深山に、琴のしらべとカホンが語る
2009 年 5 月 14 日 by SIGN
仕事の終わりがけにカホンを見にきたお客さんがいた。
和琴を弾きながら語りをする女性で、今使っているパイプ椅子のかわりにカホンを使いたいというのだ。
カホンを語りの効果音にしようというのだろうか。珍しい、どんなライブなのか見てみたい。
在庫のカホンを一通り見ていただくが、音質的に気に入ったものはいくつかあって、その中で迷ってはいるものの、選びきれない理由がひとつ。高さであった。
今のパイプ椅子が演奏には丁度良い高さの椅子であり、できればそれと同じ高さのものが欲しいというのだ。ライブでは舞台セットとして、背景の屏風まで持ち歩くというこだわりがありながら、椅子に関しては丁度良い高さと使いやすさから、見栄えを無視してパイプ椅子を使っている。いつも良い椅子があればと思っていたところへ、うちのカホンの存在を知ったのだという。
その椅子とNew-Vの高さの差は数センチだが、それが大きく演奏に関わってくるのだろう。長い間迷ってらしたので、僕はオーダーメイドをお勧めした。せっかくだから。
製作休止宣言をして初めてのご注文、というと変ないい回しだが、最後に残しておいたオーダーメイド用の材、数台分から彼女のカホンを作ろうと思う。
最後まで特殊なケースに恵まれる、SIGNカホンであった。