昔を今評価できることってなかなかない
2010 年 8 月 6 日 by SIGN
今日久しぶりにミニカホンを作る木工教室をやった。
カホン休止宣言をしてから、それもお休みのはずだったのだが、今回受講されたのは2年前の夏に問い合わせのあった方で、その時都合が悪くなってキャンセルされた方だったので、それは僕の中でやらなければいけないような気がして、開講することにしたのだ。
大阪で建築関係のお仕事をされている方で、受講するのはその方の息子さん、小学5年生だった。その子が以前行けなかったことを覚えていて、この夏行きたいと言い出さなければ、きっと大人の理屈では再挑戦はなかっただろう。
作業中の真剣なまなざし、普段体験することもない木屑や粉じんによる鼻炎に悩まされながらも、頑張って最後まで作り上げた。
完成した時の彼の嬉しそうな表情は、「いつもはもっとよく喋るんですよ」とお父さんが幾度となくフォローを入れるほど黙々と話を聞き作業をしていた彼の、その日一番の笑顔だった。
彼の作ったミニカホンは、お世辞ぬきでよくできていた。
いい時間だった。
自分の仕事の方向性を憂いで、カホンを作ることをやめたのだけれど、あの頃はあの頃で、たくさんいい出会いがあって、いい思い出もあったなあと、今日の木工教室で思い出していた。