今日のmotoSIGNは朝からベスパのシートの張り替えをしようと準備をしていると、CRAFTの堤さんがやってきた。
近くに現場があるそうで、久しぶりに寄ってくれたのだった。
僕がここで仕事をしていた時はしょっちゅう来てくれていたのだが、僕が指導員になってから会う機会がめっきり減ってしまった。
久しぶりでも雰囲気は一緒。話す内容はさすがに以前のようなダメ出し連発はなかったけど、今後のことでいろいろアドバイスをしてくれているようで結局「しっかりやれ」というケツ叩きに終始し、最近の僕の迷いも少し晴れた気がした。
前に進むしかないよね。
堤さんが帰った後、シートの分解を始める。
ベスパのシートは鉄のフレームに生地がクリップでとまっている。ボロボロになって生地のほとんどは残っていないが、フレーム周りは芯が入っていて頑丈になっているため、その辺りだけ残っていた。
クリップには爪が付いていて、少し開きながら外さなければならない。指でこじるよりマイナスドライバーを突っ込むと簡単に外れる。少し錆びていたがなんとか再利用できそうだった。
接着してある部分を剥がすとすっぽり抜ける。
へこんだ部分や痩せた部分を補うため、ウレタンのチップを細かく切ってへこみを埋めた後、全体に貼り付ける。チップは家具屋の名残で、以前自分の作品用に買った在庫が残っていた。
これで少し”あんこ増し”にはなったけど、表面は滑らかになった。
接着は速乾ボンド(ゴムのり)のスプレー缶を使った。実習で訓練生が使っているのを見て知ったのだ。すぐに減ってしまうけどこれは便利。けどちょっと高い。
その上から防水用のビニールシートを接着し、生地をかぶせる。
これはすでにベスパ用に縫製されているもので、シート張り替えの会社のHPに手順が掲載されていて、それを見ながらDIYでする商品が販売されていたので購入した。
当然張り屋さんに出すより安く済むのでいいのだが、実物はオリジナルと比べると少し安っぽい。自分でやる楽しさを味わえるのがいいところ、としておくか。
フレームに巻き込み、またクリップでとめていく。厚みが増した分結構強く引っ張りながら張っていく。
クリップに頼っているのは少々不安だが、ベスパの張り替えは簡単だ。一度経験すればまたやろうっていう気になる。
外して磨いておいたフックを取り付ける。ビス穴は革用のポンチ(6mm)を使った。
ガサガサだったアルミパーツも磨けばツヤツヤになる。酸化した色が残っているのが逆に渋い感じに仕上がった。
できあがりー
まあここだけピカピカなのは違和感あるけど、座り心地はかなりアップした。あんこ増しが効いてるね。
意外といけるもんだね。
「大変よく出来ました」
フックが渋いね~
ありがとうございます。
ようやくゴールが見えてきました。