人助けもやるっつったらやる
2011 年 2 月 12 日 by SIGN
このあたりにしては大雪とも言える、珍しく20cm近く積もった日に、かかってきた電話の声の後ろでざくざくという足音が聞こえていた。
その電話は僕が木工の授業をさせていただいた大学の学生で、その授業の担当の先生から以前紹介された4回生で、卒業制作の手助けをする約束をしていた女の子だった。
去年約束はしていたものの、その卒業制作の提出期限である今日の前日まで、その電話がかかってくるまで、なんの連絡もなかった。
電話の用件は、今からうちの工場で作らせて欲しいということだった。
すぐ近くまで来ているからと。
去年彼女を紹介されてからすぐに、それに必要な材料を仕入れてあったが、連絡がないのでどうしようかと思っていた。
卒業がかかっていて、強引に押し掛けるしか方法を思い付かなかったのを追い返すこともできず、断りようがなかった。
結局それから10時間かかって作品は完成した。
本棚兼ねこタワー。
並んだ本の間を猫がかけ登るという、微笑ましい作品。
それに反してほとんど休憩なしで終了午後10時、ハイピッチで作業をした体はがたがた。工場は写真茶話会前日だというのに木屑と粉じんで散らかりまくり。
そして今日はその掃除と茶話会の準備もあるのに朝からその作品を学生とともに大学へ届け。
ああもう今日は茶話会だめだなしゃべれないな、と思っていたが、マツノさんが久しぶりに参加されてカメラ談義で前半盛り上がり、テンションが復活した。
結果やっぱり僕はカメラ好きなんだというお話。
きのうはどうもお世話になりました。
写真茶話会は写真表現の話が主題なのに、いつも脱線するようなことを言ってしまってすみません。「弘法は筆を選ばず」といいますが、僕の場合は筆によって描ける絵がまったく変わってくるのです。なので表現の話とカメラ機材の話はいつも表裏一体で、切り離して考えることができません。
本当は「ライカR→ニコンF」変換リングの改造の話をもっとしたかったのですが、本題からずれるので黙っていました。でもこのリング改造によって、僕の写真制作のスタイルが劇的に変わりました。つまりライカ=作品制作用、ニコン=仕事用と完全に分けていた機材が、この改造によってライカ+ニコン=制作でも仕事でもよし、という感じで、すべての機材がシームレスにつながったのです。そのときの撮りたい被写体によって撮りやすいカメラやレンズを選べるというのは、非常に大きな武器になると思います。
きのうの茶話会で教えていただいたことを、きょうは朝から自分の写真を見なおして復習?しています。同じ通奏低音の響く写真をほかのストックから探しだして、きのうの写真群のなかに入れたり、逆にきのうの群のなかでノイズが多いものを抜き出したりしています。この作業は知的なパズルのようなものなので、写真を撮っているときのあの快楽とはまったくちがい、かなりストイックで疲れます。でもこの作業を経なければ硬派銀じ郎 さんのような形にならないこともよくわかっています。
次回の茶話会までにどれだけ煮詰められるかわかりませんが、またつぎもよろしくお願いします。
私はデザインにも家具にも疎くて、分からないことも多いですが、
たまにこのブログをおとずれてじっくり眺めていると、なぜだか心が洗われて、スッキリとした気持ちになります。
これからもぜひ書きつづけてください。
毎回素敵な世界を提供してくださってありがとうございます。
ありがとうございました。
私の写真集2010版に時間をたくさんとっていただき、恐縮でした。
おかげさまで形になってきました。
ことばにする、では表出しきれないものを写真で表出でき、自分が取り扱うものを対視できたのはとてもよかったです。それが自分では自覚できないのに整理してもらい自覚・意識レベルにしてもらえたことは大きいです。
昨年の写真集は必要なステップで、今年度も次へ向かうために大切なステップであったことがはっきりわかります。
しかし、ここに来て2010版のタイトルをことばにする難しさを感じています。ことばにしにくいから写真にし、その写真から今度はことばを探す…ピッタリくることばが見つかるとビックカメラへすぐ行きます。
父親へのプレゼントの家族写真集?も、また持っていきます。
ラッキーマツノさん
もちろんです。使う機材によって写真が変わるのは、色々経験すれば必ず感じることだと思います。
それぞれにある撮る満足感がなければ作品もできません。そういったユーザーの多様性に合わせるように、この世の中には色んな性格の機材が存在するのでしょう。
今後基礎講座の希望者がいない日は、午前をカメラ茶話会にしてもいいなと思ってます。無料の自由参加でね。
今回のようにマツノさんには僕を含めほかの参加者の方々の機材に関する相談にのっていただけたらありがたいです。
選別作業に悩むかもしれませんが、頑張ってください。撮影の瞬間からもう一度自分の中にある絵と重なるものを探す作業です。
やたさん
家具より文章の方がいいってことですか。まいったなあ。
でも誰かの心に作用しているなら嬉しいことです、それもよしですね。スッキリされているならなおのこと。
僕が家具屋である限り、家具屋のことを書き続けます。
ありがとうございます。また感想を聞かせてください。
硬派銀じ郎さん
二作目、形になって来ましたね。僕も完成が楽しみです。
一作目は見やすいように編集の技もかなり使いましたが、今回のは写真がとてもいいので写真集としてもかなりレベルは上がってますよ。
タイトルを今回どうされるのか期待しています。
やっぱり前作と同じく「私」にかかってくる言葉がいいと思いますが。
マツノさんも銀じ郎さんも、写真のことはできたら向こうに….
そういう壁がいけないのでしょうか。いや、ここではちょっと思いっきり書けないので。
写真のことはできたら向こうに….
そういう壁がいけないのでしょうか。
とは、どういうことでしょうか?
でも、お会いしたとき聞くのがいい気がするので…待ちますが。
はい、お会いした時で。すみません。