プロップスフェスティバルに出品するミニカホンを8台製作している。
宣言してしまったから、ミニとVはできるだけ並べたいと思っているからだ。
しかし限られた制作時間を、カホンばかりにかけてはいられない。例年、そんなことを言ってはカホンとヘラしか出しておらず、これではZOOファミリーの木工家ですなんて言うのもはばかる。
確かに毎年この時期に仕事がたてこみ、作品を制作する時間がとれない事情もあったが、それは言い訳にしかならない。
訳あって一番弟子の吉田さんが今年いっぱいでこの仕事を引退することになり、今まで一番年上だった人が抜けて、年齢では僕が一門の中では一番上になる。
この業界では年齢より経験やセンスが重要なのはわかっているが、なんとなく感じるプレッシャー。
後輩たちに、カホンを作ってる先輩、と思われるのもどうかと思う。
確かにカホンには自信がある。音質も質感も独自のものに到達していると思う。しかし僕は家具屋で木工家なのだ。
それで認知されない限り、SIGNカホンの意味もない。
いい加減なものは作りたくないという思いは、作品制作を遅らせる。
時間がなくなって、売れるものを作ろうということに決着する。
毎度のことながら。我ながら。