削って削って、平面に
2010 年 8 月 18 日 by SIGN
ここ最近の猛暑でバテ気味で、ああこれが熱中症かと思われる目眩と戦いながら作業する日々。
工場を吹き抜ける山からの吹き下ろしに救われている気がする。
以前納品したテーブルの補修を依頼され、やっていた。
タモの天板だった。急に反り始めた天板を、ある程度戻してから波打った部分を削って平面を出し、反り止めを付け替えた。
タモは加工がしやすく美しく、国産材としては比較的安価であることもあって、無垢材の家具にはよく用いられる。しかしその反面、伸縮が激しく、幅方向では1〜2%を考慮しなければならない。
つまり、1000ミリ幅の天板なら10〜20ミリの伸縮が湿度や温度によって起こるということ。
そこまであるとは知らない人も多く、作るのはいいが使うのに気を使う材でもある。
もちろん作る側としてもそれを考慮した構造を求められる。
家具の工場というと普通はほぼ屋外と同じ環境で、そこで作られたものがエアコンの効いた室内に置かれれば急激な変形が起こるのは当然のこと。冬場のファンヒーターも、風を直接当てるのは破壊行為でしかない。
人の体に悪いものは、家具にとっても良いものではない。
じめじめした梅雨が明けてすぐのこの連日の猛暑。
僕はのび、天板は波打つ。