教育に目覚めた女性と、浄化姉妹
2008 年 11 月 12 日 by SIGN
昨日の男話のせいで中断した続きを朝からやっていた。
この仕事を続けていく限り、誤解の上に届く便りもある。それをいちいち正すことも気分が悪いし、転送するのも面倒だし、破り捨てるのも気が引ける、何より食っていくためにはそんなことも必要だったりする。かなしいかな。
とにかく必要以上の仕事はしまいと、午後から来客の予定が入っていたので、午前中に仕上げてしまうつもりだった。
これは写真のプリントをのせるトレイ。子ども写真スタジオで、撮影した写真のプリントをプレゼンする時に使用するという。
まず一報、こんな仕様でこういうものが欲しいけど作れるか、と聞かれ、予算的には厳しかったが知り合いなのでyes。次にフリーハンドで書かれた図面をもらう。このとおりならなんとか短時間でやっつけられそう。で、半日の予定を組んだ。
午後からの来客というのはカホンのお客さんで、先日メールでの問い合わせがあった女性だった。
現在、公立支援学校で非常勤講師をされている方で、来春から高校教諭の採用が決まったのだという。教育大学で音楽を学び卒業したが、就職したのは企業のOLだったそうだ。しかし、何か違うと思い立ち、支援学校すなわち体に障害のある方が学ぶ学校での講師の仕事に転職した。そこでの活動でふたたび音楽教育に目覚め、自らの郷里で採用試験を受け、見事合格。これからの活動に思い描く日々。
そんなとき、学生時代に彼女の友人が演奏に使っていたカホンという楽器を思い出し、これなら教材として子どもでも障害を持つ人でも楽しめるのではないかとネットで調べていたら、このサイトにたどりついたらしい。
なぜか先生のお客さんが多いSIGNへようこそ。さらに支援学校とは。かなり縁が作用してるなあ。
当麻寺駅で待ち合わせをし、車で迎えにいった。今日はいい天気だったので歩いてもよかったかな。
工場に着いて早速カホンを見てもらった。こないだのイベントに出品した2台のVだ。バーチとメイプルを試奏してもらい、どちらか気に入ったらお安くします、もし違ったら作りますという話だった。
でもさすが音楽の先生で、僕が少し叩いた音を聞いただけで、メイプルがいいと言われたのだ。自分でも触ってもらったが、やっぱりこっちだという。音域の広さや音の立ち上がりが気持ちいいメイプル。というわけで37番のメイプルは彼女のものとなった。
時間に余裕があるというので、コーヒーを豆から挽いていれ、飲みながらいろいろと話をした。カホンの話、家具の話、教育の話。
雅魚くんの話をすると、とても興味深そうだったので、がおママのホームページや稲岡先生のことも教えておいた。不思議だな。もしかするとまた繋がっていくのかもしれない。カホンを作っているだけで、こんなにも的を射た繋がりが続くものだろうか。
彼女を駅まで送って工場に帰り、午前中に終わらなかった例の仕事の続きをしていると、もうすぐ完成という時に、仕様の見落としを指摘された。
いや図面にはないでしょ。最初の話では言ってたはず。それじゃ値段的に。もう遅い。なんじゃそら。
結局、言われた通りにし、夕方までかかった。
その塗装をしている時に外から、こんにちは!、とかわいい声がした。近所に住む小学生の姉妹で、よくうちの前を犬を連れて散歩している女の子だった。
そういえば以前、その犬の犬小屋を作ってほしいと、いや一緒に木工教室で作りたいと言われたことがあって、じゃあどんな形の家がいいか絵を描いておいで、果物でも野菜でもなんでもいいからモデルを決めてね、と宿題を出しておいたのだった。手にはノートを持っている。
僕は急いでのらくらやってた塗装を終わらせ、彼女たちのノートを見せてもらった。すると、かわいい!!!
もう、どうやってこんなの木で作るんだ、というのや、モデルに選んでるのが、ケーキ、さかな、ケイタイ、テレビとほかにもいっぱいノートに描いて来ている。もちろん、その家の入り口らしきところに犬の絵も。たまらんな小学生、やられた!
一枚一枚を見ながら話を聞いて、どれにするか話し合った。これってめっちゃSIGNのオーダーメイドじゃないか。もうおじさんタダでもやっちゃう。
で、最終的に決まったのがテレビ。二人の意見で赤いテレビでアンテナ付き、画面がもちろん入り口。ああ。
簡単に完成のパースを描いてあげて、二人は帰っていった。
今日の一日、これですべて浄化完了。
ああなんて素敵な浄化姉妹!!
可愛らしいスケッチを想像してドキドキしました。
子供相手にはいつも精一杯で挑まなけれバ!
素敵なお裾分けをありがとう。
ほんとにね。見せたいよ。
ノート一冊だよ。
まだ知り合って間もないおじさんに、おどおどしながら、また目を輝かせながら、時々いつもの調子が出たりして説明してくれた。
小学生って教えるのは難しそうだけど、なんか空中に漂ってるものをつかむようで、でも面白そうだ。