チョーお得はない、さあ作れ
2012 年 3 月 19 日 by SIGN
オーダーメイドのダイニングテーブルの製作に入った。
最初に問い合わせがあってから何度かメールでやり取りし、ご自宅に伺って打ち合わせもした。
マンションにお住まいなのだが、少し変わった間取りで、その空間をどのように使うかによってサイズも形も変わってくる。
条件がいくつかあり、それを満たすデザインを提案させていただいた。細かい部分でなかなか納得いただけるものにならず、何度か書き直しまたそれについて説明し、またご希望を聞き直しと、メールでのやり取りが数カ月に渡っていた。
材についてもご自分で調べられて、いくつかご希望をお聞きしたものの現在なかなか手に入りにくいものもあり、いろいろ迷われた結果ナラ材に落ち着いた。
今日は天板のハギまでと、脚の角材を張り合わせて作った。幕板のないテーブルなのだ。
簡単そうに思えた構造も、脚部の接合をどうするかというところから考え始め、既製品にはない形を目指す。
専門家としての立場からその希望を叶えるために挑戦を試みようとして、お客さんが見たこともないような脚の付き方を考えても、専門家ではないお客さんが理解できないことに否とするなら、それはまったくの空振りに終わる。
そこがオーダーメイドの難しいところ。作品であって作品ではなく、といって作品性は求められ、自分でデザインしているようでご希望を優先することになる。
そこで洗練されたものが出てくるならと、落としどころがまた難しい。
値段はデザインではなく木工の作業に対してつけるので、それらを悩むのもおかしい。
デザイナーの人はどうやって値段を決めるのだろう。よく「実費で」というけど、なんのこと?かかった日数?だとしたらいいなあ、長引かせた分儲かるってことだから。こっちは息止めて走ってるんだから。