塗装は焦ってはいけないという
2009 年 9 月 19 日 by SIGN
今日の作業はたんたんと静かだった。午前中出来上がったパーツを素地調整して組上げ、午後から着色塗装をした。
機械を使わないと、家具屋は仕事してるのか外からは分からないくらい実は静か。作業が塗装に入ると実に淡々としている。
「動く」というのは、木工においておもに「木が動く」つまり、材木の反りや変形をさす言葉である。これは「暴れる」とも言う。こっちのほうが激しそうだけど。
そしてもうひとつ「動く」を使う場面があり、それは塗装工程においての警告、戒めとして、自分や塗装作業をする人に対して言い聞かせるように使う言葉である。
「まだ動くから待て」「動くぞ気をつけろ」「大丈夫、もう動かないだろう」
おわかりだろうか。
ウレタンやラッカーやニスによる塗装も、SIGNでやっているオイルフィニッシュも、一回塗りでは終わらないことが多い。そういう塗料もあるが、今回のような着色をする場合や、強度や風合いを出したい時などは、複数回重ね塗りをする。この時、下に塗った塗料が乾かないうちに上に重ね塗りすると、下の塗料が溶け出し、色であれば重ねても濃くならないとか、クリアであれば艶が出ないとか。
この時間はひたすら待たねばならない。動くから。
というわけでその時間にガラス屋さんへ強化ガラスの天板を取りに行き、帰ってから2回目を塗り、その後12時間以上待つことになる。