると長い四角形、断面は一見三角形、しかし建物と歩道との取合いは意外と複雑な形だった。

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