「くらげスツール」に決めた
2012 年 4 月 21 日 by SIGN
テーブルの塗装も終わり、すかさず次の作品へ。
残された一週間で作るものは「くらげスツール」に決めた。
こないだひらめいた個展のテーマ「フリーハンド」といえば、去年の震災後茨城県笠間市で開催された陶炎祭に出品したスツールを思い出した。
被災地で開催されるイベントにいったい何を持っていけばいいのかと考えて作ったものだった。
テレビでも報道されたように、出店する作家のほとんどが震災で被害を受け、また買い物にくる人々も被災して交通手段やライフラインが寸断され食料の調達さえままならない生活を経験した人々だった。
ただ普通に買い物ができることが幸せだと、イベントに来たあるお客さんが言っていた。
そんなところに、そんな人たちに家具を作るということで自分の思いをどれだけ伝えられるのか。
とげとげしい自己主張はいらない、売る気満々の商売っけも不似合いに思われた。
気持ちがそのまま形になればと、図面も引かずただ手が動くままにと思って作ったのが「くらげ」だった。
それが個展の作品として、SIGNの家具としてふさわしいかはわからない。やってみて、理由は後付けだ。
ひらめきを信じてみる。