ジグザグチェアは一枚一枚の板が、それぞれの面でバチ状に広がったりすぼまったりしている。
多分割の板を仮組み状態でほぼ現物合わせの加工となり、さらに椅子側面のエッジはすべて「さじ面」という加工を施す。これは仕上がり20ミリの板をさらに薄く見せるための装飾。
またこれらは最終接着後の削り合わせで図面寸法に合わせていくという果てしない仕事も待っている。図面にはその細かい側面の角度の取り合いは書き込まれておらず、無視しているというより多分気付かれていない。
すでに仕様で比較すればオリジナルを超えているのは間違いない。
今日はさじ面の加工で一部削り過ぎてしまい明日補修をしなければならない。補修ができるレベルの失敗で終わればいいが、一番心配な接着もいよいよ明日だ。
先日のプロップスフェスティバルのミーティングで、この製作日誌を見ている弟弟子たちにこの仕事をいくらで見積もったのかと聞かれた。
「そんな値段で普通しないですよ、もっと(その倍ぐらい)言わないとだめですよ!」あ、それエバちゃんにも言われた。
そりゃあそれくらい言えればいいけど、その前後の話があって。わかったどっかで回収するよ。