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SIGNのポリシー、オーダーメイド家具の魅力

あなたと、あなたをとりまく環境を
肖像画を描くように、一つの家具で 描き出す作業
それが、僕が考える オーダーメイド家具の製作です


カウンターテーブルの天板のはぎ合わせをした。高さはダイニングテーブルくらいだが、お店のレイアウトに合わせてL字型の天板だ。
今日の作業はその平面を出すところまで。
お客さんのご希望で材はメイプルにしたのでこの状態でかなり重い。これから天板にはいろいろ加工を施していくのだけど、劇的な軽量化と言うほどでもないので多分完成もこれくらいになるだろう。

ついに工場の向かいの田んぼも本格的に工事が始まった。隣はもう終盤ではあるがまだ重機は活躍中。土日も仕事している。
自分のことを棚に上げるようだが、朝から晩までかなりうるさい。
インスタントコーヒー詰め合わせと食器洗剤で黙らされた隣接する家には、ほかに物静かな老夫婦が住んでいる。これじゃあ引っ越してきた時にはストレス満タンファイティングポーズ、近所付き合いもうまくいくはずがない。
村のど真ん中を開発する不動産屋も考えものだ。
その引っ越してくる連中に僕らはまだ会ったことがない。


こまぎれづくりでとっちらかっていた工場を片付け、写真館のカウンターテーブルの材料を準備した。
今SIGNの周りはにぎやかだ。来年この工場の周りに7軒の家が建つ。そのための宅地造成でひっきりなしにダンプが行き来しパワーショベルが唸っている。
田んぼと山に囲まれた、作業するにはすごくいい環境だったのに、田んぼが次々と売りに出されあっという間に売れてしまった。
来年からは山に囲まれた住宅密集地となってしまう。
身軽な人はそれに合わせた商売をすぐに計画するんだろうけど、僕はそんなに器用ではない。

工事の音にまぎれて、いつもなら気を使うプレナーの音も気にならずに作業ができた。

まかせとけじゃなく

今日は小学校での木工教室だった。しかし、授業の出来としては失敗だった。
去年同じ学校でさせてもらった時より、できあがった作品は質も量も低かった。
完全に今年の子どもたちに授業の内容が合わせられていなかったのだ。反省しきり。落ち込んだ。
子どもたちの気質、クラスの雰囲気を掴んでいる担任の先生にはかなわないとはいえ、スポットで教えて成果を出さなくてはならないゲスト講師はそれさえも瞬間的に感じ取る必要があると思う。
ああもう一回やりたい。授業にやりなおしはきかない、ライブだということ。だからこそ事前の計画が重要なのに、それがはずれては話にならない。

帰りに校長先生とお話をした。
「外部の方から見て学校教育に対し何かご意見はありませんか」え、こんな僕みたいなものに聞くんですか。
隣にいたSaltさんの顔色をうかがいつつ、そんなことを申し上げるような立場ではありませんと言葉を濁した。
先生には誰よりもいい授業をしたいという野心を持ってほしいと思います。
そして僕は今回反省しなければならないと思います。ああ。

SIGNの写真茶話会37を開催します。
今年最後の茶話会は平日になりました。午前はカメラ茶話会となっておりますが、希望者が多い場合表現講座に変更するかもしれません。

12月26日(水)

11:00〜12:00 カメラ茶話会(参加費無料)
13:00〜17:00 表現講座(参加費2,000円、定員7名)

表現講座はその回のテーマに沿った講義と合評による個人の作品指導です。普段撮影された写真をプリントでお持ちください。どんな写真でも何枚でもかまいません。
作品を作ることに技術のレベルは問いません。写真茶話会は誰でもいつからでも参加していただけます。
普段撮影しておられる何気ない写真から、素晴らしい作品が生まれることがあります。
その瞬間に立ち会ってみませんか。

参加を希望する方はメールにてお申し込みください。
sign@norioyuasa.com
SIGNの写真茶話会は1回ごとの参加申し込みによるものです。続けて来られても1回のみでも楽しんでいただける内容となっています。
詳しくは「教室のご案内」を御覧ください。

