イージーチェア・BMS
W650×D680×H760 SH375
材質:タモ
塗装:天然オイル、ワックス
ティーテーブル
W600×D600×H530
材質:タモ
塗装:天然オイル、ワックス
ストーリー
この椅子を注文してくれたのは、付き合いの長い知人である、Leeさんだった。
彼女からの一本の電話から始まった慌ただしい数カ月は、今となっては楽しい日々だった。
その最初の電話で、Leeさんは、僕に大工を紹介して欲しいと言った。
数年前、僕らはそれまでいた環境から、それぞれまったく違う道へと進むことになった。
僕は家具の修行へ、Leeさんは整体師の勉強に。
その間、僕らは会うことはなく、連絡すらとっていなかった。
それが、いきなり久しぶりの電話で、そんな用件とは、
実にLeeさんらしかった。
話を聞けば、その整体を含むエステサロンを開業するため、店鋪の工事を頼める工務店を探していたらしい。
僕は知り合いの大工に聞いてみるからと、その時電話を切った。
ちょうど、僕はその時、自分の家具屋を開業する準備のかたわら、大工の手伝いに行っていた。
知り合いの工務店が受けた木造の住宅で、大工は友人が引き受けていた。
僕はその友人に、やってみるかと聞いたところ、まずは会って話をしようということになり、彼を加えて、僕はLeeさんと久々に再会した。
その日に、予定している現場を見に行き、ある程度話は進み、暫くして工事が始まった。
ああでもない、こうでもないと試行錯誤を繰り返し、予定していた完成時期から大きく遅れ、僕も時々工事を手伝い、
その間に、頼まれていた家具を作っていった。
女性が座るゆったりとした椅子とテーブルのセット。
そのエステサロンの待ち合い室で、お客さんがカウンセリングをうけたり、休憩したりするための椅子。
そのキーワードをもとに、僕は図面を引いた。
できればクッション等を使わずに、木だけの椅子にしたかった。
それをどれだけ柔らかく座れるようにするか。僕は試作品を作って、実際に座ってみながら考えた。
そうしてできたのが、このイージーチェア。
予算的なことも多少問題があった。
オーダーメイド家具は、既製品と比べるとどうしても高くなる。その分いい仕事をしなければと、日々思う。
Leeさんには、複数注文ということで多少値引きをし、あとは実物を見て、座ってもらって納得してもらうしかない。
そして納品の日、Leeさんはじめ、スタッフの方々に座ってもらうと、小さな歓声がわきあがった。
喜んでもらえたこと、その笑顔が何よりうれしい。
数年前にはこうなることなど想像もできなかったけど、こんな形でまた接点があるなんて、どうも縁とは渦巻いているらしい。
このイージーチェアの名前であるBMSとは、Leeさんの店のBMSサロンから拝借した。
ボディー、マインド、ソウルの略だそうだ。
そのLeeさんのエステサロンのHP。
一度お試しあれ。
岩盤浴の温熱ルームは最高に気持ちいいのだ。