SIGNは非効率を応援しています
2013 年 10 月 30 日 by SIGN
六本脚のくらげミニテーブルをとりあえず形にする。構造がスツールよりやや複雑でラインがしっかりしているので、見た目にはこちらの方が高尚に見えるが、実はコンパスや定規でデザインしたものの方が作るのは早い。
対してフリーハンドで曲線や曲面を加工するくらげスツールは、そのシルエットには未完成な印象があり高級感はないが、実はその製作工程は非効率で手間が増える。
はたして価値はどちらが高いのか。自分で値段を付けるとしてもやっぱり前者の方を高くするだろう。
陶芸ならばまず一番安いのは量産品で型で作るもの。ろくろで挽くもの。そして多分もっともその価値を理解されやすいのはてびねりで作られたものだろう。
コピーできない、二度と同じものが似たようなものさえ作りにくいものほど価値を与えられる分野が多い中で、家具は一点ものとはいえ図面で計画されまさにそれを現実にコピーしていく計画性が最終的な完成度に大きくかかわり、他の分野とは評価が反転してしまう。
一点ものの価値を得ようと、自然木の様相を生かした耳付き一枚板の重厚な天板のテーブルを作り続ける人もいる。実際いまだにそのスタイルに対するニーズは多く、しかしそれは裏返してみれば、木工家はそれ以上のものは作れないという評価そのもの。
感性がなかなか技術を追い越せないところは、ちょっと写真と似ている。
これは僕にとっても重要なテーマではある。
明日は大学の授業がある。
間に合うのかコレ。