小学生の音楽ってなぜこんなに感動的
2008 年 11 月 18 日 by SIGN
以前うちの木工教室でミニカホンのキットを作りにきた小学校の先生がいた。度々このブログに名前が出てくる、雅魚(がお)君の通っている学校の先生だ。
雅魚君のお母さんから紹介があって、その学校の6年生にカホンを作らせて演奏する授業をしたいので、うちでキットを作れないかと相談を受けた。その前に一度、その先生が実際にミニカホンを作る木工教室を受講したいということだった。
もちろん、その話の内容からしても先生の熱意を感じるので、僕はどんな形であれ協力したいと思ったのだ。
木工教室を受講しに来られたのは、6年生の担任の先生と音楽担当の先生の二人だった。お二人ともすごく熱心で、作りながらメモを取り、写真を撮り、どうすれば子どもたちがうまくできるかを相談しながら受講されていた。
そして自分達も楽しみながら、そう、自分達がどこが楽しかったのか、作りながら何に感動したのかを伝えるために夢中になってミニカホンを一台ずつ仕上げて1日目は帰られた。
その数週間後、再び先生方はSIGNに来られ、今度はクラス全員のミニカホンキット40台分を作ることとなった。察するところ、おそらくその1日目の後は大変だったと思う。いろんな行事が重なる時期に、平常の授業や各業務をこなしながら、自分達が作ったミニカホンとレポートによって学校にプレゼンし、保護者に了解を得、特別授業を組もうというのだ。予算のことも、学校の実習費のやりくりや、各生徒負担の必要性も出てきて、大変だったろうと思う。
だから僕もミニカホン40台分ではなく、材料費とキット製作にかかる日数の木工教室代という形でお金はいただいた。あとはお二人の労働力で、ということで。
2日かけてキットは完成し、学校に持って帰って授業実施のはずだった。しかしその後連絡がなく、うまくいったのかどうか、少し心配していた。
そこへ届いたのが、ミニ音楽会のお知らせだった。添えられていた手紙には、授業は思いのほかうまくいき、普段落ち着きのない子も夢中で、そして穏やかな表情でカホンを磨いていたのだという。そして、この音楽会の準備のせいで忙しく、連絡が遅くなったことをお詫びします、とも書かれていた。
これは行くしかない、なにがなんでも。お土産を用意して。
というわけで今日行ってきたというお話。
兵庫県の宝塚市にある小学校だった。SIGNからは1時間ほどで着いた。
会場である体育館には、子どもたちが作ったミニカホンが壁際に並んでいる。それも、打面にそれぞれ好きな絵が描いてあり、サウンドホールの形は様々、これは楽しい!
そして先生とも再会。開演前で忙しそうなのに、いろいろ気を使ってくれて申し訳なかった。なんと会場の一番前に席を用意してくれていた。保護者は後ろなのに。
全然この学校のことなんて知らないし、二人の先生とがおくんに会ったことがあるというだけなのに、音楽会はとても感動的だった。
演奏や合唱の出来不出来ではない、上手い下手ではない、彼等が取り組んだ時間や、先生の努力や熱意がぶつかってくるようだった。
終わった後の話では、音楽の先生は自分への評価は厳しいようだったが、そうではないですよ、わかるけど。
片づけが済んだ後、僕が持っていったお土産を渡す時間を、先生が作ってくれた。
先生が手紙で、みんな木を磨くのに熱中していたと言っていたので、どうせ磨くなら杉じゃない木も磨かせてやろうと、積み木のようなブロックをいろんな木で作って持っていったのだ。
それで突然こんなことになったのだが、小学6年生に短い時間だったけど木や家具についての話ができて、なんかよかった。先生も、こんなに集中して見てくれるのは珍しいとか、質問で全員手が挙がるのは初めてとか、お世辞だろうけど言ってもらえて、久々の黒板の前に立っての授業に幸せ感じてしまった。
多分、こんなおっさんが珍しかっただけなんだろうけど、小学生の授業ってかなりエキサイティング。
来られてたそうですね。
その頃、私は落合恵子さんに会っておりました。
お忙しいのに宝塚まで足を運ばれるなんてすごいです。うれしいです。雅魚がこの世にいなかったら、出逢うことのなかったものや人が、いっぱいくっついてきて、不器用な体なのに、不思議な子です。
なんか、雅魚もカホンを使って5年生の合奏してたとか・・・。がおうまくしゃべれないので、細かいことはうまく伝わってこなかったり、母がいい加減だったりするのですが(笑)。
私は、あとでビデオで見せてもらうことにしまーす。
こんな機会を与えていただいて、ほんとにありがとうございます。
僕の仕事はお金の面ではあまり儲かってないですけど、お金に換えられないものにおいて、とても贅沢させてもらってます。雅魚くんのこともそう。
今回の音楽会は行って良かったです。雅魚くんの演奏も見れましたしね。でも先生の話では、自分のカホンでやりたい、小さいのは嫌、って言ってたらしいですよ。男のこだわりですね。
二人の先生の、普段の先生としての様子も少し拝見しました。やさしくてベテランの担任の先生、若くて理想の高い音楽の先生。音楽の先生の指揮する姿はかっこよかったですよ。あれは生徒も憧れるんじゃないかな。担任の先生には、終わりがけに30分も時間を使ってしまって申し訳なかったですけど、あんなきらきらした目で見つめられると、サービス全開でした。
昨日の放課後、6年生の女の子たち2・3人に出会ったので「湯浅さんのお話聞いたんだって?」と声をかけてみました。最初はピンときていませんでしたが、「カホンの家具屋さん」というと、「ああ!」と顔が明るくなりまして。
湯浅さんとがお、先生たちのつながりの話をしたら、「へ~、すごーい!」と驚いていました。「がおくん、奈良まで行ったの?」と、そこに一番感心されまして(笑)。小学生にとったら、奈良は遠いんでしょうね。それも、買い物するために奈良まで行くなんて信じらんない!って感じでしょう。
高学年になると、みんな素っ気無くなってほとんどお話しなくなってしまうのですが、湯浅さんトークで久々に6年生と交流できてうれしかったです。いつか彼らが大人の階段を上ろうとするときに、この経験(先生や湯浅さんの姿、ものづくりの快感)を思い出してくれるといいですね。
そうですね、そう願います。
奈良に行った、で驚かれましたか。う~んそれは微妙に問題を含んでいますな。商売上。
雅魚君と一緒に音楽を楽しんでる稲岡です。
今回の企画、私自身とても感動しました。ひとつの楽器から始まった出会い、その出会いが沢山の方に感動を与えられた事。本当に素晴らしいですね。小学生達も「カホン」と言う楽器を初めて知り、初めて作り、初めて演奏し、一生忘れる事の出来ない思い出になったと思います。このきっかけが一人でも多くの小学生が音楽の楽しさを知ってくれたら本当に嬉しいですね。
感動を有難う御座いました。 稲岡大介
稲岡先生、はじめまして。
雅魚くんのお母さんからいろいろ話は聞いてます。
>一緒に音楽を楽しんでる
という表現が、稲岡先生のすべてを物語っているようですね。
活動がんばってください。
稲岡です。お返事遅くなりました(反省)
応援有難う御座います♪♪
音楽が運んでくれた出会いを大切にしながら、音楽で楽しんでます♪
いつかお会いできる日を楽しみにしてます。
稲岡大介