足りるかな


教材を作るために昨日は一日費やした。
まず大学の授業で使う材料、その大学で初めて教えた学生が卒業制作で使う材料、そして来週行う予定の小学校での木工教室の材料。
いろいろな使い方ができるもんだ、木工機械。そして僕も。

作業をしながら一昨日その小学校の先生と打ち合わせしたことを思い出していた。
その授業の内容はそもそも近くの保育所で4、5歳児に実施するために考えた木工体験だった。
刃物を使わず、教室も汚さず、幼児の自由な感性で造形させるのがねらいであって、それをそのまま小学5年生にしていいものか。いやいいのかというより「もったいない」。
木工おじさん登場で木工体験楽しかったね。十分かもしれない。
担任の先生のお話も、それ以上は求めないですよ、という気遣いにも受け取れた。でも逆に要望がないということは何をしてもいいのかな。

きっとたった一回の授業では顔も名前も覚えられない、僕のことも彼等はすぐ忘れてしまうだろう。でも何か残したい。
先生っていう仕事はそんな個人的な欲求に支えられているのかもしれない。

どんな仕事がしたいですか


昨日、田原本の写真館へ最終の打ち合わせに呼ばれて行った。話はほぼ確認だけで、追加でその後作りたいものなどをお聞きした。
打ち合わせと称してお茶とお菓子と雑談で長居してしまい、いったい何をしに行っているのやら。でもこういったお客さんとの関係こそが今までSIGNを支えてきたものであり、数あるオーダーメイド家具屋の中でSIGNを選んでくださる理由にもなっている。
言葉にも数字にも言い直しがたいそんなことは価値として宣伝しにくく、出会いとお客さんの直感的な理解に頼るしかなくて、僕という存在を通り越してただ物が欲しいだけの人にはめんどくさいだけで、それならこちらもただ物を作って売るだけでオーダーメイドなんて辞めようかとも何度も考えたけれど、結局またこうして出会ったお客さんとの関係を生み出し続けている。その仕事の間だけの限定された関係ではあるけれど。
まるで出会わなくてはいけない人との出会いを探し求めるように。
なんだそれは、商売じゃないじゃないか。

そして今日はそんな商売じゃないSIGNの仕事のひとつ(一応宣伝はしているんだけど)、出張木工教室の打ち合わせにも行ってきた。
去年木工教室をさせていただいた、「教室のご案内」でも紹介している小学校からまた今年も依頼がきたのだ。
5年生の2クラスで授業をすることになった。さてどんな授業をしようかな。
5年生の担任の先生は去年とは別の方で、話を聞いて多分同じ内容でとお考えなんだろうけど、授業オタクとしては素材やスタイルは同じでもコンセプトに変化を付けて結果を変えてみたいという、自己満足とも言われかねない欲求が。
たった一日でも、それもたったひとつの授業であっても小学校の先生ができるチャンスは家具屋にとっては稀なことだ。
担任の先生が子どもたちとずっと一緒にいて関係を築き、導いてこられたご苦労があることは分かっている。それに比べれば瞬きするほどの短時間であり、無責任な関係でもある。でもそれだけにその役割もあるんだと思う。
瞬間的に輝いて消えても余韻を残すような花火を、またあの小学校で打ち上げてこようと思う。

よし、材料の準備だ、と端材を掘り起こしてみたら意外と少なかった。わ、これ作り足さなきゃ。授業来週だぞ、おい。


12月になっちゃったよ。
初めてのことだけど、自分のためにもお客さんのためにも、決意とともに11月はなかったことにしようと思う。


午後から室生まで走り、Saltさんと針テラス往復+室生寺のプチツーリングをした。
少し遅めの昼食の後、駐車場に戻ると隣にあこがれのナナハンが3台停まっていた。この3台はグループだった。
この取り合わせはなかなか渋い。空冷四発でも一番新しいのが80年代で終わってるところがいい。CBXのマニアックさにほかの2台が普通に見えるから不思議というか贅沢というか。オーナーは確信犯だな、一番安いのに。
でもこれツアラーとしても使えるし、いいなあ。
そのとなりのFはこないだ例のバイク屋さんにあったFCだった。売れたんだなあ。ああ偶然。


