お試しセット期間終了
2011 年 2 月 7 日 by SIGN
今日は大学での最後の授業だった。
なんとか無事全員がスツールを完成し、出来はまちまちだったけど、完成品が整然と並んだ姿がなんかよかった。
例のアンケートのコメント欄に書かれた全員の感想を、担当の先生が最後にみんなの前で読み上げられた。もちろん名前は明かさずに。
そのほとんどに「楽しかった」と書かれていた。
それを聞いて僕は、去年は教えてもらった学生がしたこの授業に対する採点結果を、今回は聞かないことにした。
何回目からか、クラスで一番やんちゃそうな学生が僕のことを「リーダー」と呼ぶようになったこと。その学生が今日「リーダーの授業、もうないの?」と聞いてきたり、それにつられてか何人かは僕のことを「先輩!」と呼んでみたり。
最後に何かお話を、と担当の先生にうながされ、いつもの無駄話を始めた時にも、じっと僕を見つめている学生や、なんだかにこにこしているやつがいて、最初の頃は彼等の頭の上にクエスチョンマークが浮かぶのを快感に感じていたのに、どうにも、こんな一番最後になって僕の語りも認知されてきたのだ。
この手応えは、まさにこれからという実感であるにも関わらず、彼等とは今後会うこともないんだろう。
完成した作品を手に、帰り際「ありがとうございました、おつかれさまでした、」を何度も何度も繰り返す学生に、「おつかれさん」しか言えなかった。
「デザインは言葉を越えた言語であり、みなさんが作ったスツールをデザインしたデザイナーとは母国語も生きた時代も違うけど、こうして見て触れて実際にそれを作ってみることで、その形からデザイナーが込めた想いや情報を読み取ることが出来ます。
——-、デザイナーとは形を考えるだけの人間であってはいけない。言語であるなら伝えようとしなければいけない。そんなデザイナーになってください。」
最後にお話を、が、最後のお話になってしまった。不覚。