あまり代わり映えのしない写真だが、少しずつ数は増えていっている。
バイトをしながらなので作品制作もなかなか進まない。今年も花火の打ち上げのバイトをしている。
ご近所に住む花火師の知り合いから誘われて去年からこのシーズンだけ手伝わせてもらっているのだ。
経済的にはバイトをする必要があるとはいえ、めったにできることではなく、やりたくてもなかなか出会う機会もない仕事。
しかしその世界に入ってしまえばその世界なりの安定した機構というものがあり、国内においてはほとんどの花火大会は数社によってまかなわれている。地方にある小規模の会社は地元の花火大会や大手の現地サポートに入ったりして動き回り、人を喜ばせる興行を行っているというよりも、この日本の夏という戦場をどのように攻略するかみたいな印象を受けた。
2年目にして僕は階級が上がり、煙火消費保安手帳(免許証みたいなもの)をもらい、赤い腕章をつけて作業をしている。
それにしても僕は木工の道に入ってから、いろんな世界をのぞかせてもらっている。
自分としては何か一筋の生き方をしたいと思っているのに、オーダーで家具を作るごとに、またその他においてもいろんな人の世界を見てそして体験することになってしまう。知りたいと望んでいるわけでもないし、何でも屋なんてしたくないのに。
そしてどれもがお試しセットみたいな一過性のものばかり。ただ見よ、と言わんばかりの。
これがいったいどんな結果をもたらすのだろうか。なんのためか分かる日が来るのだろうか。
思いに反し、どれかを手に入れてじっと眺め続けることができない。
選択肢には、この夏を乗り切ることしかない。
うちの父も花火の手伝いに行ってました。
人から必要とされて声をかけてもらえるって素晴らしいじゃないですか。
どんな職種にもその世界なりの光と影があります。
パッと咲いてパッと散る、まさに夏の花ですが、どこか寂しさを感じたりするのは、私の心が揺さぶられるせいでしょうか?
私も何でも屋をしたいわけでもありませんでしたが、仕える事と書いて仕事というように、誰かの役にたてて食わせていただけるなら何でもいいと思えています。
今の人生が全てではなく、今これを味わっている事の後の意味を思う時とても意味深い経験をさせてもらっていると感じています。
長野は東北と並んで花火師が多いです。
長野市の花火大会は11月23日で全国で一番遅い、こちらでは冬の花火と言ってもいい時期です。
白い息の中で咲かせる大輪の花は澄んでいて綺麗です。
長野や東北って本場ですよね。
そちらの花火大会は規模が大きくて、現場はまさに戦場の様でしょう。
火薬は工場を出ると移動中以外はどこかに置いておくことができないので、ほぼその日中に設置します。何万発なんて想像を絶する仕事量ですね。
その世界なりの光と影、影も知らなければそれで済むのに。
何でも屋と言っても電気屋さんはどれも本職以上の仕事をされるからいいんですよ。僕なんかはどれも中途半端で。ほんと、見せてもらってるだけです。
冬の花火、きっと音の伝わり方も違うんでしょうね。
耳が痛くなる程の寒さの中での音の広がりは、そう思って聞くだけで何所か思い入れがちがうように感じます。
それよりも周りじゅうが山に囲まれているので、
ひゅー、、どおおぉん、、、、どわぁん、どわぁん、どわぁん、、
という
こだまでしょうか、、いいえ山鳴り みたいな残響音が独特です。
追記、私はどれも本職さんには足元にも及びませんよ。
ただ、お客さんにも自分の身の丈を話して
「キチンとした仕事をお望みならキチンとした金額を払って頂ければキチンとした方を紹介します。こんな私の仕事で良かったらどうぞ~」
と、オープンにしているから失敗を恐れずチャレンジできる所でしょうか。
花火の話も仕事の話も、色んなことを考えさせられます。
自分がもし、と。
人の役に立つことを考えてみます。
カンボジアの栗本さんが、「仕事がないなどというのは嘘で、自分の思う条件で雇ってくれるところがないだけじゃないか。甘えるな」という意味のことを言っておられたのを思い出します。そのとおりだなと思いました。
私はカンボジアの子どもより日本の子どもの方がかわいそうだと思っているので、取りあえず今の仕事に留まっていますが、時々がまんならん場面もあります。いつまでも無事でいられるかどうかはわかりません。
生き方に関わるような選択を迫られる場合も出て来るかも知れません。さて、もしクビになったら何をしようかな?
また人んちだと思ってそんな大胆発言を。
なんかヒヤヒヤします。
「自分の思う条件」は自尊心だと思います。それを育むために彼等に働いて生きていく術を身につけさせようとしておられるのだと感じていました。
「自分に制限しない」と自由にはなれますが、制限は自分で負った責任でもあると思います。責任を負わなくなることが順序としては先だと思います。
それは。