壁面ハンガーの力の入れどころ
2009 年 10 月 16 日 by SIGN
木工旋盤による旋盤作業というと、あまり精度の高い加工は難しいようなイメージがある。単純なスピンドルであっても、曲線や曲面は意匠の意味もあるが、やってみてわかるその理由が「逃げ」なのだ。
「逃げ」とは木工の用語で、誤差の分を余裕を持たせて控えて工作することで、逃避という意味ではない。
バイトによって手作業で何本も棒を作ってると、どうしても誤差が出る。それを目立たなくするための意味もあるということ。だから様々なジグが考案されるんだろう。
しかし今回必要なパーツとして、同じ寸法の円柱ペグを8本、愛機WT-300で挑戦してみた。もちろんジグを使わず、バイトとノギスだけの手作業である。すると、
意外といけるのだ。いやいやかなりの精度が出せたのだ。直径の精度や円柱の垂直線の精度は、誤差0.1ミリ以内で、このペグを刺す穴との直径のクリアランスを0.2ミリとして加工したが、十分いけてる。出し入れがとても気持ちいい。
しかも角材から始めて仕上げ磨きまで一本30分程度。実用範囲だと思う。
こういうもので量産の既製品だと、逃げは1ミリ近くとってあるものだし、そこまでやると操作感まで変わってくるので、まったくデザインの意図とは別物になってしまう。何気ない物でも精度って大事。
塗装をしてただ今乾燥中。壁面ハンガーも完成だ。納品までまた展示するつもりだけど、このでっかいの、どこに置いとこうか。