パーテイションも塗装の前の段階まで進み、今日は午後から依頼者の美容師さんが見にこられた。
これに施す塗装を決めてもらうためだった。
マホガニーという材を僕は今まで使ったことがなく、経年変化でどのようにどれくらい変化するのかを自分の体験としては知らない。
よく目にするマホガニーの木製品は赤茶色をしているし、ギターのボディーに使用されているのは赤みがかったオレンジというのもある。
もちろん塗料自体に色がついたものを使用しているのだろうけど、その色のイメージを依頼者の方も持たれていたようだ。
塗装のサンプルで用意したのはクリアのワックスを塗ったものと、そのワックスに赤の顔料を混ぜたもの。前者は明るいオレンジで、これがもしかしたら次第に深みを増すのかもしれない。でも保証できない。
後者は導管から色が染まってしまい、マホガニーらしさが失われてしまった。
類似品、代用品といわれるニヤトーや赤身のラワンでは、みるみる色が濃くなり、古い壁材などに見られるこれらの材の黒ずんだチョコレート色にまで変化しているのを見たことはある。はたして本物のマホガニーはどうなるのだろうか。
そのあたりに自信がなくて、結局依頼者の希望通り市販のマホガニーカラーのワックスに赤の顔料を少量混ぜて、いわゆるマホガニーの色を再現し、トップにクリアのワックスを塗ることになった。
これなら当分マホガニー色でいてくれるはずだけど。
塗装は難しいですよね。
一般にチェリーやマホガニーは着色しなくとも強い日に当たるとかでなく良い状態で保てば
100年経てばあのチェリーやマホガニーの色になりますが、
現実的ではないので様々迷いますね。
さすが、と思える選択で良いんじゃないでしょうか。
導管の着色が強めに出る時は一度クリアか薄めのステインで塗ってからだと、濃い色でも導管に入らないのでいい感じになる事もありますが、手間とやはり木は生き物ですので一朝一夕に行きませんね、まあそれが楽しいのですが、、。
今年は寒いのでお体に気を付けてお仕事なさってください。
一日通算1時間くらいは、薪ストーブの前でぼーっとしています。
今年は燃料の消費が早く、木屑はのこりゴミ袋一袋となりました。もっと仕事して木屑を作らないと。
着色は材によってはいいと思うんですけど、せっかく100年の歴史を刻めるマホガニーには木目や本来の色を損なう着色はもったいないかなと思いました。
この顔料の発色が終わるまで、5年目くらいの色であり続けるわけですから。
ギターなら「これマホガニーなんだ」「ほんとだマホガニーの音してるね」みたいなことがあるんですが。