図面を書きながら昨日今日と来客があった。このところ多いなそういうの。

昨日は近くの瓦屋さんが朝から来て薪と土地の話と仕事の話をちょっと。「先生の話どうなった?」なんて意外なところから聞かれて驚いた。
「別に用はないんやけどな」煙突から煙が出てたので立ち寄ったらしい。
瓦屋さんが帰ったら入れ替わりにクリスチャンの靴下屋さんが奥さんと来られ、昼過ぎまでお話。
瓦屋さんと靴下屋さん、どちらも社長。

そして今日は全国展開している写真スタジオの社長が来られた。子ども用の二段ベッドのご注文だった。
市販のものではないSIGNのオリジナルデザインのものが欲しいという。
一応サイズや必要な機能的なことをお聞きし、その後話はなぜか家具以外のもっと深いところへと。これも男話か。
この社長とは知り合って10年近くになる。年齢が同じでありながら全く違う世界で生きてきた気がする。今もそうだと思う。写真という共通項があるとは言え、それに関する考え方は違っている。しかし、彼が生きているステージからしか語れない様々なものの見方が僕にとっては新鮮で、面白かった。
仕事に対する彼のような考え方は確かに僕には欠けていて、今それは必要なことのようにも思え、彼の仕事に対する根本的な原則のようなものが僕にとっては何なのかと考えさせられる。
彼の立場を羨む人は多いだろう。だけど彼は、「僕が羨むような人になってくれ」と僕に言った。
それはハードル高すぎまっせ。お金以外でってことやな。


最近は朝寒くて、工場に入るとまず薪ストーブに火を入れる。
ストーブが暖まるまでは屋根の上の煙突から白い煙がもくもくと立ち上る。
二上山という山の麓に工場があるので、煙が上がると狼煙のように、10km先からでも見えるのか、それを合図に人が集まってくるのかも、なんて考えてみたり。

知ってますこのかんじ

昨日の授業に引き続き今日も大学へ、学生の卒業制作の手伝いに。
手伝いといってもちゃんとギャラはもらってるので仕事と言えるのか。朝から材料の買い出しであちこちホームセンターをまわり、工場に帰って木材をカットし、大学へ搬入して電動工具などの作業の指導と加工のお手伝い。
で、丸一日つぶれてしまったわけだけど、これがぜんぜん苦痛ではなかった。むしろ、授業のない日に学校にいることが気持ち良くて、作業の合間に学食で昼飯を食べたり、僕の授業を選択している学生と出くわして「おうっ」みたいなことや、教室で一緒に作業していた知らない学生にまで先生と呼ばれたり。
錯覚してその気になっちゃうよな。あーあ。
明日からちゃんと本業に戻ろう。

役者のいない舞台セット


新開地にある神戸アートビレッジセンターへ「ハジメテンプル」を見に行ってきた。
空間だけを楽しむより、そこで何かをすることによってアートになるということだと思う。
手作り感に溢れた展示(かざりつけ?)には深読みすればいくらでも語れるのだろうけど、そのアイデアがごく狭い周波数を感知できる人にのみ発せられているような気がする。
彼等が既に招待されるほどの知名度を持ち期待されるのであれば、それに応えようとすることも伝わるようにしなければならないと思う。
一番の労力があの場所に畳を敷くことと座布団を並べることであったなら、それでいいのでは。

もしこれから行こうと思う方がいたなら、12/2の彼等が集まるイベントに行かれた方がいいと思う。
彼等がいないあの空間はほぼ未完成だから。

西光の新しい写真集が売ってたので買って帰った。
あまりの切れ味の悪さに気持ち悪くなった。

今日行って一番ツボにハマったのがこれ。
電源をつなぐだけでずっとお経が流れるおもちゃ。

おまえけっぱれ


いろいろと邪魔(失礼)が入りなかなか進まないカントリー本棚。それらを引き寄せているのも自分なのかとも思う。
いっそ図面を書かずに作り始めればよかったと思ったりするが、あまり使わないパイン材を多めに取ることも無駄に感じ、材積を知るためにもその後の作業のスピードを考えても図面はあった方がよくて。
しかし一週間の間に仕事ができたのが時間にして通算一日もないなんて、この仕事を主に考えるとちょっとおかしいね。

