なんだこれマホガニー!
2011 年 1 月 14 日 by SIGN
壁の下地となるフレームが組み上がった。
ここまでの作業で感じたこのマホガニーという材の素晴らしさ。
高級材と言われ値段の高い材料の条件というのは、ひとつは希少種であることがあげられる。産地が限られ、生産量も少なく、絶滅が危惧され伐採にも制限がかけられている樹種は当然高い。昔はそんなでもなかった木も、乱伐などで数が減り、今後の育成もあまり見込めないものはどんどん値段が上がっていく。
今や木材全体にそういった傾向が見られるから、値段の高い樹種が必ずしも性能のいい材であるとは言い難い。
しかし、ずっと昔から家具や木工品の材料に用いられ、高級材として扱われている材については、その性能もやはりその理由であると再認識した。
マホガニーはすごい。初めて使ってみて感じた。
その良さは実は作り手が認めるところであると。
交錯木理であるため、木目が湾曲しているところはかなり暴れやすく、応力が抜けた途端べろべろに曲がる波打つ。しかし細かく砕けやすい木繊維は逆目が起きにくく、摩擦係数が高いのか鉋の刃もかかりやすい。ヤスリをあてると微粉末になって削れ、表面はなめらかに仕上がる。なめらかなので手触りは硬く感じるが、性質としては柔らかいほうで、比重も軽い。
まさに、どんな形にでも加工できそうな気がする材なのだ。
机の天板には向かないけど、重厚なデザインの脚ものでも軽量に仕上げることができそうだ。
どんな材でも性質を知って使いこなすことが大切だけど、マホガニーを常用できる木工家は幸せだと思う。
長野県で見た、とある木工家さんは、一生分のマホガニーを在庫していると言っていた。その時は、なんだお金持ちか、と思ったけど、木工家として生涯を終える覚悟があるなら、全財産はたいても借金してでも自分が使いたい材を一生分手に入れる価値はあるのかもと、今は思う。
ギター作りたくなった?
いえ、そんなことはないです。
でもギターにこれを使おうと思った最初の職人の気持ちはちょっと分かった気がしました。