専門学校時代の教え子であるヨシダが写真を見てほしいと訪ねてきた。
ちょうど今日から近くの保育所で例の木工教室の作品が展示されていたので、二人でうどんを食べた後見に行くことにした。
ずらりと並ぶ力作たちにヨシダも驚いていたようだった。「感動しました!ほかでもやったらいいのに」
というのは、この作品をギャラリーなど公の場で展示して多くの人に見てもらえばいい。
というのと、
この木工教室をほかでもどんどんやるべき、という意味があった。
ほかで展示できるかというのは保育所のやる気次第で、これらが誰の作品かというスタンスは守られなければならないから意外と難しいかも。それにここで見るから良く見えるということもあるしね。
また材料を本業で出る端材に頼っているという点で数をこなすのには限界があり、また一から材料を作っていたらめちゃくちゃお金がかかってしまうのでどこもさせてくれないと思う。ずっと無料でしてたら俺死ぬ。
つまりバランスで成り立っている木工教室なのだ。
工場(こうば)に戻る車中で、「すごいやろ」「すごいです」「すごいやろ」「すごいです」
ヨシダが見せにきた写真というのは、この7年間に撮影した写真を一冊のポートフォリオにしたいというものだった。写真家としての活動をあまりしなくなってから5年くらい?また作品を作ろうと思ったきっかけは、来年オランダで活躍しているあるアーティストに作品を見せるチャンスができたこと。それが次の展開への手がかりになれば、そう思っていると色々とまわりでも動きだし、自分がまた作品を作るということにわくわく楽しくなってきたという。
調子に乗ってヨシダはそのオランダへ行った足でアイスランドまで行き、大好きなミュージシャンにそのポートフォリオを渡すのだという。(ほんまに?)
で、その編集を手伝って欲しいということだった。
編集の前にいろいろアドバイスはしたが、結局作業のほとんどは自分でやっていた。
僕は最後の仕上げだけちょこっと手を加えただけだった。
ポートフォリオというより写真集として鑑賞できるものになり、これがヨシダの復帰デビュー戦だと思うとなんだかかっこいい作品となった。
SIGNは場所を貸しただけ。