明日あさっては写真モード。
この気持ちにふたをして切り替えていかねば。

SIGNの写真茶話会36「秩序」

SIGNの写真茶話会36を開催します。
ぎりぎりの告知になってしまいすみません。

11月23日(金・祝)
10:00〜12:00 表現講座
13:00〜17:00 表現講座

参加者からの希望があり、今回午前も表現講座の合評を行います。

写真茶話会について詳しくはこちらを御覧下さい。「教室のご案内」

行動パターン


今週はおどろくほど仕事が進まない週だったな。こんなこともある。こんなことばっかりか。
今いくつか同時進行中の仕事の中でも一番にやらなければならないことは明らかなのに、いや、それが進んでいないだけでそれ以外のことが話を進めようとし、また新たなことが舞い込み、そしてそれらを強引に中断させるようなことも起こり。
でもだからといって気持ちが追いつめられるようなこともなく、楽しい一週間だった。

大学ではそこで初めて教えた学生が今4回生になっていて、その卒業作品制作に協力することになった。相談されたそれは家具ではあるけれど、まあ学生作品だけにとんでもないもので、どこまでできるか分からないけどがんばれよって感じ。

遅れているプランニング中の仕事の依頼者が、まさにその図面を書こうという時にふらっと訪ねてこられた。ちょっと焦ったけど用件は料金についてだった。
この夏から価格の算出法を実費計算にしていて、それはオリジナル作品を安く提供するための工夫ではあったのだが、これからはオーダーメイドにも適用していこうと考えたのだ。メールでの説明が不十分で直接聞きに来られたというわけ。

でその翌日も図面を書いていたら、この葛城市に来てからお世話になっている方から、その方の娘さんの結婚祝いにウェルカムボードを自作したいので手伝ってほしいという相談を受けた。今週中ということだったので金曜日にと約束し、帰られるのと入れ替わりに久しぶりにCRAFTの堤さんが訪ねてきた。
さてそこから4時間みっちり男話。というか説教というか。ああしろこうしろという話にはいちいち的を射ているのだけど、ああやっぱりそうしなきゃなと納得しつつも。
ひっさしぶりで楽しかったんだけど気がつけば夕方で結局何もできず。

カウンターテーブルの注文をいただいている写真館からお呼びがあり、使用する材の打ち合わせに行ってきた。
結局最初の話どおりメイプルでいきますということになった。変更なし。
ついでといってはなんだけど、デザインについても話を進め、ほぼ決定。
この写真館に行くとつい話がいろいろになってしまい、なんだか親戚の家にお邪魔しているみたいな雰囲気で、このご夫婦の人柄を感じる。息子さんの話にいたっては、まるで自分の甥っ子のことのように聞こえたり。

そして今日はウェルカムボードを、結婚される娘さんの妹さんと一緒に作った。ご希望のデザインは決まっていて、僕はそれがちゃんとできるようにサポートしただけだった。
丸一日かかり、そのできばえには満足されたようだった。一生懸命作っている姿もいっしょにプレゼントしたい。いっぱいの愛を込めて。

