自分で描いたイメージスケッチを図面に変換する。各部の数値を洗い直し実際の加工を想定したバランスに辻褄を合わせる。ここで自分の思い描いたイメージのいい加減さに気付き、またそれを整然とした数値に都合良く置き換えていくことのつまらなさも感じる。
イメージを優先すれば数値は複雑になり、数値を優先すればイメージから遠ざかる。
また時として偶然にも図ったかのような数値のおさまりを見せるケースもある。それは不思議で快感だ。
今回の図面はほどよく複雑。複合的な構造を持つ二段ベッドは久しぶりに部材の多い家具になりそうだ。
図面を書きながら使用する材について迷っている。高級感を出すためにウォルナットでいこうかと思っていたが、重量のことを考えるとこのままだと軽量化を考えないといけない。ウォルナットより比重の軽い材を使うべきか。
こんな時代だからやはり耐震性は避けて通れない。上にあるものを軽く作らなければならないのに上下が同じ性能であればバランスでいうと上の方が重くなる。かといって補強の部材を入れると人の出入りがしにくくなる。
すなわち材そのものの剛性が必要となってくる。固くて軽い材かあ。それでいて高級感がある色と質感。チェリーかマホガニーか、鬼グルミを着色か。
図面はもう少しかかりそうなので、材に関してはその間もう少し悩むとして、問題は軽量化だな。今のままだとかなり重い。
と、製作日誌を書いていたら携帯にメールが届いた。東京のオペラシティで展覧会が始まったらしい。「みにきてよ!」とかいつもの調子だけど、なんかすごいことになってるやないか。
ちょうどこのベッドが東京納品なので見に行けそう。25日のトークイベントには無理かなあどうかなあ。
開催は6月23日まで。