保育所から子どもたちがやってきた。心配していた天気も午前中はおだやかで、日なたはぽかぽかと暖かかった。
遠くから声が聞こえてきて工場(こうば)の外に出てみると、向かいの林道を歩く姿が見えた。見ているとこちらに気付いた子が手を振って大きな声で挨拶をしてくれた。僕も手を振り返す。
到着するとやはり40人はにぎやかだ。だけど一人一人が小さいので工場の前に先生が並ばせると意外とコンパクトに収まっていた。かわいい。まさかSIGNでこんな光景が見られるとは思ってもみなかった。
挨拶をし、とにかく準備していたプログラムを進めていった。
まず工場の前のスロープで、入ってきた子どもに一人一枚ずつ昨日作ったタグを渡していく。
「これは今日の見学の切符だよ」といって白いのと茶色いのの好きな方を選んでもらった。大きさはちょうど電車の切符くらいでパンチのような穴が空いているからいいかなと思ったら先生が、「みんなきっぷってしってる?」
あ、そうか、はは。まあいいや。「それ最後までなくさないようにしてね」とそれはそこまでの話にしておいて、見学の授業スタートだ。
まずは山の木を見上げ、その木と今渡したタグが同じものかどうか尋ねてみる。
「ちがーう」「おんなじー」
瞬間的に答える子は違うと言い、考えてから答える子は同じと言う意見が多かった。
そこでクヌギの丸太を見せて、あの木を間近で見せる。よく見ると円柱でもなく曲がっていて、ごつごつ、ざらざら。
次に製材されたナラの板を見せる。長さは3mくらい。ちょっとタグに似てきたかな、と思わせといてその板を立ててみる。僕の身長よりずっと高い。その板はもとは地面から生えていた木だったのを切って縦に割ったものだと説明すると「わあ」と声が上がる。
「さあここからが僕の仕事です」と工場を案内するのだが、全員は無理なのでひとクラスごとに入ってもらうことにした。待っている子にはサンドペーパーを一枚ずつ渡し、タグをつるつるになるまで磨いておくように手順を説明しておいた。
ひとクラスずつ全部で三回、工場にある機械や道具類を説明し作業台に並べた完成品を触ってもらう。
あの木から一つの家具を作るのに、たくさんの道具を使うということだけ伝わればいいやと思ってしゃべった。
常に誰かに話しかけられながら受け答えしつつしゃべったので、伝わったかどうかはわからないが、みんな初めて見る道具に興味津々だった。それでいいや、時間もなんとなくぴったりおさまった。
で、外に出てみると、驚いた。なんとみんな夢中でごしごししているではないか。
僕が出ていくとみんなが自分のを見てくれと押し寄せてきた。「つるつるになったー」「かどまるめた、みてー」と相当気に入っている様子。へえこんなにハマるとは。
先生たちも驚いていた。
もちろんいろんな条件が重なってのことだと思う。あの木工教室があり、ここまでのハイキングがあり、天気のいい屋外であり、集団であり、年代も。僕の説明もちょっとは効果があったかな?
しかし、夕方に先生からお礼と「きっぷ」の反応の良さをあらためて聞かせていただいた。帰ってからもごしごしやってる子がいて一時ブームになったようだ。
うーんこれは収穫だな。単純だけど、仕事をすることによってものの質が上がるという経験は確かに彼等にとっては初めてかもしれない。作る授業はするけれど。
帰り際の挨拶をした時に、年長さんがプレゼントをくれた。
みんなを見送った後、うれしくなってなんだか走りたい気分になり、3時間ほど山を走った。
ブラボー! すてきな授業ができましたね。
こどもってみんな「摩擦系」の仕事がすきなのかな。
磨いてつるつるになるのが気持ちいいし。
あと粘土を「こねる系」も気持ちいいですよね。
SIGN兄妹はそういう直感系の仕事を生業にしててうらやましい。
ついでにバイクも「加速系」という直感を刺激するあそびですね。
摩擦系ワークショップ大成功でした。いやあとにかく幼児ってのは教える側としてはすごく助けられます。
好奇心があって吸収力が良くて、ある意味恐いですけど授業はちゃんと成立します。いい経験でした。
直感の作業は好きです。それだけで作れたらいいのにと思います。
写真も視覚の直感だと思いますよ。
バイクの加速もただモリモリ加速するのじゃなく、ばばばって感じのがいいですよねえ。
いや~
Signさんらしくていいですね
ほっこりした気持ちを抱いたまま、ちょっと冷えた空気の中
悪くないねー
幼稚園生って、もう、こんな作業ができるんですね。
子供の成長って凄いと、日々、孫を見てて感動してるけど
幼稚園生頃になったら、こんな感性も出ちゃうんだ⁉︎
ビックリ。
やっぱ、signさんって、人に教えるセンス抜群ですね(^o^)
電気屋さん
いいことがあった後のバイクってそれがスパイスになりますね。
気持ち良かったです。
帰りは体が冷えて頭も冷えて頭痛がひどかったですけど。こちらは真冬でも乗れますからまだまだこれからです。
ところで購入されたバイクのお披露目はまだですか?シンプルと言っておられたので、500か600の単気筒で古いオフ車かなと思ってるんですが。
まさか2ストTDRじゃないでしょ。
まこさん、ありがとうございます。
ここまでとは思ってなかったので、僕も驚いてるんですよ。
でも僕が良いのではなく、すごいのは子どもたちですから。
僕はただの授業オタクです。ただ好きなだけで優れているわけではありませんよ。
本当に楽しげですね、子どももSIGNさんも。
昨日、私の職場にも園児さんが来ました。児童や生徒とは違う不思議な魅力がありますね。
授業オタクのSIGNさんの、オタク度に甘えてしまうかも、です。
SIGNさん
ちょっと立て込んでいたので、家の周り(と言っても家の下の熊笹のターンで派手に転んで柔かい赤土の上でなかったらアルミのライトガード曲がってしまう所でした)を15分程乗ってくる程度なのですが、ニヤニヤしています。
TDRやRZVも考えたり、RZ350乗っている知り合いから「どう?興味ある?」って言われたりしたんですが、今は非日常より500の単はそんな普通に楽しいです。
この機種は3台目になりますが外れがないですね。
一応兄弟車になりますね~兄弟 ハハ
銀じ郎さん
甘えるというより、こちらが機会をいただくってことですよね。
そちらも初めての体験なので楽しみです。
電気屋さん!
500単で兄弟車ということはXL系ですか。XLRは600と650だし。
3台目ってことはXLS?いやまさかXL500Rパリダカってことはないでしょうね!?だったらレアすぎて気絶しそうです。
電気屋さんならやりそうでこわい…
あ、でもアルミのライトガードってバハですか。バハ500改?