オタクには地位はない

今日は大学で授業だった。課題であるハイスツールのデザインを考える授業で、今までの加工技術の基礎練習とは違い学生と話をする距離が近い。
2週に渡ってデザインの時間を取っていて、前半は講義をしスケッチをさせた。
講義は「秩序とデザイン」について。講義とはいえただ話を聞くだけではなく参加型のディスカッション形式で、それぞれ思い思いに「秩序」について語らせた後、それらの返答をもとに僕が「デザインとは人が作る秩序」であると定義していく。そんなライブ感のある授業が好きだ。
僕は非常勤なのでほかの先生がどんな授業をしているのかは知らない。デザイン論に関しては教授クラスの先生が担当されているはずで、僕のようなものが出しゃばることは許されないことかもしれない。それが学校というものだと思う。
技術指導を目的とした実習の授業で講義の時間をいただけるのも、担当の先生のご好意だと思う。
だけど、僕は僕の授業の時間内でしか彼等を知らないことをいいことに、彼等と担当の先生しか僕のことに興味がないことをいいことに、僕自身の楽しみも織り交ぜさせていただいているのだ。授業オタクなもんで。
しかしきっとその効果が彼等のデザインに影響を及ぼすという確信があってしているのもたしか。
彼等が描いたスケッチにはひな形の原型がわからないくらいアレンジを加えているものが多かった。
しめしめと心の中でにやりと笑いつつ表面ではクールに、後半はそれを図面に起こしながら構造を考えていくのを指導した。指導しているていでものすごく距離を縮めてみる。
講義のねらいは自由な発想でありながら構造的にも理にかなっているデザインをさせるため。逆にいえば実用に耐えうる性能を持ちながら「わたしのための」オリジナルデザインを誘発させるため。
思惑どおり最後の合評には多種多様なスツールが並びそうだ。
実はこの授業に文句をつけた先生がいたらしく、そのポイントを補うための工夫から始まった今回の課題ではあったが、そんな予想を軽く超えてしまうかもしれない。
これからの技術指導もしっかりやらねば。

Fに憧れた世代

今日昼休みのあと、ちょっと2時間ほどさぼってバイク屋へ。オイル交換をしに行った。
半年でちょうど3,000kmといういいタイミングで、夏用オイルから冬用オイルへ交換だ。
自分でやってもよかったんだけど、そのバイク屋さんが体調を崩していると聞いていて、ちょっと気になっていたから。相談したいこともあったし。
でも行ってみてまずは元気そうだったので安心した。いつものマシンガントークも健在だった。
このまま何もなかったように完治してくれたらいいのに。

今日行って不思議だったのが、僕が相談しようと思ってたことと、そのバイク屋さんが今計画を進めていることが偶然合致していたこと。
僕にとっては半分以上夢のような話だったのだが、バイク屋さんにとっては現実的にスタート直前まで準備ができている話だった。
30年も前のバイクをいい状態で手に入れられてなおかつ継続的に整備してくれる専門ショップ。それはその機種を乗り手も店も心底愛していなければ成り立たないけれど、ある意味その道で生き残る術でもある。
そのバイクのことを語るバイク屋さんがすごく楽しそうで、ちょっとうれしくなった。いろんなバイクを取り扱い、ブームの頃は外車もばんばんさばいていたけど、今は隙間を縫うような仕事をしなければやっていけないバイク業界。そこで自分のバイクの原点ともいえる大好きな1台のバイクに立ち戻ろうというのだ。
そんなの楽しいに決まってる。だから絶対に実現させてほしい。
僕もその一台を買うから、そのためにがんばるから、何事もなかったように生きて。

ブビンガ天板のメイプル脚


ブビンガ天板のローテーブルができた。
脚部はメイプルでいたってシンプルに、できるだけコーナーに脚を配置。塗装したブビンガの濃い赤茶色とのコントラストがメイプルの白さを強調している。
こんな材の混用はまずないだろうな。今回出品するミニテーブルシリーズ、くらげのコーヒーテーブルを含めた4点ともカクテル素材の作品ばかり。コストを押さえるためにありあわせで作っているから仕方ないのだけど、それを安物と思うか面白いと思われるか。こちらとしては一応それぞれ配置を考えて使用したつもりだが、さて評価はどうか。


