LOVE SAMBAR DAY !
2014 年 1 月 30 日 by SIGN
往復1000km、労働付き、日帰りの旅をしてきた。
夜12時を過ぎるのを待って出発。神奈川県川崎市までテレビラックを積んで、車検が終わったばかりのサンバーで快調にとばしていく。
それにしても我がサンバーはよく走る。車検の時にスバルのディーラーで代車にダイハツのOEMサンバーを借りたのだが、これがまた全然ダメで、ターボ付きだから直線だけならいいんだけどステアリングにダイレクト感がないし、やわやわ足周りはロングホイールベースと合わさってねじれるようなローリングをするし、ブレーキのタッチも最悪。運転席下のエンジンはうるさくて耳障り。タコメーター付いてるくせにオートマだから加速も回転と合ってないし。
こんなのを売らなければならないスバルがかわいそう。そう思えばスバルサンバーはほんとにいい車だったんだと再認識した。たった数日乗らなかっただけなのに、運転席に座った瞬間「ああこれこれ!」って。マニュアルのシフトレバーやサイドブレーキは「操縦」するためには絶対ここに必要なものだったのだ。
僕のサンバーは商用車だけにサスペンションは固めだけど、4輪独立懸架はがっちり接地感があってコーナーでも踏んばってくれる。電動パワステはタイムラグが少ない気がするし、ブレーキも代車から乗り換えたとき同じように踏んだらダイレクトにガツンと効くから驚いた。ホイールベースの短さを指摘されることもあるが、長くてもしっかり作ってない車は乗りにくいし、よく考え抜かれた設計とスーパーチャージャーと4WDのおかげで高速走行も快適だった。
もう!なんてかわいいやつなんだサンバーよ!リアエンジンよ!
などとぶつぶつ言いながら、午前4時半に力尽き、足柄SAで休憩。そのまま荷室でシュラフに潜り込んだ。
起きたのは8時前だった。約束していたのは10時すぎだったから、出発するには少し早い。顔を洗って見上げると、快晴の空をバックに富士山が大きく見えた。ここのSAのセールスポイントなんだろうけど、確かに見事だった。自衛隊の砲撃演習の音も響いていた。
早めの出発早めの到着で、作業をする前に食事に行こうということになり、近くのファミレスで結局2時間近くしゃべっていた。テレビ好きのお客さんだったので、ほとんどがテレビの話だった。機材の話から番組の話を熱く語られ、未だにブラウン管で見ている僕としては今のテレビはそういう楽しみ方もあるのだと思ったし、そこまでテレビにこだわるお客さんだからこそテレビ台には思い入れがあるのだと理解した。
夏に作ったテレビラックがどうしてもサイズが合わないということで一部作り直したのだが、その理由に疑問を感じつつしかし今回お会いした時にはとにかく何でも話を聞こう、時間も許す限りつきあおうと思って向かった結果、そこにあったのはその人にとっての良いものだった。
自分が教え諭す立場から教えられる立場を選んだとき、その言葉にはいくつものメッセージが含まれる。もし僕が失ったものがお金以外のものだったとしたら、その人の言葉どおり東京進出の可能性もあったかもしれない。だがそうではなかった。
交換し持ち帰るテレビラックはけっしてほかの人に売ることはないだろう。そういう選択の中に僕はいる。
午後3時頃にお客さんの家を出て、また東名をひた走る。帰りは夕日に向かって。僕はバイクでこの逆光を浴びながら走るのが好きになってから、車でもそれを楽しむことができるようになった。サンバーで。
バイクで走るときのような美しさは感じられないが、ほかの車がするようにサンシェードで光を遮るようなことはしない。
約束していた桑名のKojiさんのところに着いたのは7時半だった。
眠くなるので朝のファミレス以来食事をしていなかった胃が、お母さんが作ってくれたおにぎりと、奥さんのまゆみちゃんが作ってくれたつけ麺で空腹だったことを思い出し、帰りの眠気がどうのとかいうブレーキが壊れ、がっついた。
ちょっと顔を見るだけのつもりが結局10時過ぎまで話し込み、家に着いたのは11時半だった。
ほぼ24時間の日帰り旅はサンバーのおかげで思いのほか移動時間は短かったが、それはもしかしたら車検のときに、僕の走行傾向をもとにECUをいじられたのかもしれない。長距離なのに燃費が悪かったから。あ、いやそんな高性能だったっけ。スバルもそこまでしないか。まあ、いまどきマニュアルミッションにしか魅力を感じず、テレビもブラウン管の色再現性を手放せない男だから、そんなことしたってそれに合わせた低燃費走行するだけよ。「あなたのためを思って」なんてなかなかできるもんじゃないからね。