知らなきゃ難しくはない
2011 年 2 月 16 日 by SIGN
その素晴らしいウォルナットの板をずらっと並べて木取りを考える。
今回部材は少ないが、それだけにひとつひとつの顔がはっきり見えるデザインとも言える。
こうして並べると一枚一枚それぞれに表情があり性格があって、シンプルなデザインに当てはめるのが難しかった。
もちろんデザインしてから材は注文するので、寸法や必要な材積にはマッチしているものの、同じウォルナットでも、いやウォルナットだけにそれぞれが個性的で。
チョークペンシルで板に木取りを書き込み、それさえ終わればざくざくっと思いきってカット。ウォルナットは木目によって、ノコを入れると応力が抜けてぐわっと曲がったりする。それを少しずつ手押し鉋盤で整形していく。形さえ整えば、あとは安定した材ではある。
加工は脚部から始めた。
脚になる角材は3枚張り合わせで作ることにした。
無垢の角材でもいいとは思う。これでは余計に手間がかかる。しかしその方法のいいところは、精度が出しやすいこと、好きなサイズを作れること、そして変形しにくいこと。
もちろん、張り合わせのノウハウというのもある。
今日の作業でこのウォルナット、ほんとにいいと思った。
読んでいると、このウォルナットに限らず、木という素材の魅力が改めて伝わってきます。きっと職人魂をくすぐられるんでしょうね。
ほんとに材によって色々性格があるんですよ。
そんなこと木工家なんだからいちいち感動しなくてもいいのかもしれませんが、木材の本や木工大辞典みたいなのを見れば書いてあることなのかもしれませんが、先人たちと同じように触れて自分で気付くのも楽しいです。
そういう情報なしで実体験だけで作ってたら、南海の孤島で独特の適応を見せる動物のような家具ができるかもしれませんね。