塗装が終わったのが4時くらいだったので、いつものコースを走りに行った。ワインディングに入るまでのバイパスを北上しながら慣らしがてら加速を楽しんでいると、一台のバイクが低速で流していた。間にトラックが一台いたのだが、僕が接近するのを察知してかすっと路肩へ寄ってトラックを先に行かせた。その時珍しく僕は昼間からライトを点灯していたのだった。
コースに入る交差点まで大人しく前のトラックについて行きながらそのバイクを追い抜いた。なんとなくついてきているような気配はあったが、大阪へ向かう本線からは外れるのできっとそのバイクは直進するだろうと思っていた。
交差点で左折レーンに入り、ちょうど信号が青に変わったのでそのままシケインに加速しながら進入、出口で全開フル加速すると、遠ざかって行くはずだった後ろのバイクのエギゾーストノートが遠くならない。ついてきてる?弾けるようなマルチのサウンドが僕の加速にあわせてスロットルを開けたのがわかった。よく聞こえる。自分のバイクが静かだということを改めて感じた。
しかしこんなの何年ぶり、っていうか記憶では10代でしょ、うはっ。
ていってもおじさんなんだから限界超えない程度に快調に飛ばしながら、ついてきている後ろの音との距離を感じていた。こんなおっそいバイクなんかもっと煽られるのかと思っていたら結構ジェントルなやつだな。
ひとしきり走って信号で止まり、後ろを振り返ってちょっと会釈すると、シールドの奥でにこにこしながら彼は僕の横に並んできた。
「はやいっすね、それなんシーシーですか?」
「400やねん。」SRXだから600だと思ったのか。残念ながら。彼のバイクを見ると、お!GSRか渋いチョイス、今時の走り屋さんやね。同じ400でも馬力は60psを超える。
「これからどっか行くんじゃなかったの?」
「いやてきとーにふらふら走ってるだけなんです。」
「おんなじやね。」
「そう、同じにおいがしたのでついてきちゃいました。」
その後彼を先に行かせてぐるっと一周し、彼を追い抜いた手前で僕は家に向かい、彼はまた大阪方面へ走って行った。
うーん、マルチもええなあ。若いなあ。


急きょ参加することになったアーキコープのイベント二日間が終わり、くらげスツールがつないでくれた新たな出会いの余韻を感じつつ月曜は大学の授業へ。
プロップスフェスまでもう間がないという時に慌ただしくいろんなことが起こる。製作にかけられる時間はあと三日間となった。
今回予定している特価ミニテーブルシリーズの三つ目は、ブビンガ天板のローテーブル。750×300という大きさながら、さすがに重い。じっくり考えている時間がないので、とにかく「ブビンガは重い」それだけしかないようなデザインとなった。
こいつも2万円以内を目指す、というよりそれしか時間が残ってないよ。小物とかの追加はどこまでできるのか。


ところで、くらげスツールの青いハイスツールを気に入って買ってくれたのは絵描きさんだった。個展の開催中に立ち寄って下さったそうで、なんか面白そうだったので個展をされているギャラリーへお届けに、お邪魔した。
新しくアトリエができたらこれに座って絵を描くのだとうれしそうに語ってくれた。
青いくらげが絵の具だらけになってたたずむ姿を想像するとなぜか、がんばれって思った。


なんだか知らぬ間に出ることになっていてびっくり。
作品どうしよう。
プロップス用のを出すしかない。
売れちゃったらどうすんの。
残った3日間でなんとかするしかない。
えー!
なんかいっつもこんなんやなあ。


コンソールテーブルが塗装前まで出来上がった。なかなかスマートでいい感じ。
最後に迷ったのが天板の加工だった。
自分でも予想以上にこの脚部の造形が主張の強いものとなり、脚部が仕上がってから考えようと思っていた天板の作り込みをどうすべきか。面取り一つでバランスが変わる気がした。
裏面を大きく削ってテーパーにするか、アンティーク風の飾り面を周囲に施す手もある。曲面加工やまた天板の形状を四角形以外のものにすることも。
しかし仮に天板を載せて離れて眺めていると、そのままでいい、小細工をしてこの脚部の美しさを別の話にしてしまうより、ケヤキの古材という存在感とむしろ融合せず分離しつつ支えているように見せてもいいのではと思った。
だから天板は直方体のまま厚みもそのまま、両面を仕上げて軽く面取りをするだけとした。
機能的にはコンソールテーブルというものの、そうすることで小面積ながら厚みのある天板の量感が強調され、脚部はそれを宙に浮かせる装置のように見える気がした。
結果仕事量が減った分コストは抑えられたのだからよかったか。それでも作業量としては塗装も含めると3万円を超えてしまったけど、そもそも特価品として作ったんだから3万円でいいかな。


