二人用ダイニングセット
テーブル W800×D800×H700
材質:楢柾目
塗装:天然カラーオイル、ワックス
チェア W500×D440×H820 SH420
材質:楢、ペーパーコード
塗装:天然カラーオイル、ワックス
ストーリー
テーブルには重要な機能がある。
新居を構えると、まず必要となる食卓と椅子。
男性はとかく大きく重厚なものを望み、女性はデザインと機能性を求められる事が多い。
しかし、僕がまずテーブルを作る上で一番注意を払うのは寸法である。
テーブルには人と人の距離を調節する機能があるからだ。
対峙して相手を見ること。
会話すること。
向き合うこと。
食事という作業のなかで、家族が確認しあうお互いの距離。
親密であれば近くても苦にならず、逆に初対面でも話がしやすい距離というのがある。
向かい合って座るのか、対角なのか、隣なのか、はたまた「かねて」なのか。
二人、もしくはゲストをいれて四人でも、このサイズのテーブルでの食事は楽しい。
一人分の幅はゆったりと充分にあり、正方形はほぼ全員と等距離になり、テーブルにいっぱい並ぶ料理。
僕が提案する食卓は、依頼者の意図に反する。
デザインも、装飾はいらない、付加機能も必要ない、そんなことより材質や用途に合ったしっかりした構造に力を入れること。
その家の、家族の時間を刻んでいく家具だからこそ、ワキに徹する名優でありたい。
そしてダイニングチェアは幅が広めで、いろんな体勢に対応し、身体の角度を変えると座面の角度も変わるペーパーコード張りがおすすめ。
できるだけ軽く、安定感のあるものを作りたい。
どちらも重厚でデザインに凝ったものは、リビング用の家具に楽しみをとっておくべきだと思う。