手練集団を相手に手に汗握る
2012 年 2 月 3 日 by SIGN
以前ワークショップをさせていただいた保育所の主任先生からの依頼で、この地域の3か所の公立保育所の先生35人を対象に研修として、SIGNの出張ワークショップ『自由な造形:フリーハンド』と『積み木パズルを作ろう』をさせていただいた。
市の文化会館の大研修室を借りていただいて、参加者全員そろわれた時にはなんとも言えない空気が漂っていた。
全員女性ということもあり、また以前の報告でも書いた通り、あの手強い幼児が相手の現場の勇士でもある方々であり、子どもたちと接している時の雰囲気とはまた違った裏側の顔でこちらを見つめられていた。
挨拶の後、場をなごませようとしゃべったことも上滑りして、久しぶりに汗をかいた。
彼女たちはプロとしてこの研修に参加している。お楽しみ木工教室とは違うということを感じ、方向修正した。
保育所で実施した時の状況、子どもたちについて感じたこと、効果、このワークショップの意義などを説明し、それを皆さんにも体験して欲しいと。
そしてまずはウォーミングアップとして『積み木パズル』を作ってもらった。
30セット用意したパズルは、完成品をそれぞれ10セットずつ各保育所で教材として活用していただくことになっていた。
驚いたのは、図面を見ながら組み立てていく作業が異常に早いということ。パース図面を見ながら迷ってもらうからこそこちらの思惑のワークショップとなるはずが、あっというまにあっけなく完成してしまう人が多く、さらに完成したもので遊び始めてまた簡単に立方体に組み上げてしまう人が次々と。そしてほとんどの人ができてしまった。
まともにこのワークショップだけやってたら時間がかなり余ってたかも。
そして本番のフリーハンドのほうも、日頃子どもたちに手づくりの教材を作っておられるだけあって、どれもイメージがしっかりしていて、ストーリー性のあるものばかり。
ランダムに加工してあるはずの木片の中から、同じ形状のものを探し、パターンで複数作るという傾向も見られた。
子どもの作るドールハウスと違って、スケールが統一されている。
どさっと箱に入った木片や積み木状のブロックからこれだけのものがイメージできるなんて、しかも1時間以内でみなさん完成。すごい。
しかしこんな迫力のある作品もあったりして、ちょっと安心したり。
今回こんな一面からではあったけど、とにかく保育士の先生はポテンシャルが高いということを感じた。
僕なんかが前に出て講師をするなんて、材料提供だけでも十分こなせたかもしれない研修だった。
それを見られたことが僕にとっての収穫だった。
SIGNさんのされるワークショップは参加・見学など、とにかく絡んでみたくなります。
出来上がった作品の写真を観て内容の豊かさを感じます。
一番のポイントは、挨拶後の上滑りしたお話のところでしょうか。
森本レオ調の語りがどうなったのか、興味津々です。
きっと人柄がにじみ出たでしょう。それは、単純に受けるより女性ばかりの保育士さんには効果抜群だったかも、と思いますよ。
「保育所で実施した時の状況、子どもたちについて感じたこと、効果、このワークショップの意義など」「パース図面を見ながら迷ってもらうからこそこちらの思惑のワークショップ」
このあたりのことはぜひぜひ聴きたいです。また、よろしくお願いします。
ご苦労さまでした。面白そうじゃないですか?私も保育士相手に何度かワークショップしたことがあるけど、いずれもいい体験でした。保育士の研究大会のオープニングで歌ったこともあるぞ。女性に取り囲まれるのは悪くないです。現場で培われた経験って馬鹿に出来ません。ちっちゃい子たちほどごまかし効かないですから。
銀じ郎さん
最初の自己紹介のような話で言い回しを少しコミカルにしゃべったら、すごく場違いな空気が。それでその後切り替えてまじめに保育所で実施したことの報告をしました。
最前列の人にはしたたる汗を見られたかも。
その話の内容は以前ブログに書いたようなことです。「教室のご案内」に関連記事のリンクがあります。
積み木パズルのワークショップは作ることも空間認識のクイズみたいになっていて、パース図面は各ピース一方向からしか見えず、いくつあるのか、どのように組み立てれば効率が良いか、精度が出るかということを言葉ではなく図面の構成と色分けがヒントとなっています。
そして、ばらばらに組み立てたピースを組み合わせて立方体にできるか、できなければもしかすると作り方に間違いがあったかもしれないとか、がたがた隙間があけば精度が悪かったと気付くわけです。
こちらは悩んでいるところを見て、しめしめと思うはずが、あんなに簡単にやられると、追加のヒントを出す間もなかったです。
接する子どもたちのタイムリミットが短いから頭の回転も早くなるんでしょうか。複数同時対応の能力も関係しているのかもしれません。
Saltさん
面白そうって、そんなこちらが楽しめるような余裕はありませんでした。
ましてや女性がどうこうとか。Saltさんみたいに肝据わってませんから。
わざわざ研修だとか集められて、この人何を教えてくれるんや、みたいな値踏みするような視線が向けられると、そのとき女性という認識は吹き飛びましたね。いつもと全然違いました。
わ、この人らプロや。って。
ごまかしきかない世界で生きてる感じします。