お母さんの仕事机にとりかかる
2012 年 10 月 4 日 by SIGN
以前保育所で木工教室をさせていただいた時に参加していた子どものお母さんから依頼があった。
仕事机を作ってほしいということだった。
そのお母さんは靴下にかかわる内職をしておられて、今作業台として使っているのは子ども用の脚の折り畳める小さなテーブルらしく、天板の面積が足りないのはもちろん折畳式の脚も低くて多分不安定なんだろう。
ある日保育所の駐車場で呼び止められ、「こういうものが欲しいんですけど、作れますか?」と申し訳なさそうに訪ねられた。自作を試みたのだが加工が難しくて断念したらしい。そして、僕のことを思い出したということだった。
「簡単に作ってもらっていいんですが、おいくらくらいかかりますか?」と聞かれ、即答できない。
これは仕事か?いや違うんじゃないか?しかし気を回し過ぎると失礼になるかも。どうする。
「その大きさでその作りなら3万円くらいでしょうか。」
僕としては低めに言ったつもりだった。だけど。
「ああ、やっぱりそんなにするんですね。」
そのお母さんの表情が恥ずかしそうに少しこわばった。ああやばいちょっとまって。
「いや、作り方次第で値段は調整できますから、だいたい予算はどれくらいでお考えですか?それに合うように考えますから。」
「すみません、ちょっと考えさせて下さい。」
と、その時はそれで、予算を検討してもらうことと絵を描いて寸法を書き込んでもらうことをお願いして別れた。
その後、一週間ほど連絡はなく会う機会もなかった。
ふたたび道で呼び止められたときには、そのお母さんの手にノートの一片があった。そこには簡単な図面と寸法が書き込まれていた。娘さんも一緒だった。というより娘さんが付き添うかのようで。
それを差出し、「こういうものなんですけど、1万5千円から2万円くらいでできますか?」
「わかりました。考えてみます。」
よかったと思った。注文してくれさえすれば。
「最悪2万円でもいいですから…」
!最悪?あー、
「1万5千円でいいですよ。大丈夫なんとかします。」言っちゃった。
というわけで、いろいろ工夫しながら作っています。
あーあ 言っちゃったー
私も以前同じ事で「はい、ご苦労様」になる事数知れず