ナラ材の天板の厚みは40ミリ。結構迫力がある。
そしてその天板に大胆にもこんな加工を加える。ちょっともったいないけど作品だからこそできることで、こんな挑戦的な加工はオーダーメイドだとやはり敬遠される。
これがもたらす効果は、後ほどお楽しみにということで。
そもそも天板に大きな加工を施すことは、タブー視されているかのようだ。
ほとんどの木工家具ではエッジの加工にとどまり、シンプルデザインの流行とあいまって、誰の作品も天板は直方体を基本とするものが多い。耳付き一枚板民芸調は別として。
円や楕円というのもあるが、やっぱり裏面を彫り込むようなことはあまり見ない。
削って減らして歩留まりを気にすることもあるだろう、大事な木材だし。
デザイン的なバランスも難しいし、加工も失敗したら天板がパア。挑戦する気がなければ。
その後の脚部の変更があった場合に平らな方が融通がきく。その場合穴さえも空けたくないんだろうけど、はたして変更することってあるのだろうか。しかし、一般的にテーブルのデザインに凝る場合は天板よりも脚部のほうかもしれない。
アリ桟反り止めを重要視する人もいる。でも反りのメカニズムを考えればなくてもいいケースも考えられ、逆に下手に裏面に補強を入れることで大きく反ることもある。
とまあ色んな意味でリスクがある天板加工ではあるけど、それをやっちゃおうと思った瞬間に、テーブルという機能性や耐久性を最重要視されデザインに幅のない「台」としての家具に、ちょっと可能性を感じ始めた。