大阪-奈良は必ず山を越える
2011 年 2 月 15 日 by SIGN
朝から乾材木商店さんに電話をかける。
月末納品予定のダイニングテーブルに使うウォルナットをお願いした。
ウォルナットで作って欲しいというお客さんからの希望で、去年から乾さんにはお願いしていた材だった。
生産地で製材されたものではなく、国内で製材された良質のウォルナットは少し割高だったが、お客さんの判断で質の高い方を使わせていただくことになった。
またもや昨日の大雪でこのあたりは雪景色となり、工場の前の坂道も積雪と凍結で午前中は配達も困難と思い、乾さんにはその日の配達の最後に回ってもらうようお願いした。
ちょうど今日師匠の永田さんのところに行く用事があったとかで、その後にしてもらった。
最近永田さんに会ってないな。
会いに行こうと思えばいくらでも行けるのに、こんな雪に閉ざされた日に思い出すとなんだか妙に遠く感じる。
永田さんのすぐ近くで二人でやっていた弟弟子が解散するという知らせの葉書が届いた。
向こうはどうなってんだろう。
来るわけでもなく電話でもなく、今どきメールでもなく、葉書っていうところがかえって返事しにくくて心配になる。
材木が届くまでに年末年始頑張って持ちこたえてくれた手押し鉋盤の刃を交換することにした。
最初の頃は要領が分からなくて、調整にすごく時間がかかっていた。
三枚の刃を回転するドラムに平行に同じ高さにセットする。調整は100分の1ミリ単位。何度もやればできるようになるもんだ。それだけ仕事をしなきゃならないってことだ。
4時頃、乾さんが到着した。持ってきてくれたウォルナットを見てちょっと感動してしまった。確かにきれいだった。
現地びきと違い、同じ35ミリ製材でも精度が高く、普通なら35ミリから加工段階でとれるのは30ミリくらいなのだが、これなら33でもいけそうな感じだった。天板を少し厚めにできるかも。その分値段は高いんだけど。
そう、あまりにいいものを手に入れた時って、焦りに似た不安がよぎることがある。ああ買ってしまったよ。
今回仕入れた分で10万超えるって。でもいいものだから、と慰めるように僕に言って乾さんは帰っていった。
ここに来る前に永田さんとこに寄ったって事は、これを永田さんも見ているということで、「あいつどんなでかい仕事すんねん」と思われてるだろうな。