独り言か古い椅子に話しかけてんのか
2010 年 4 月 14 日 by SIGN
汚れを落としてみると、それまで気にならなかった傷や塗装の剥がれが目立ってきた。今回はそういうものをあえて補修せずに残していこうと思う。
もともとの塗装はなんだかペラペラの着色のみのようだった。トップコートの痕跡がないのだ。アンティーク風に見せるためか、わざとすり切れやすくしているみたいだ。
そういうことならと、この着色層に直接ワックスを塗り込んでいくことにした。長年手入れしながら使い込まれた椅子のように、ヘタりながらも輝きがある感じになればいいな。
ワックスを塗りながら、この椅子の細部が見えてくる。
量産品でありながら、手仕事の痕がうかがえる。そういう時代のものか。デザイナーの意に反して職人の手の荒さが目立っていた。この仕事は日本製ではない。素人が作ったにしては手の抜きどころを心得ている。きっと手間賃が安いんだ。
座面もビニールレザー用のワックスクリーナーで磨き上げた。ビニールレザーもここまで使い込むと、テクスチャーがすり切れて、ツルツル。この光沢はある意味魅力的に思える。これは張り替えたらもったいない。台座に乗った宝石ちゃん。
つまり、私は「宝石ちゃん」を所有することになるわけか。
このような、幸せな気分を味わわせていただけるんだから…
そろそろ、魔法の領域かも(笑
独り言なんで、お返事不要です。
実はちょっとだけ魔法が使えるんですよね….
これ独り言です。