半年くらい前に問い合わせがあり、テレビ台を注文していただいているお客さんから、プレイステーション用の箱を作って欲しいと依頼があった。
肝心のテレビ台のほうは次に出る薄型テレビの新製品を買う予定をされていて、それに合わせたものを作って欲しいという事だったのだが、その発表が遅れているのでなかなか取りかかれないでいる。
テレビの購入と同時期にテレビ台の製作をして欲しいというのもお客さんの要望だった。
メーカー側の製品開発が震災後遅れているのも確かだろうし、タイの水害によって部品の供給が滞っている事もあるだろう。
組み立ては中国らしいが。
当たり前のように日本の電器屋さんで売られて日本人のお茶の間の主役となるテレビも、材料から製品になるまでにどんな人の手を経てどれだけの距離を旅するのかと思うと、なんだか切なくなる。
僕らが生活するために言わば同居している物たちも、ここに至るプロセスを知れば決して選ばないものもあるだろう。
新製品が出ない事に怒りたい人は誰に怒るの。
企業?メディア?社会?国?日本?タイ?中国?日本人?外国人?水害?天災?人災?時代?それとも、電器屋さん?
今日作った箱は、ソニーのプレイステーション3用の、上にファクス付き電話を置くための台となる箱だった。
人がモノを粗末にするのは、作り手が見えなくなったからでしょう。
そのモノがもたらす恩恵だけが、モノの価値なのでしょうか。違いますよね。「人と人との関係性」をどこまでも大事にモノづくりをされるSIGNの在り方を私は心から応援しています。こんな時代だからこそ、本物のオーダーメイドはいっそう価値があると思っています。週末、ヨロシク。
作り手の手のあとがないものを、あえて選ぶ人もいますし、そのように作ろうとする人もいます。
飛躍かもしれませんが、そういうのはもしかすると「関係が煩わしい」と感じる人がいるからかもしれません。
僕は性格上、関われば必ず手助けしたいと思ってしまうので、このスタイルから離れられないのでしょう。
撮影の日、晴れたらいいですね。