先月末から打ち合わせをしていた勉強机の最終図面ができ、作業に取りかかった。
今日は天板のはぎ合わせと部材の木取りをした。材はブラックチェリー。
ブラックという名前でありながら、削ってすぐの色はピンク色をしている。これが作っている間にも変色していき、塗装をするとオレンジっぽい茶色に変わる。
ブラックというのは黒という意味ではなく、赤身ということなのかと解釈しているが定かではない。実際このブラックチェリーは経年変化でみるみる変色してチョコレートブラウンになり、水拭きなどよく手入れされる方のもとにおいては水に含まれる鉄分によっても黒色変化していく。またよく触れる部分は色の変化とともに艶も出やすい。
そんな経年変化がお好きな方にはおすすめの材ではある。もちろんそれには木が呼吸できる塗装でなくてはならないが。
そんな風格あるチェリーのビンテージ家具を完成形と考えるなら、僕の手を離れそれを使う人によって何十年もかけて完成させるものであり、またその人にとっての完成品はどこにも売っていない。
今回の依頼者は以前、同じブラックチェリーのダイニングテーブルを納めさせていただいた方で、この春お子さんが小学校入学ということでご注文があった。
あれを納めてもう何年になるだろう。とても気に入って使われているとのことで「同じ材で」というのもチェリーに惚れてしまったのかもしれない。
新品との比較も面白いだろうな。どんなふうに変わっているのか再会が楽しみだ。