今朝、師匠の永田さんから連絡があった。週末開催を予定していたプロップスフェスティバルを、延期するということだった。
「天気予報見とらんのか」
ここ最近冷え込んできて、天気は下り坂な気がしてはいたが、とにかく残された少ない時間でどこまで作れるかということばかりが頭にあって、肝心のイベントを開催できるかどうかなんて考えもしなかった。
どうも台風も近付いているらしい。
思いがけず、制作時間が超過された。
これであせらず組み上げ作業ができる。ウィンザーにおいて最終段階の組み上げは、それまで行きつ戻りつしながら寸法や角度を計算してきた、すべての辻褄が合わさるところ。
図面上では寸法も角度も出ているにも関わらず、実際はほぼ現物合わせという、それでしか作れないところがこのスタイルの面白いところで、他の框組みなんかのスタイルとは性格の違いを感じる。
原始的でありながら、美しい。
「時は金なり」というけれど、最近僕は別の意味でそれを感じている。
時間がない時にはほんのわずかな時間が、金がない時にはほんのわずかな金が、心にゆとりと安らぎを与えてくれるものだと。
この言葉を「時=金」と書き表わすとすれば、その先の続きに「時=金=X」があるような気がする。そのように時も金も作られたのではないだろうか、と。