それは思いついたのか
2014 年 3 月 27 日 by SIGN
出来上がってしまうと何のことはないように見える、このガラステーブル用の脚。実は可変機能に合わせて、いびつな多角形をしており、変なところに長穴が空いている。
もちろんこの形は型板でくりぬいたのではなく、図面上で計算した上で直方体の基準面から正確に切り出していくのだ。
だからすべてがデザインのためというわけではなく、高さが変わりながら変形する構造であるために、他の部材と干渉しないようにとか接地部分の形状とかを割り出していくと自然にこの形になった。
装飾的な加工を加えればこの構造を生かしたデザインの発展性もあるのかもしれないが、このテーブルに関してはそのプロトタイプ的な無骨さも個性として残すことにしたのだ。
とは言え、このデザインを思いついたときに図面を書きながら、この構造においてはこのバランスは崩しようがないことにも気づかされた。まるで素数のようなバランスだった。
脚の本数は3本以外ではうまくいかない。400〜750という高低差を可能にするには、どこかの長さを変えることも曲線や曲面をほどこすところすらない。
自分で思いついておきながら、アレンジのしようがない、そんなこともあるのだとその時は思った。