洗面所について
材質:洗面台(ナラ、ウォールナット、ニヤトー、ピーラ、タモ)
洗面鉢(鴨工房)
床(吉野杉)
塗装:天然オイル、ワックス
ストーリー
新築で家を建てるとなると、今の住宅事情からすれば、限られた床面積の中でできる限りLDKを広くとり、ほかの機能はコンパクトにおさめるのが当たり前のようだ。
小さな家でも広々と暮らしたい。そのためには個室を減らし、共有空間を増やす。
そして家としての必要機能である風呂洗面トイレを、必要充分な大きさでまとめ、きゅきゅっと配置する。
もしくはもうひとつ階層を増やして一番上にぽーんと持っていく。
まあまあそれもいいだろうと思う。
しかし僕はここでひとつ提案したい。洗面脱衣所(室)とは第2のリビングであるということを。
風呂の前の1~2畳のスペースに、洗面台、洗濯機、脱衣かご、洗剤、タオルなどの収納、体重計、バケツ、モップ、などなど。
足ふきマット以外の上に足場はなく、共有スペースでありながら誰かと共有することはなく、滞在時間は短く、交代で使う個室となっていないだろうか。
銭湯の脱衣所を思い出してほしい。ほぼ風呂場と同じくらいの広さの脱衣所には、壁一面の収納(鍵付き)、(ひからびた)ソファ、テレビ、エアコン(扇風機)、冷蔵庫、マガジンラックと、くつろぐ機能が満載なのだ。
しかもそこは世代を越えたコミュニケーションの場、社交場である。
そういった考え方を、家にも持ち込めないだろうか。
家族が同時に利用できる広さ、カウンター型の洗面台と、大きな鏡、全員の下着、肌着くらいなら収納できる家具、濡れた素足で歩いても気持ちいい杉のフロア。
意外とリビングでは話さないようなこと、見られないこと、があるかもしれない。
新築では難しいかもしれないが、リフォームならあり得る話。
あなたの家の風呂場の隣に6畳くらいの部屋は空いていませんか。