接合部の目違いを削り取り仕上げ磨きをした後、荷重のかかるところに補強のビスを入れた。
椅子やテーブルに比べ部材の幅が広いとは言え脚間のスパンが長く、常に動く人間という荷物を宙に浮かせ続けるというのは未知の荷重だ。
オーダーメイド家具というのは試験的なことができなくて、作るものはいつも最初で最後だから設計には予想が重要な鍵となる。一点ものはお客さんにとっては贅沢なことだが、作る側としては非常にスリリングだ。しかし恐れていては作れない。迷っていては進まない。そんな判断と行動がともなうようになるのはいつ頃からだろうか。
今日はその後上下のジョイント穴をあけて、各部の面取りと磨きをした。朝から夕方までフル稼働してもそれだけ。このあたりの作業は形もあまり変わらず見た目はゆっくりと動く。
作るものはいつも最初で最後。いいことば、いい仕事ですね。真剣なものづくりの工程を拝見させていいただくたび、自分の仕事もそうでありたいと思います。子どもは、どんなすばらしい家具よりも高級ですから。
その通りだと思います。家具が作れることなんてたいしたことではないです。僕のやっていることはただ自分に属することとして価値を求めたいだけだと思います。この世に対する関わりかたは僕自身の名前なんだと感じるようになりました。