写真館ベンチのデザインをやっている。
現在第二案の検討中。
第一案は僕が作りたいもの、いずれSIGNの代表的デザインにしていきたいと思っているものを提案してみた。
お客さんに、僕の個性を出したものを、という言葉をいただいたので、そういう判断をしたのだが、どうも少し違ったようだ。
違う、と直接的に言われたのではなかったが、感触としてどこか違和感を感じた。だからすぐに、がらっと変えたデザインを考えて送ってみた。
それは僕の今まで通りのデザインのやり方で、その場所、用途、お客さんから得たキーワードをもとに、形を考えていくものだった。
そのデザインが気に入られるかどうかは分からないが、やり方としてどちらがいいのか、返事を待っている。
そもそも個性とは何か。僕はずっと自分の作風を確立したくて焦っているのに、そうではないのだろうか。
このオーダーメイドのスタイルが個性なのだろうか。でもそれは形やディテールとしての統一感にはならない。やはりデザインにこそ個性は認知されるのではないのだろうか。
最近とある美術系の出版社から作品を掲載しないかとの問い合わせがあった。
ぜひ、というがいったい僕の何を見てそう言うのか。
「作品一覧」とはしているものの、これらは本当は作品ではなく、それぞれ一人のお客さんのために作った家具なのだ。その評価はその人の中だけにあると思っている。
なのにどれを?
発表するべき作品は無いと、お断りした。
毎回デザインスケッチを何枚も描いていると、だんだんそれも上達してきた気がする。
初期に比べれば、という意味だけど。
師匠がそうしていたので、絶対に手描きで、最後はインクで描くようにしているんだけど、なんとなく絵が似てきたような気がする。
似せるつもりは全然ないのに。
「どこか違和感を感じた」
大事な事ですね。
私の場合はすべて任せると言われても相手が喜んでくれる仕上がりにします。もちろんクレームも恐いのですが、使う人有ってのモノだから私の好きなものは、彼らはそうではないかもしれない。どんなに素晴らしいものを作っても喜んでもらえないなら失敗と思います。
「考えていたよりずっと素晴らしい」とか棟梁とか匠などと言ってくださる方もいたが、棟梁は人を使ってしかも質を落とさない人で、人を雇うつもりのない私は、器が小さすぎますので、その旨穏便につたえますし、
「良くできたのはあなた方のセンスが良かったからで、あなた方の求めるモノを形にしていっただけですから、これをデザインしたのはあなた方で、私はそれを組み上げただけです。」と本当に思っている。
しかし、好きではない仕事はしたくないので、
私の仕事は何より相手を選ぶことにつきます。
この人ならと思える人の仕事、それが私のたのしみであり、原動力となります。
私の場合は個性というより方向性のある仕事となっているようです。
確かに。お客さんあっての商売ですもんね。
今の僕も方向性はあります。でもそれだけでは、と思うんです。
たくさんの中から選べる時代ですから、家具は。
僕の場合選ばれる方で、選ぶ立場ではまだないです。
少しずつ、判断すべき時が近付いてる気がするんですけど。
自分の場合はHPを拝見して、デザインこそ違えど湯浅さんの作るものに共通した「ぽかぁんとした」感じを好きになってオーダーしたことを思い出しました。だからデザインばっかりが個性じゃないようにも思うのですが、如何せん素人考えですからのぅ。。。
ですからのぅって、おおばさん。
ありがとう、僕はあいかわらずです。
東京生まれのおおばさんは帰省もないんですよね。ぜひお盆休みに表参道ヒルズへ行ってみてください。
東京行きたいなあ。