相欠きと写真デビュー
2013 年 6 月 5 日 by SIGN
寸法切りした角材を、相欠きで二本組みする箇所だけ先に加工した。
組木風のノックダウンということは接合部を接着せず、それでいて強度を持たせながら手で分解できるようにしなければならない。つまり締め過ぎず、ゆる過ぎずという微妙な精度が求められる。
単純な相欠きとはいえ慎重に作業していたら半日かかってしまった。
昼過ぎ、それらができようかという時、電話が鳴った。写真茶話会に参加されていた女性からだった。
茶話会の最終回に参加された方々の作品はその日すべて編集作業まで完了し、一応の完成となった。しかしそれは選別作業上のプリントの状態であり、本番のプリントや額装、製本といった人に見せる形にはそれぞれで仕上げてもらうということにした。
電話の女性はそれを一冊の写真集に仕上げるということだった。そしてそれができたので見てもらいたいと。
即答で「いいですよ」と返事をし、切りのいいところまで本業の作業を進め、作業台の周りだけ掃除をしてその女性が来るのを待った。
その女性は写真館の奥さんであり、写真館の娘として生まれ育ち現在に至る。しかし先代のお父さんが引退されるまでずっと彼女は写真を拒絶してきたそうだ。撮るのもイヤ、撮られるのもイヤ、写真館がイヤ、写真は嫌い。
お父さんが仕事をされるお店に近付くことすら避けてきたらしい。
そして世代が代わり、娘夫婦にその写真館が引き継がれることになった。そこで彼女は今まで触れることもなかったカメラを持ち、一から写真を始めてみようと思った。まずは写真を楽しめるようになりたい。そういう思いでうちの写真茶話会に来られるようになったのだ。
そんな彼女が嬉々として、出来上がった写真集を僕の前に差し出した。僕がそれを開く前から、それが完成した喜びを伝えずにはいられないようで、「うれしい」と「ありがとう」をくりかえしくりかえし。また1ページ開く毎に一枚一枚の写真を解説してくれた。
驚いたのは最終回で編集した作品から少し変更されていたことだった。その後自分で差し替えた写真もあり、また撮り直した写真もあった。僕が提案した変則的なレイアウトもブックの規格にあわせてアレンジしてあった。そしてそのどれもが理にかなっていた。さらに良くなっていたのだ。
作品はとてもあたたかみのある良い本になっていた。いい作品だ。もう大丈夫でしょ。
その写真集も見たいですね。
私は、詳しくは立ち入れない部分もあるでしょうが、すごいことですよね。
私も、申込み用紙のダウンロードまでいきました。
週末、それを貼って送付し、申込み完了とします。
みなさんがんばってますね。僕はまだです。
印画紙をRCからバライタに変更し、全部はじめからプリントしなおしてるので、まだ三日以上かかりそうです。
でもそのおかげで、ほかにも見落としていたいいカットが出てきて、内容的には良くなりそうです。
来週は忙しいので、完成するのは再来週です。きょうもこれからプリントします。
たしかにこの本をみんなで見れないのは残念ですね。
お二人とももう少し。渡りきって下さい。
いい仕事してますね、いろんな意味で
ありがとうございます。素材がいいからです。
いい素材が集まってきます、なんて履歴書には書けませんよね。