丸山さんと丸山さんに会いに行く
2009 年 3 月 29 日 by SIGN
つまり音が響くとは。
朝9時に明日香の祝戸荘へ、丸山さん一行を迎えに行った。昨日言ってた木工の大先輩のお宅へ、みんなでお邪魔することになっていた。
僕が木工を始めたころに噂を聞いていて、いつか会いたいと思っていた方だった。またカホンを本格的に作り始めた時にも、いろいろお話を聞きたいと思っていた。というのはこの方、家具製作の傍ら、手工ギターも制作されていて、今やその道でかなりのレベルで評価され、メディアでも紹介されたことのある方だったからだ。
カホンの音質を追求するのに、同じ木で作る楽器としてのギターから、何かヒントがあるのではないかと考えていて、自分なりにギターの構造などを分析してみたが、もっと詳しい理論的な部分でアドバイスが欲しかった。
だからずっと、木工や楽器制作の先輩として気になっていたし、いつか会いに行きたいと思ってはいたのだが、なかなか機会がなかった。
それがなんと、こういう形で達成されるとは。ここからはその不思議話。
丸山祐一郎さんは、数えきれないくらいたくさんの楽器をどれも巧みに演奏される音楽家でありながら、スキーの技術にも長けていて、若い頃はアルペンスキーヤーだったらしい。その技術を生かし、冬のシーズンは斑尾高原でスキーのインストラクターもされている。そのスキー教室へ、つい最近、奈良県からの団体がやってきた。丸山さんはそのうちの10名ほどを担当されたらしい。その中に、以前ブログに書かせていただいた、僕に大切な言葉をくれ、一年前に亡くなられた高内さんの奥さんの友達という女性が偶然参加されていた。その女性は高内さんの奥さんから、音楽家としての丸山さんの話は聞いていたのだが、まさかこんなところで出会うとは思ってもみなかったのだ。そこで話がはずみ、3月の末に奈良でのコンサートが決まっていたので、その時にまた会いましょうということになったらしい。そこには丸山さんがどうしても再会したくなる理由があった。それはその女性のご主人が、奈良においては二人くらいしかいない手工ギターの制作者であるということ、そしてお名前が「丸山利仁」さんという、同じ丸山姓であるということからだった。
そこへ、ちょうどロシアからあのナージャがやってきて京都にいるというから、コンサートを聞きにおいでと奈良へ呼んだため、僕も当然の如く呼び出され、「丸山さん」が「丸山さん」に会いに行くのに便乗させていただくことになったのだ。もちろん、丸山さんは僕が丸山さんに会いたいと思っていたことなど知らず、ただ面白い人が奈良にいるから一緒に会いに行こうと言われ、またナージャたちが奈良で移動するための運転手として呼ばれたわけで当然同行せねばならない立場だったわけだが、僕がその丸山さんのことを知っているのを、会いたかったことを聞いて、丸山さんは俄然テンションが上がったというわけなのだ。
丸山さんに言わせれば、世界はそのようにうまくいくもんなんだよ、と当たり前のことのようだが、確かに少しくらいはそんなことも普通にあるかもしれないけれど、あまりにもハチャメチャに線をバイパスでつなげてしまう丸山さんって、カオスしかない世界に住んでいる人みたい。
そういういきさつで、丸山利仁さんのところへ行き、ギターの制作を拝見し、実際に作られたギターの音も聞けた。それも丸山祐一郎さんとはるこさんの演奏で。ロシア人一行と一緒に。
丸山さんは丸山さんのギターをすごく気に入ったらしく、すごく欲しそうだったけど、高くて手が出なかったみたい。それでもやっぱり弾きたいので、奈良でコンサートをする時には貸していただく約束をとりつけていた。
確かに素人の僕が聞いても、その音は感動的だった。
昨日はご来房ありがとうございました。楽しかったですね。
Blog拝見しました。優しくてセンス溢れる作品に好感を持ちました。
今後ともよろしく。
ありがとうございます。
maruさんにそう言っていただけて光栄なんですが、まだまだ方向性の定まらない荒い仕事ばかりです。
その辺の相談もまたお会いした時に。
こちらこそよろしくお願いいたします。