もはや罠としか思えない
2015 年 12 月 13 日 by SIGN
村田くんに頼んでおいたワイヤーも届き、さてさて切れたチェンジワイヤーを交換するぞとハンドル周り、ライトカバーを外そうと思ったら、それをするために色々やらなくてはいけないことが多いベスパ。
まずは左右レバーのクラッチワイヤーとブレーキワイヤー、メーターワイヤーの先端を外してフリーにした後、ヘッドライトを外して内側からメーターを押し上げて外す。この時メーターワイヤーのアウターを固定しているロックナットが落下しないようにインシュロック(結束バンド)でストッパーを作るのを忘れずに。今回これが確実にできてなかったので後で痛い目を見ることに。
そして、カバー内にあるチェンジワイヤーとアクセルワイヤーも外しておいて、フロントブレーキのワイヤーはアウターごとハンドルから抜き取ってメーターワイヤーと束ねてステムの中に沈めておく。
それで初めてよいしょとハンドルは取れる。のだが、
見るとステムベアリングがカラカラに乾いていてさらに錆がきている。ああまたか。
とにかく何かしようとするとまた何か見つかり、なかなか前に進まない。見てしまった以上やらないわけにはいかず、ステムも分解してグリスアップすることにした。
この時忘れてはいけないのがスタンドの固定。ベルトで前に引っ張っておかないと、ステムを抜く時に自動的に畳まれてしまう。
錆を落として磨いてグリスを圧入して戻した。いったい今日は何をするつもりだったんだっけ。
そしてこの状態、別に嫌になって投げ出したのではなく、これが正式(?)なベスパの整備姿勢なのだ。
チェンジワイヤーを整備するには車体の真裏にあるカバーを外すことになり、ジャッキやリフトで上げるより倒してしまった方が作業がしやすい。
もちろんそのためにキャブは空っぽにしてタンクを外してからとなる。色々あるね。
古いワイヤーを抜き取り、新しいものに交換して仮止めした状態でまた車体を起こしハンドルを元の位置に戻すと、ああっ!ない!
最初に注意していたはずのメーターのロックナットがストッパーごとなくなっていた。
構造上外に出て行くことはないので、きっとあの奥。奈落の底に落ちてしまったのか。
またまたステムを分解してフロントを外し、逆さまにして振ったり叩いたりしても出てこない。
ハンドルはフェンダーの下の方で曲がって片持ちになっていて、そこからブレーキとメーターのアウターが出てくるので落ちるとすればそこまで落ちる。上からライトで照らしても見えないので多分曲がった先にあるのだろう。
ストッパーはどうしたんだ。くっそー
色々試みたけど結局アウターを引き抜いて逆さまにしてほじくって出すという確実で一番めんどくさい方法でなんとか回収することができた。
その間にフェンダーは曲がるわ手は切るわ、体力も消耗してしまった。二度とやりたくない。
また曲がったトンネルにアウターを通すのにも一苦労があり、もう次は失敗しないようにとストッパーの取り付け位置を変更した。
もしこれを読んで参考にする人のために書いておくと、この自作ストッパーは某整備マニュアルでは上の金属部分に取り付けているけど、微妙に下すぼまりな形状のため擦れたりすると抜けて”落ちます”よ。絶対にアウターに付けるべき。
今日はまたこれで力尽き、作業はここまで。
あああ、たいへんなものに手を出してしまいましたね。ベスパおそるべし。専門店があるのもうなずけます。
でもこれほど苦労して整備したのちに、元気よく走り出したら感動ものです。早くその姿が見たいですね。
この奮闘記をスライドショーにしたら、今度の茶話会RR展で作品になるんじゃない?
基本壊れても治せるバイクですから、ちゃんとやりますよ。
日々の点検整備を怠らなければ大丈夫だと思います。
しかし、
程度のいいやつもう一台欲しいかも。昨日はくじけそうになりました。
スライドショーだとこの苦労は伝わらないかも。ニコニコみたいなやつですか?