ミニテーブルシリーズふたつめは、昨日の低いやつから今度は高いコンソールテーブルを作ることにした。
ある材料でプランなし(一応考えながら)で作り始めたから、天板はケヤキの古材、脚の軸はクスノキ、脚はナラ、接合部材にはチェリーというミックス。
簡単なスケッチをしてバランスはなりゆきでと作っていたら、特価商品でコストをおさえるつもりがいつのまにやら本気モードになっていた。
コンソールだから実用性というより部屋の装飾的な家具だから造形のインパクトはあってもいいとは思うけど、主旨からするとやり過ぎか?でも3万円以内には収めたいところだけど。


プロップスフェスティバル用の特価商品としてミニテーブルをいくつか作ることにした。
一つ目はケヤキ天板のミニ座卓。
畳や板の間に直に座り使用する、独り用もしくは差し向いの二人用で、サイズはW700×H150。
酒飲み用か、和食を並べてお膳のように使うか。この高さでの使用がポイント。
天板からなんとなく和風にしてみようと思って、小さいながらもどっしりとした重量感があるデザインにした。
もちろん使う人によって花台にしても安定感があるし、子ども用ベンチでも踏み台でもいいし。
価格は2万円以下で考えている。

今日学生時代のバイト仲間から間違い電話がかかり、偶然話をした。スマートフォンに替えてからよく勝手にかかってしまうらしい。
だけど久しぶりに話ができてよかった。彼は卒業後芸術とは全く無縁な仕事を選び、その後いくつかの仕事を経たが近頃バイク屋へ就職したという。
彼とかつて共にしたバイトとは中古バイクのオークション会場で、同じ学生寮で同級生の漫画家きらたかしも一緒だった例のやつだ。僕はもっぱら出品バイクの整理や引き回しが仕事だったが、バイクに詳しかった彼は査定をするための検査をしていた。
卒業後久しぶりに再会した時には彼はもうバイクには乗っていなかったが、話題がバイクの話になるとお互いに夢中で、最近では数少ないその類いの話ができる相手だった。
前の仕事を辞めて最近連絡ないなあと思っていた矢先の間違い電話で別に用事もなかったんだけど、その後どうしたみたいな話をすると、「バイク屋に就職した。販売だけど。」なんて言うから思わず「よかったなあ!」って。
多分給料は少なくて大変だろうけど、またバイクに乗れる日も近い。

所要時間30分の木工教室


プロップスフェスティバルの準備にとりかかる。
今年は各ブースで実演もしくはワークショップをしようということになった。
SIGNでワークショップといえばこれかな「積み木パズルを作ろう」。作品を作り始める前に用意しとかないとと思い急いで作った。限定15セット。
ワークショップ用にリサイズしたものをその場で作って持って帰ってもらおうと思っている。販売しているものよりひとまわり小さく、ルービックキューブより少し大きめにした。やってみたらコンパクトで意外といいサイズかも。材はタモ、料金は1,000円にするつもり。まあ、ぎりぎりこんなもんで。
親子で作って2〜3セットあれば積み木としても結構楽しめるものになるはずだ。うん、いいね。

毎年恒例となっております、我が師匠ZOO永田健一主催のイベント「プロップスフェスティバル」も今年で8回目。
今年は昨年に引き続き「震災後」をテーマにした展示や福島からゲストを迎えてお話を聞いたりします。
もちろんいつもどおり、のんびりお買い物をしていただける展示即売ブースや飲食ブース、また今年はそれぞれのブースで実演やワークショップも企画しておりますのでご都合つく方はぜひお越し下さい。
SIGNもイベント特価の商品を用意するつもりです。それはまたおいおいブログにて。

僕が独立した年が1回目だったのでSIGNも今年で8年目。

      

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