一日いろんな刃物を研いでいたら
2009 年 1 月 8 日 by SIGN
新年の仕事始めで、工場のメンテナンスをやっている。本当は年末にしたかったのだが、結局時間がなく、大掃除だけして、作業は年明けに持ち越したのだ。
いざ始めると自分でも信じられないくらい道具が増えている。いったいいくつあるのだろうか。木工機械、電動工具、手道具やこれ道具?というのまで含めたら100個は軽く越えていそうな感じである。
そんなに道具が必要なのか、と思うが、ひとつひとつ見ればどれも使わないものはなく、ちゃんと使いこなしているのだから不思議だ。無けりゃ無いでなんとかなるようなものもあるのだが、やっぱりここはこれでなきゃ、みたいのがあって、それがたまってこの数になっている。
それでもまだ欲しい機械とかあるんだから困ったもんだ。師匠や先輩もよく言ってた。道具は増え続ける、道具のために仕事してるみたいだって。
しかし基本は手道具であって、本来はそれだけで作業ができてこそ職人であり、そうでなければどんな便利な道具も応用が利かない。特に刃物は自分で研ぎながら使うので、使い方以前にその道具の構造やメンテナンスも学ばなければならない。訓練校では最初の3か月はずっと刃物研ぎだった。
と、言いつつも、いざ仕事を始めると、そんなに研いでばかりはいられない。いくらか使ってからまとめて研ぐことが多いが、こういう機会にチェックすると、使いっぱなしで一年くらい研いでないものも出てきた。
一日いろんな刃物を研ぎっぱなしで上半身筋肉痛で、仕上げに鉋台もびしっと調整して、これが結構満足感がある。電動工具が増えても、やっぱり手道具には愛情を感じてしまう。
訓練校で学んだ者は、こんなところでにやりと笑うのだ。